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いっしょに育て隊

第11回
ぷくぷく・ポレポレの家のみなさん
「ここは親子でのんびり、ゆったりできる場所」(前編)

2015年9月4日 公開

調布で子育てしていてよかった…!そんな風に思える場所があります。

そこは、地域の子育て中のママ・パパからシニアまでが気楽に立ち寄れるところです。

 

京王線布田駅から、品川通り方向へ歩いて数分。細い路地の入り口に、かわいらしい看板がありました。

 

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「ぷくぷく・ポレポレの家」

 

絵本の中に出てきそうな、かわいい名前!細い路地を入った先にその家はありました。建物はちょっと古くてどこか懐かしい雰囲気です。縁側があって小さいお庭があって…まるで実家を訪ねたときのような気分。

 

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玄関を入ってすぐのところにある和室では、定期的に行っているという「おしゃべり会」のまっさい中です。

 

いつもにぎやかな「ぷくぷく・ポレポレの家」。中心となって運営しているスタッフの皆さんにお話を伺いました。

 

保育園勤務時代に芽生えた想い

 

コサイト よろしくお願いします。赤ちゃんの抱っこのしかたが何ともプロで…。保育士さんでいらっしゃるんですよね。

 

鈴木 はい、調布市内にある皐月保育園で30年ほど働いていました。退職して今はここの運営をしています。

 

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▲代表の鈴木賀代子さん。

 

コサイト ここを立ち上げたきっかけを教えてください。

 

鈴木 保育園に勤務していたころ、私は「子育て支援事業」の担当をしていました。この事業は保育園に通っていない、地域の親子をサポートするものです。家で子育てをしているママたちは、子育てのちょっとした不安や疑問を相談する機会がありませんよね。そこで、保育園が地域のママたちに、保育士ならではの知恵やノウハウをお伝えできたらとスタートしました。さっそく子育ての講座やサークルなどを企画したところすごい人気で…。

 

コサイト ママたちのニーズがあったということですね。

 

鈴木 そうなんです。私も「ママたちはこんなに悩んでいるんだ」ということを改めて知りました。保育士にとって子どもの成長発達の中でごく当たり前のことも、子育てが初めてのママにとっては大問題だったりするんですよ。

 

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コサイト たとえば…?

 

鈴木 生後7カ月ぐらいの赤ちゃんのママが「うちの子、変な声を出すんですよ」と相談してきたことがありました。私は「ああ、それは喉が使えるようになった、成長したっていうことね」とお答えしたところ「あ、そういうことですか」ってすごく気持ちが楽になったようでしたよ。

 

コサイト そういえばうちの子も叫んでいた時期がありました〜。一時のことですが、やっぱり「何で叫ぶんだろう」って心配したこともありました。

 

鈴木 実はちょっとしたことなのですが、誰に相談していいかわからず悩んでいるママは多いと思います。

 

コサイト そんな鈴木さんのご経験が、この「ぷくぷく・ポレポレの家」に生かされているのですね。ここならママたちが気楽に遊びに来て、ちょっとしたことはすぐに相談できますから。

 

鈴木 そうなんです!いい感じでしょう?

 

専門家がママたちに寄り添う「場」

 

コサイト 4人の創設メンバーはどのようにして集まったのですか?

 

鈴木 山形佐紀さんとは、私が運営していた保育園の子育てサークルに参加してくれたのが出会いなんですよ。彼女は臨床心理士さんで、いろいろ話しているうちに、一緒にやろうよっていう話になりました。

 

コサイト わあ、利用者さんだったんですね!臨床心理士としてはどんなお仕事をしていたのですか?

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▲3人目を出産したばかりの山形さん。

 

 山形 そうなんです。大学院を出てからはスクールカウンセラー、発達相談、教育相談などをしていました。結婚して出産し現在3人の子どもがいますが、1人目の出産が大変だったので、実家がある調布で暮らすようになりました。私、生まれも育ちも調布なんですよ。

 

コサイト ほぼずっと地元なんですね〜。さて、そして滝柳さんはどのようなご縁でこちらに?

 

滝柳 私は今も皐月保育園の保育士として働いていて、賀代子さんはかつての同僚です。勤務時間は朝と夕方なので、日中はここでボランティアとして来ているんです。

 

コサイト 職場つながりなんですね。

 

滝柳 そうです。賀代子さんからはよく「地域で子育てをしているママたちを支援したい」という話を聞いていました。その頃から「私も一緒にできたらいいな」って思っていたのです。

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▲優しい笑顔が素敵な、滝柳さん。

 

コサイト 「ぷくぷく・ポレポレの家」に来ると、プロの保育士さんがサポートしてくれるなんて、利用者のみなさんは安心でしょうね。

 

滝柳 子育ては大変なことですけれど、実はみんなが応援しているんだということが伝わったらいいなと思っています。

 

コサイト 十分伝わっていると思います。今日もみなさん、とてもリラックスしているように見えますよ。

 

鈴木 そうでしょう(笑)。この家の名前はそんな想いをこめてつけました。ぷくぷくは、ぷくぷくした赤ちゃんのイメージと、『ちょといっぷく』のぷく。ポレポレはスワヒリ語で『ゆっくり、のんびり』という意味です。

 

コサイト 気軽に立ち寄れて、のんびり過ごせるなんて素敵ですね。それから山口さんはコーディネーターということですね。

 

山口 私は以前、公民館の託児付き講座などのときにママたちが利用する「保育室」に関わっていた時期があります。その頃からずっと「ひとりぼっちの子育て」をサポートしたい、地域にママたちの居場所を作りたい…と。そう思い続けていたら、こんな素敵な出会いがあったというわけです。

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▲地域で居場所を作りたいという想いを語る山口さん(右)。

 

コサイト この家との出会いですね?

 

山口 はい、持ち主の方に「自由に使っていいよ」と言ってもらえて、無償でお借りしています。ご許可いただき、隣の敷地も自転車置き場として使わせてもらっています。

 

コサイト なんて粋な計らいなんでしょう! 

 

鈴木 本当にありがたいことだと思っています。

 

 

4人のメンバーそれぞれが、子育てをしている人たちに寄り添いたいという想いで集っている「ぷくぷく・ポレポレの家」。

 

取材した日も、利用者のママたちでとてもにぎやか。幼稚園がお休みの日だったので、少し大きなお姉ちゃん達も来ていて、お庭で楽しそうに遊んでいます。

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「ぷくぷく・ポレポレの家」がどのように運営されているか、その詳細は次回の「いっしょに育て隊」で。

執筆者

写真右から、山形佐紀さん(臨床心理士)、山口ゆみさん(コーディネーター)、鈴木賀代子さん(代表・保育士)、滝柳まき子さん(保育士)。

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