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いっしょに育て隊

第39回
ぶっくぱぁく 関口正子さん、八町綾生さん
読みきかせが好き、絵本が好きなおばちゃんです(前編)

2017年4月21日 公開

ある日の夕暮れどき、調布駅前にあるカフェaonaで、2人の女性たちによる絵本の読みきかせが始まりました。

「はじまるよ、はじまるよ、はじまるよったらはじまるよ♪」

優しく楽しい歌声に、居合わせた子どもたちが目をキラキラさせながら集まってきます。この日、絵本の読みきかせをするのは、「ぶっくぱぁく」の代表である関口正子さんと、メンバーの八町綾生さん。何しろ楽しそうなお二人、いったいどんな方たちなのでしょう。まずは活動のきっかけや思いからお話をうかがいました。

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▲「aonaシアター」にぶっくぱぁくさん登場の日。

 

「絵本好きなおばちゃんたちです」

 

コサイト いつもここカフェaonaの「aonaシアター」で読みきかせの様子を拝見していますが、本当に楽しい雰囲気で、食事に来た子どもたちもママも、みなさん喜んでいるようです。とはいえ、お二人はいわゆる「本職」ではないのですよね?

 

関口 ただの絵本好きなおばちゃんたちですよ(笑)。私たちは、調布市立八雲台小学校のPTAから生まれたボランティアサークルです。私は日頃はパートで働いていますし、絵本の読みきかせもいわば「自己流」です。もちろん自分たちなりに、学べるものは学んできましたけれど。

 

コサイト 読みきかせの最初に歌っている「はじまるよ、はじまるよ♪」っていう歌は、保育士さんたちがよく歌っているので、てっきりそういうご経験があるのかと。

 

関口 うふふ、違いま〜す。保育園で読みきかせをする機会があって、そのときに他の読み手の方が歌っているのを聞いて、その場では覚えきれませんから(笑)、インターネットで調べました。

 

コサイト そ、そうなんですか…?

 

八町 もともと小学校で始まった保護者による読みきかせのサークルで、私も保護者の1人として参加したのが始まりです。だから読みきかせの対象は小学生ばかり。未就学児さん向けの読みきかせは「ぶっくぱぁく」としてカフェaonaで読みきかせをするようになってからです。

 

0330_494▲子どもたちを前に笑顔いっぱいの八町さん。

 

コサイト そういうことでしたか。小学校で保護者が交替で読みきかせをするのは、どこの学校でもやっていますね。でも八雲台小学校ではサークルまでできてしまった。

 

関口 初めはクラスごと、そのクラスの保護者が交替で読みきかせをしていました。だんだん、読みきかせができるメンバーが揃っているクラスと、メンバーが少なくて苦労しているクラスといろいろになってきて。それなら余力のある人が他のクラスの読みきかせをしてもいいのでは、ということになり…。

 

八町 そこで、学校内で活動するPTAの同好会として「ぶっくぱぁく」が誕生しました。

 

コサイト 読みきかせが好きな方が多かったのでしょうね。

 

八町 それもありますが、実は最初に読みきかせを始めてくださった保護者の方が別の学校で学校司書として働いている方で、その方がいろいろ教えてくださったのが大きいです。

 

コサイト 心得のある方がいらしたから、盛り上がったのですね。そして今は学校外の活動に広がっています。

 

関口 自分たちの子どもが卒業した後も活動を続けたくて、ボランティアグループを作りました。現在は在校生保護者による同好会と、私が主宰するボランティアグループの両方が「ぶっくぱぁく」内に共存する形で活動しています。

 

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コサイト どうしても読みきかせを続けたかったのですね。何が魅力なのでしょう。

 

関口 私はとにかく、子どもの本が好きで、読みきかせが好きで、喜んで聞いてくれる子どもたちのことが好き。だから、続けたかったのです。小学校を卒業すると読みきかせする場が無くなってしまいます。何しろ、単なる「読みきかせ好きのおばちゃん」ですから(笑)。当時はaonaもありませんでしたから、小学校でOBとして活動するのが唯一の道でした。

 

コサイト 関口さん個人は「子どもの本を楽しむ会」という任意団体にも参加していますね。

 

関口 はい「ぶっくぱぁく」を立ち上げる前から参加しています。私はその関係で保育園へ連れていってもらい、未就学の子どもたちへの読みきかせの楽しさに目覚めました!

 

コサイト 八町さんは、何か特別な思いがあって活動を始めたのでしょうか。

 

八町 いいえ、そういうことはなくて一保護者として参加したのが始まりです。本の楽しさを深めてもらったのは、学校司書をやっている方の存在が大きかったですね。難しいことを考えるのではなく「楽しい」がキーワードでした。

 

コサイト 絵本の読みきかせというと、難しいルールがありそうなイメージでしたが、そういうことではなかったのですね。

 

八町 こうあるべきとか、上手に読まなくてはならないとかではないと。その時間を一緒に楽しめばいいじゃないと教えてくださいました。そしてもう一つ、読みきかせの最後に「楽しかった?」と聞かないように、とも。

 

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コサイト え〜!私だったらつい聞いてしまいそうです(笑)。

 

八町 小学校の読みきかせは集団が相手ですから、いろいろな子どもがいます。楽しいと思う子もいれば、つまらなかったという子もいていいのです。感じ方はそれぞれでいいということですね。

 

コサイト 押し付けるのではなく、自由でいいということですね。

 

関口 ですから、聞きたくなければ聞かなくてもいいよと。ただ聞いている子もいるから邪魔だけはしなでね、って伝えています。

 

コサイト と言いつつ、つい内容が気になって聞いていたりして(笑)。

 

関口 そうそう、知らんぷりしても耳はこちらを向いていることはよくあります。

 

八町 最後に「ありがとうございました」って言ってくれたりして、本当にかわいいんですよね〜!

 

関口 ね〜!

 

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コサイト お二人とも活動はボランティアですけれど、小学校で読みきかせを始めて13年、「ぶっくぱぁく」を設立して7年ということで、活動の場は広がっています。「ぶっくぱぁく」には、八雲台小学校の卒業生保護者でなくても入会することはできますか?

 

関口 ボランティアグループの方に入っていただくことはできます。お仲間が増えるのは本当に嬉しいことです。あくまでもボランティアなのでお仕事ではありませんし、みなさん働いているので専従スタッフがいるというわけでもありません。ゆるやかなグループですけれど、よろしければぜひ。

 

コサイト なんだか、とっても楽しそう。グループで活動することで、いいこともたくさんありそうです。

 

関口 そうなんです!どうしても1人だと本選びにも限界があります。他のメンバーが持ってきてくれる本は自分がまったく知らないものもあるので、常に新しい出会いがあるのも嬉しいところです。巡り会える本が増えるし、子どもたちも1人の大人が読むよりいろいろな大人が読めば、さらに世界が広がります。集団読みきかせのいいところだと思います。

 

 

とにかく、絵本の読みきかせが好きでたまらないという関口さんと八町さん。後編では実際の読みきかせの場で出会った子どもたちの反応や、絵本選びについてなどまだまだ語ってくださっています。どうぞお楽しみに!

 

執筆者

読みきかせボランティアグループ「ぶっくぱぁく」の代表、関口正子(せきぐち・まさこ)さん(左)。2男1女のママ。メンバーの八町綾生(はっちょう・あやみ)さん(右)。3女のママ。「とにかく、絵本を読みたい、読ませてください!(笑)」とお二人。

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