困ったときの「子どもごはん」レシピ3

コサイトでは、調布市内の認可保育園「パイオニアキッズ」で提供している給食をご紹介しています。連載4回目は「発酵食」や「干し野菜」がテーマ。手前味噌は作れなくても、日々の食事に上手に発酵食などを取り入れていけたらいいですね。1品でもぜひ参考にしてくださいね。

 

発酵食品を毎日の献立に

・たらの塩こうじ焼き

・豚肉厚揚げ里いもの煮物

・小松菜のごま納豆あえ

・まいたけ大根のりの味噌汁

・五分づきご飯

・くだもの

 

 

たらの塩こうじ焼き

材料(1人分)と作り方

たら 1切れ

塩こうじ 20グラム

油 少々

1 オーブンを200℃に予熱する。

2 クッキングシートに油を敷き、たらを並べる。

3 たらの上から塩こうじをかける。

4 20分焼いて完成。

 

豚肉・厚揚げ・里芋の味噌煮

材料(1人分)と作り方

厚揚げ 8グラム

里芋 10グラム

人参 10グラム

しいたけ 5グラム

豚肉 15グラム

こいくち醤油 0.8グラム

味噌 1.5グラム

三温糖 1 グラム

1 厚揚げ、里芋、しいたけを一口大に切る。

2 人参を乱切りにする。

3 鍋に人参、里芋を入れ、水100cc(分量外)でやわらかくなるまで煮る。

4 厚揚げ、しいたけ、豚肉を加えて、豚肉に火が通ったら調味料を加え、ひと煮立ちさせる。

 

小松菜のごま納豆あえ

材料(1人分)と作り方

1 小松菜を1センチ長さに切る。

2 もやしはできるだけ小さく折り、納豆と絡みやすくする。

3 ボウルにひき割り納豆を入れる。

4 小松菜、もやしを下ゆでし、水気をよくとり、納豆の入ったボウルに入れる。

5 しょうゆ、ごまを加えてよく混ぜたら完成。

 

まいたけ・大根・のりの味噌汁

材料(1人分)と作り方

まいたけ 8グラム

大根 15グラム

のり(きざみ) 適宜

いりこ(粉末)…いりこ5尾分

昆布だし 80グラム

味噌 2グラム(※)

赤味噌 1グラム(※)

※味噌は合わせて小さじ1/3

1  鍋に昆布だしと粉末のいりこだしを入れる。

2 大根0.5〜1センチほどのサイコロ状に切り、まいたけは食べやすい大きさに切る。

3 鍋に大根、まいたけを入れて煮る。

4 火が通ったら、味噌、赤味噌を入れて、ひと煮立ちさせる。

5 食べる直前におきざみのりを入れて完成。

 

●塩こうじの作り方

材料(作りやすい分量)

米こうじ 100グラム

水 150cc

塩 10グラム

 

作り方

1 水を鍋に入れて火にかけ、60℃〜70℃にする。

2 乾燥米こうじを炊飯器に入れる。

3 そこに60℃〜70℃に熱した湯を加える。

4 ふたをして30分間保温する。

5 きれいなボウルに移し、塩を加えて混ぜる。

6 粒が柔らかくなったら完成。

密閉された容器に入れ、冷蔵庫で約6カ月保存ができます。

 

楽しい!子どもと「食しごと」 寒仕込み・干し野菜 

調布市にある認可保育園「パイオニアキッズ」では、これまでのコラムでもご紹介してきたように保育の中に日本の暦「二十四節気七十二候」を取り入れています。

 

たとえば子どもでも理解できるように絵本なども使って、四季折々の行事や旬の食物、気候の特徴などを、先生と子どもたちが一緒に調べたり楽しんだり。季節ごとに行っている「食しごと」もその一つ。「食しごと」とは、たとえば梅雨時に「梅」を漬けたり、寒い時期に味噌を仕込んだりする風習のこと。日本の食に根付いた文化です。

 

みんなでチャレンジ「手前味噌」

 

1月に入り寒さも本格的になってきた頃、「パイオニアキッズつつじヶ丘園」では「味噌の寒仕込み」に挑戦することになりました。大人にとってもハードルが高そうに思える味噌作り…子どもたちにできるかな?

そんな心配は無用でした。子どもたちは当然「できる」と思っているし「やってみたい」と心から思っている様子。ゆきの先生と子どもたち(4歳児クラス)はこれから取り組む「味噌作り」に向けてああでもない、こうでもないと話し合いをしています。

 

 

全員で、味噌づくりに必要な材料や道具を確認しました。

 

「こうじ、だいず、みそだる、しお、なべ」

材料は多種類なのかと思いきや、意外にシンプルですね。

 

寒い時期に仕込むから「寒仕込み味噌」。味噌はいつ仕込んでもいいそうですが、時間をかけてじっくり発酵させたほうがより美味しくできあがるということで「寒仕込み」が一般的です。

 

さあ、早速「食しごと」に取り掛かります。

▲エプロンと三角巾、マスクも忘れずに。

管理栄養士のめぐみ先生から、味噌作りの手順について少し説明がありました。

「大豆をつぶして、塩と麹を混ぜ合わせて作ります。大豆はやわらかく指でつぶせるようになるまでゆでてからつぶしますよ」

早速大豆をゆで始めました。大豆は1キログラム。

「ぶくぶくしてこないなあ」

「今、何度ぐらいだろう?」

「測ってみようか…(温度計を鍋にさしこみ)62度。ぶくぶくすることを『ふっとう』っていうの。100度になるとふっとうするのよ」(めぐみ先生)

「ええ〜?ひゃくど!!あつすぎるぅ!」(すごく盛り上がる)

 

熱々になるには、もう少し時間がかかりそうですね。お鍋の番はのりこ先生にまかせて、次の作業に移りましょう。

 

続いて登場したのは麹です。1キログラムの麹に塩は400グラムほど。ボウルの中で手ですり合わせるようにして混ぜます。

 

子どもたち一人ひとり順番に、塩と麹をすり混ぜます。大胆にすりすりできる子もいれば、遠慮がちな子もいます。

 

「よく混ざったから、ここに種味噌を入れま〜す。なんで入れるかわかるかな?この種味噌はみんながいつも食べているお味噌。この出来上がった味噌の力を借りて、美味しいお味噌になるのよ」(めぐみ先生)

家庭でヨーグルトを作るときにも、市販のヨーグルトを種にしますね。味噌も同じことなのだそう。

 

「じゃあ、麹と種味噌を混ぜますよ」

 

「わあ、おみそのにおいがする〜!」

「おしょうゆみたいなにおいだよ」

「味噌おにぎりのにおいがする、おいしそう!!」(パイオニアキッズではおやつの味噌入りおにぎりが人気なのです)

 

食しごとはそのプロセスで感じることがたくさんあります。たとえば茹でたての大豆から立ち上がる香り、たね味噌の香り、混ぜるときの独特な手の感触…。

大豆のお鍋もそろそろいい感じにゆで上がったようです。手でもつぶれるぐらいの柔らかさになったことを確認して、ザルにあげました。

▲ザルにあげて湯をきります。

ふたたび鍋に戻した大豆を、マッシャーでつぶします。これはもう総力戦!かなり力のいるお仕事です。

よくつぶしたら、種味噌をまぜた麹を加えて…。

 

この段階で匂いを確認!「わ〜すごいにおい!」

さあ、いよいよ混ぜますよ。よく手を洗った人から順番に混ぜました。よく混ざったら、味噌玉を作ります。

たくさんの味噌玉ができたところで、満を持してパイオニアキッズつつじヶ丘園が開園以来使っている「味噌だる」が登場!

「味噌玉をこの中に少し強くたたきつけるように投げ入れますよ。やってみようか」(めぐみ先生)

初めてのことで子どもたちはすごく慎重に「ぽん」と入れたり、強くと言われたので思い切り投げたらそのまま先生のエプロンに着地してしまったり。加減って難しいですね。

味噌玉が全部入ったら、手で味噌の表面をぎゅっと押し付けて平に。叩きつけるように味噌玉を入れるのも、できるだけ空気を抜くための作業です。ラップをかけてその上に重石を置いたらできあがり!

 

夏越しの場所は…?

 

寒仕込みの味噌はじっくり発酵させるため、夏を越すまで冷暗所に保管します。

 

「この味噌だる、どこに置いたらいいと思う?日があたらない、風通しのいい、涼しいところがいいんだけれど…」(ゆきの先生)

何でも子どもと大人が一緒に考えるのがパイオニアキッズ流。

「えーとお部屋の近くのところ」

「でもあそこは涼しくないよ」

「じゃあ、玄関のところの棚はどうかなあ」

「だれかがぶつかったら危ないよ」

頭をひねって一生懸命考え中。ああでもないこうでもないと議論は白熱!最終的に、食堂横にある給食サンプルを置く棚の下にちょうどいいスペースを見つけました。

野菜や果物を「干す」とどうなる?

保育園では果物や野菜を干して保存する「食しごと」もしています。実は取材した日の20日ほど前に、切り干し大根を作ったのだそう。近所の農園で収穫させてもらった大根を、ピーラーで削り、ザルにのせて天日干ししておいたものがこちら!

 

野菜は干すことで保存もきくし、旨味も増します。生のときとは香りも違いますね。この切り干し大根は近々、園の給食の煮物に変身する予定です。

「実は一部の大根はまるごと干してあるんですよ。漬物にも利用できるのですが、今回は干して旨味が凝縮された干し大根を、豚汁などに使おうかなと思っています」(めぐみ先生)

「今年は干し柿にも挑戦しているんです。これはもう私自身の興味もあって…(笑)食べるのが楽しみです!」(のりこ先生)

 

季節ごとの「食しごと」。実は先生たちにとっても「初めて」の体験だったりすることも多いのだそう。経験がなくてもちょっと調べてみると「これならできそう」というものもきっとあります。親子の楽しみとして手軽なものから「食しごと」にチャレンジしてみてはいかがでしょう?

▲軒先に吊るされた大根たち。
▲そろそろ食べられそうな干し柿。

発酵食品を食べよう

 

たとえば味噌や納豆などの発酵食品はパイオニアキッズの給食でも積極的に取り入れています。今回の「手前味噌」もいずれは給食に使われる予定だと言うから、楽しみ!

 

取材した日の給食も、発酵食品がたっぷりでした。

 たらの塩こうじ焼き

 豚肉厚揚げ里芋の味噌煮 

 小松菜のごま納豆あえ

 まいたけ・大根・のりの赤だし味噌汁

 五分づきご飯

 

たらに使っている「塩こうじ」も手作りです!納豆の和え物は子どもたちにも人気です。味噌汁に「焼きのり」を入れるのは手軽に乾物を利用する知恵ですね!これは家庭でも真似ができそう。たとえば味噌や梅干し、乾物などは上手に食生活に取り入れていけたらいいですね。

 

愛情たっぷりの給食を今日も美味しくいただきました。

 

毎日のように口にしている味噌汁も、実は丁寧に仕込んだ味噌を使っていることに気づけたら、子どもなりに感じることもありそうです。手軽にできるものを探して、家庭でもたまには「食しごと」を親子で楽しんでみませんか。(撮影・赤石雅紀)

 

 

 

困ったときの「子どもごはん」レシピ2

コサイトでは、調布市内の認可保育園「パイオニアキッズ」で提供している給食をご紹介しています。連載3回目は「季節の献立」「郷土食」がテーマ。当日メニューの詳しい作り方を、こちらのページで紹介しています。

 

ご家庭でも、ときにはその季節ならではの食材を取り入れていけたらいいですね。ぜひ食事作りの参考にしてください。

 

旬の食材をシンプルにおいしく

・ぼだっこ(鮭のごま塩焼き)

・いものこの煮物

・キャベツとりんごのサラダ

・納豆汁

・ごはん(新米)

・くだもの

 

ぼだっこ(鮭のごま塩焼き)

材料(1人分)と作り方

鮭 40グラム(1切れ)

油 小さじ1/2

塩・ごま 少々

 

1 油、塩、ごまをボウルに入れてよく混ぜる。そこに鮭を入れてよくあえて、味をしみ込ませる。

2 フライパンで両面を焼く。

 

いものこの煮物

材料(1人分)と作り方

里芋 25グラム

ごぼう 10グラム

玉ねぎ 10グラム

さやいんげん 5グラム

鶏もも肉 15グラム

しょうゆ 小さじ1/3

三温糖 小さじ1/2

油 小さじ1/4

 

1 里芋、ごぼう、鶏もも肉は一口大に切る。玉ねぎは厚さ5ミリの千切り、いんげんは3〜4センチの長さに切る。

2 鍋に油を敷き、鶏もも肉を炒める。火が通ったら玉ねぎ、ごぼう、さやいんげんを加えてさっと炒める。

3 里芋はこげやすいので、たっぷりの水で別に下ゆでしておく。

4 鶏肉と野菜を炒めている鍋に水(分量外100ml)、しょうゆ、三温糖を加えて煮る。

5 ごぼうが柔らかくなったら里芋を加え、ひと煮立ちさせる。

 

キャベツとりんごのサラダ

材料(1人分)と作り方

キャベツ 15グラム

にんじん 5グラム

りんご 10グラム

きゅうり 5グラム

米酢 小さじ1/3

三温糖 小さじ1/2

塩、レモン汁 少々

 

1 キャベツは一口大、きゅうりは輪切りにする。人参、りんごは厚さ3ミリのいちょう切りにする。

2 湯が沸騰した鍋に人参を入れ、柔らかくなったらキャベツ、きゅうりを加えて約1分ゆでる。

3 ゆでた野菜を水にさらして冷ます。

4 水気をしっかりと取り、ボウルに移してりんごを加える。

5 米酢、三温糖、塩、レモン汁を加えてしっかりあえる。

 

納豆汁

材料(1人分)と作り方

ひきわり納豆 10 グラム

カットわかめ 0.3グラム

なめこ 8グラム

長ねぎ 10グラム

いりこ 2.4グラム(5尾)

昆布だし汁 80グラム

みそ 3グラム

 

1 鍋に昆布だし汁、粉末にしたいりこを入れる。

2 カットわかめは水で戻して食べやすい大きさに切る。ねぎは厚さ2ミリの輪切り。

3 ひきわり納豆、わかめ、なめこ、ねぎを1に入れて煮る。火が通ったらみそを入れてひと煮立ちさせる。

 

「新米っておいしいね」 季節のごはん

毎日の食卓に「季節」を取り入れていますか?ハードルが高そうに思えますが、実はほんのちょっとしたことでいいのです。でも、その「ちょっとしたこと」って何なのでしょう。

今回のテーマは「季節」。調布市内にある認可保育園「パイオニアキッズ」では、保育全般に季節を取り入れているとのこと。早速、のりこ先生と管理栄養士のめぐみ先生にお話をうかがいました。

 

二十四節気七十二候という考え方

 

そもそも季節って「四季」というぐらいだから4種類?いえいえ、日本には古来から四季折々をさらに細やかに感じるための暦、二十四節気があります。それはたとえば「立春、夏至、立秋、節分…」などで知られる、季節を表すもの。1年を春夏秋冬の4つに分け、さらに一つの季節を6つに分けています。パイオニアキッズではこの二十四節気をさらに細かく分けた「二十四節気七十二候」を保育に取り入れています。うーん、ちょっとしたことといっても…のりこ先生、なんだか難しそうですよ。

 

「実はね、私自身もよく知らなかったから始めは少し勉強しました。日本は四季折々の豊かさがありますが、その豊かさをどうやって伝えていけばいいのかって思いますよね。そんなときに『二十四節気七十二候』が実はとても役に立つことに気づきました」(のりこ先生)

つまり、季節を捉える便利なツールでもあるということですね。実際、子どもにもわかりやすい絵本が用意されていました。取材した日の暦を見ると、その日は二十四節気の「霜降(そうこう)」七十二候の「霎時施(こさめときどきふる)」にあたりました。絵本のページを開きながら、先生が子どもたちに語りかけます。

「今日は『霜降(そうこう)』っていう日だよね。霜が降りるっていう字が書いてあるから…今日は暑いのかな?それとも寒いのかなあ」(ゆきの先生)

「さむいー!」(子どもたち)

「そうだね、だんだん寒くなってきたよね」(ゆきの先生)

子どもたちは絵本に描かれている絵や先生とのおしゃべりから、自然と季節を感じているようです。日頃から野川などの自然環境が豊かな地域でたっぷりと外遊びをする中で、季節ごとの空気、草木の色合いや生き物たちなどの様子に触れ、季節の移ろいにも実感があるのかもしれません。

「子どもたちにとって、自然は身近なものです。身近なものを保育に取り入れることで、子どもたちが自然と季節の移り変わりに気づけるんです。もちろん七十二候は難しいところもありますから、子どもたちが落とし込めるような内容で伝えています。たとえば『玄鳥去(つばめさる)』や『桜始開(さくらはじめてひらく)』などは子どもたちもわかりやすいようです」(のりこ先生)

 

「新米」って何のこと?

 

この日はめぐみ先生が子どもたちにあるものを見せてくれました。それは袋に入ったお米です。

「みんな、いつものお米と何が違うかわかる?」

「え〜、なんだろう」

「わからないなあ」

実はめぐみ先生が持ってきてくれたのは、この秋収穫したばかりの「新米」でした。パッケージに「新米」と書かれたシールが貼ってあります。

「新しいお米っていう意味なの。秋はお米ができる季節で、とれたてのお米を新米っていうのよ」

「どんな味かな」

「しんまいって知ってる!」

いろんな声が上がり、子どもたちは興味津津。

実は、園庭には小さな「田んぼ」があります。初夏に田植えをした稲が育ち、つい先日収穫したばかり。お部屋のあちらこちらに刈り取った稲が干してありました。

子どもたちが籾を手にとり、殻をむき始めました。

「(紙を見ながら)茶色になった籾の殻をむくと…茶色い粒が出てきたよね。これは玄米っていうの。みんなも食べたことがあるよね」(ゆきの先生)

(パイオニアキッズの給食には、玄米ごはんの日もあるのです)

 

「白くない!」

「お米とちがう〜」

「玄米食べたことある!」

 

めぐみさんが玄米を小さなすり鉢でゴリゴリと擦り始めました。

「こうするとね(ゴリゴリ)、まわり(の皮)が少しずつとれていくんだけど(ゴリゴリ)…なかなか取れないなあ(笑)。粉になった皮をフーっと吹くと白いお米が残るのよ」(めぐみ先生)

 

自分たちで時間をかけて育てた稲の殻をむいたり、すり鉢で精米にチャレンジしてみたり…そんな楽しい「体験」が子どもたちの心に刻まれていくのかもしれません。

 

「じゃあ、今日はこの新米を食べてみようか!」(ゆきの先生)

「やった〜」

「うん、食べる!」

「わーい」

この展開、最高ですね!!!給食の時間が、とても楽しみになりました。

 

献立に季節を取り入れる

 

この日の給食はお米の産地でもある秋田の郷土料理。寒い地域の料理であること、新米の季節なのでお米の産地でもある秋田の料理を選んだとのことでした。

「給食を通して日本の食文化を伝えていきたいと思っています。今日は秋田料理のぼだっこ(鮭のごま塩焼き)と、新米。他に季節の食材を取り入れたキャベツとりんごのサラダに、寒い時期に体があたたまるようにと納豆汁を作ります」(めぐみ先生)

 

どれも本当に美味しそうですね。たまたまこの日は新米やら、旬の食材でもある鮭を秋田の郷土料理として提供しているので「秋」らしさが伝わりますが、毎日のこととなると季節を取り入れるのは大変なのでは?

 

「献立には意識して旬のものを取り入れています。たとえば今だったら秋ですから、里芋、ごぼう、鮭、ぶどう、梨などでしょうか。果物は手軽に季節を感じやすい食材だと思います。たとえば、給食でみかんを出し始める時期になると『そろそろぶどうが終わっちゃうね』という声が出るんです」(めぐみ先生)

 

その季節には旬のものをいただく…その繰り返しが、季節を感じる心を育てているのですね。お迎えに来た保護者の方が給食のサンプルを見て「あら初物ね!うらやましい」なんて親子で会話している様子も、保育園ではよくある光景なのだそう。

「旬のものは美味しいですよね。その食材が一番おいしい時期に食べてもらえたらいいな、と思っています」(めぐみ先生)

 

郷土料理だけでなく、行事など日本文化を意識した献立作りにも力を入れています。

「たとえば七草の季節には七草粥をおやつに。ただ作るだけではなくて、野川に七草を探しに出かけていき、その流れで七草粥を食べてもらったり。あ、もちろん七草の材料は園で準備したもので、野川の草ではありませんけれどね」(のりこ先生)

 

日々の体験と季節を意識した給食が、暮らしの中でひとつながりになっているから、違和感なく子どもたちの心に入っていくのかもしれません。

 

園庭で野菜を育てる

 

パイオニアキッズつつじケ丘園では、稲の他にもいろいろな野菜も育てています。収穫したばかりの里芋がゴロンと置いてありました。いずれ給食で提供される予定だそう。

園庭には小さな畑があります。ちょうど端境期ということでパセリが一株と、人参の小さな芽が出てきたところ。

小さい田んぼにはメダカがたくさん。ヤゴなども生息していたとのことで、ちょっとした生態系になっています。すぐ近くには子どもたちが作った「かかし」もいます。

 

 

 

「パセリを育てていたら、キアゲハの幼虫が見つかったんです。その日から、パセリを育てる目的が『幼虫を育てるため』に変わりました(笑)。田んぼは、毎年2月になると年長さんたちが土作りを始めます。そのまま卒園していくわけですが、土作りをした田んぼを、次年度の年長さんへとバトンタッチしているんです」(のりこ先生)

 

 

おいしいね!新米

 

たっぷり外遊びをした後は、お楽しみの給食です。

3歳以上の子どもたちは、自分が食べられる量を自分で皿に盛り付けるブッフェ方式。苦手なものはほんの少しだけ。でもほんの少しでも食べてみると案外美味しくて、おかわりする子も。

新米は美味しい!もりもりと食べています。鮭のごまみそ焼き「ぼだっこ」も人気です。

「味覚を育てるということは、見た目や香り、触感といった五感を育てることでもあります」とめぐみ先生。

大人になれば自分で選んで好きなものを食べるようになるわけですが、その土台を作るのが幼児期です。ご家庭ではたいへんかもしれませんが、少しずつでも旬を取り入れたり、日々の暮らしの中で季節を感じ取り、食事とも関連づけていくことで、五感を豊かに育んでいけたらいいですね。

「行きたくなる町」仙川を親子で愉しむ

調布市の東部地域にある「仙川」は、京王線の駅を降りると目の前には居心地のいい駅前広場があり、活気あふれる商店エリアが周辺に広がっています。そこは自由が丘でも吉祥寺でもない、もう少しローカルな、でもちょっとした雑貨や美味しいものが揃う、ときどき訪ねたくなる街。子育て中だから遠出はできないけれど、仙川に来ると何となく満足できるという方も多いのではないでしょうか。

仙川の魅力を改めてご紹介したい!そこで、調布市在住で仙川が大好きで3人の女の子を育てている草野七瀬さんと三女の藍ちゃん(2歳)と一緒に、仙川の街をゆっくり歩いてみました。

 

日常の近くで感じる「非日常」

 

仙川駅前広場は、規模としては決して大きくありません。目の前には町のシンボルとも言える桜の木。天気のいい日などはベンチに腰掛けてそのままゆっくりしたくなる、落ち着いた雰囲気が魅力です。

 

「住まいが仙川に近いこともあり、大した用はなくても気分転換になるのでしょっちゅう来ています。小学生の長女と幼稚園に通う二女と三女のこの子と…毎日の子育ては本当に大変で、目の前のことに日々翻弄されている感じ。でもちょっと歩いてここへ来ると、気持ちがリセットできるというか…すごく近いところにあるのに、ここでは日常をふと忘れることができるんです」(草野さん)

 

それはきっと、仙川を訪れる人達の多くが感じていることかもしれません。そう感じる理由は、いったいどこにあるのでしょう。

 

おしゃれな雑貨をたのしむ

 

駅改札を降りてすぐ目に入るスタイリッシュなガラス張りのビルは、駅前シンボル的存在とも言える存在。かつてここに樫の木が植えられていた林があったことから「オークビル」と名付けられたのだそう。早速、ビル1階にあるインテリアショップ「KEYUCA」に立ち寄りました。

 

 

便利そうなキッチン用品や、センスのよい食器類、ベビー用品も並んでいます。「こんな道具や器があったら、気持ちよく暮らせるだろうな、なんて想像しながら眺めています。見ているだけでちょっと現実を忘れるというか(笑)」(草野さん)

 

ベビーカーのまま入店できるのも嬉しいところ。

「わあ、かわいい」

「素敵〜」

と、ついあれもこれも欲しくなってしまいます。

KEYUCAを出ると、目の前には珈琲ショップや雑貨店、おしゃれなお花屋さんなどが続きます。駅前から南側へ続くアプローチは歩行者専用のエリアも広く、子連れには比較的歩きやすいといえるでしょう。

実はこの先に草野さん親子のお気に入りスポットがあるというのですが…

 

本当に仙川が好き!

 

お気に入りの場所はとは、クイーンズ伊勢丹仙川店のある建物の2階テラスのこと。仙川の街を見渡しながら、心地よい屋外の空気を感じつつくつろぐには絶好の場所ですね。贅沢すぎる広いスペースに、イスとテーブルがゆったりと置かれています。

「ここに来るといつも『ああ、この街が好きだ〜っ』って思ってしまうんですよね」と草野さん。そんなふうに思えるのは、もしかしたら建物のデザインやその前に広がる風景、人々の往来までもが心地よく感じられるさまざまな「配慮」があるからかもしれません。

 

テラスだけでなく、クイーンズ伊勢丹の入口前にはウッドデッキもあり、行き交う人達の「憩いの場」にもなっています。ちょっと買い物に来ただけなのに、どこか豊かな気持ちになれる空間がある…そんな空間デザインがあるから、街全体にも「どこか心地よい空気」が広がっているのでしょうね。

 

公園でひと遊び

 

クィーンズ伊勢丹前の敷地とほぼシームレスに遊び場(公園)があることも、子連れにはありがたいこと。さっそく藍ちゃんも公園で遊び始めました。

 

この公園もまた、仙川を利用する人たちの憩い場。たとえば幼稚園のお迎え後の親子が集ったり、保育園の子どもたちがお散歩に利用したり、赤ちゃん連れ親子がゆっくり休んだり。もちろん、若者たちもシニアのみなさんまで、多様な世代の人たちが思い思いに過ごせる場所です。

思い切り遊んで、汗をかいて…お腹も空きました。ママと二人でお目当てのレストラン「センガワポワール」へと向かいましょう。

 

仙川の町を眺めながら美味しい時間

 

センガワポワールはリーズナブルで美味しいと人気のカジュアルレストラン。

お店はKEYUCAが入っているビルの2階にあります。1階部分には、子育て中の人たちが少しでも利用しやすいようにという配慮から、ベビーカー専用の置き場が。藍ちゃんのベビーカーもこちらへIN!(店内に持ち込む場合はスタッフさんにお声がけを。運ぶのを手伝ってくれます)

この日は、ママはパスタランチ。藍ちゃんはキッズハンバーグ(バゲット付き)を注文しました。ハンバーグはボリュームがあって美味しそう!これは「お子さまにも丁寧に作った本格的な料理を提供したい」というお店の思いがこめられています。

サラダバイキングやドリンクバーも充実していますね。藍ちゃんも「これ〜」とノリノリでリクエスト。ゆっくり楽しみながらランチをいただくことができました。

 

お買い物も快適に

 

さて、家に帰る前にもう少しだけお買い物。先ほども立ち寄ったクイーンズ伊勢丹の店内を回りました。入り口はスロープになっているので、ベビーカーはもちろん車椅子でも利用しやすい設計。店舗入口前のアプローチも広いのでストレス無く入ることができます。

 

「子どもたちと一緒に買物をするときに、子ども用の買い物かごがあるので助かるんですよ」(草野さん)

 

ママと同じように「お買い物」をしたい気持ちが、小さいかごで叶えてもらえるというわけですね。

半日たっぷり仙川の町を味わうことができました。

たまには親子で、ときには1人で。仙川で、あなたの「お気に入り」を見つけてみませんか。

 

(撮影・楠聖子)

困ったときの「子どもごはん」レシピ1 

コサイトでは、調布市内の認可保育園「パイオニアキッズ」で提供している給食を取材しています。子どもの心と身体を育む食事とは?詳しくはコラムをお読みくださいね。

 

ここでは取材した日の、給食のレシピをご紹介します。パイオニアキッズの給食は和食が基本。「ま・ご・わ・や・さ・し・い」を意識して、バランスのよい食事を提供しています。

味覚が敏感な子ども時代は、できるだけ素材の味を感じさせてあげたいもの。ご家庭での味付けの参考にしてください。

 

パイオニアキッズある秋の日の給食

 

・さんまの塩焼き

・鶏肉と大豆の切り干し大根煮

・じゃがいもとかぼちゃのグリル

・わかめ、冬瓜、まいたけのいりこだしみそ汁

・ごはん

 

さんまの塩焼き

材料(1人分)と作り方

さんま(頭・内蔵抜き) 1/2切れ

油 少々

塩 少々

 

1 天板に油を敷き、その上にさんまを並べる。

2 さんまに塩をふる。

3 オーブンで200度、15〜20分ほど焼く

4 さんまに焦げ目がついたらできあがり。

※コラムでは、園庭にかまどを作って焼いた様子を取材しましたが、ここでは給食室内で調理した場合、オーブンを使った調理法をご紹介しています。

鶏肉と大豆の切り干し大根煮

材料(1人分)と作り方

鶏もも肉 10グラム

切り干し大根 3グラム

人参 10グラム

えのき 10グラム

水煮大豆 5グラム

醤油 小さじ1/3

三温糖 小さじ1/2

片栗粉 少々

 

1 切り干し大根を水に浸して戻す。戻したら4センチ長さに切る。

2 にんじん、えのきを長さ4センチの千切りにする。

3  なべに全ての材料としょうゆ、三温糖を入れ、少量の水を加えて煮る。

4 火が通ったら、少量の水で溶いた水溶き片栗粉を回し入れ、とろみをつけたら完成。

 

じゃがいもとかぼちゃのグリル

材料(1人分)と作り方

じゃがいも 20グラム

かぼちゃ 20グラム

油 少々

塩 少々

ごま 少々

 

1 じゃがいもとかぼちゃを厚さ5ミリの薄切りにする。

2 ボウルに切ったじゃがいもとかぼちゃと油を入れ、よく混ぜる。

3 天板にうつし、オーブンで200度、10〜15分焼く。

4 塩、ごまをふって完成。

わかめ・冬瓜・まいたけのいりこだし白みそ汁

材料(1人分)と作り方

わかめ 0.3グラム

冬瓜 10グラム

まいたけ 10グラム

いりこだし 80グラム(いりこ5尾)

みそ・白みそ 合わせて小さじ1/2

 

1 頭とはらわたを取ったいりこを、フードプロセッサーで粉末にする。

2 鍋に水80グラムと粉末にしたいりこを入れる。

3 わかめを水に浸して戻す。戻したら1.5センチ角に切る。

4 冬瓜、まいたけを一口大に切り、いりこだしで煮る。

5 火が通ったら、みそ、白みそを入れ、ひと煮立ちさせる。

 

この日のみそ汁のだしは粉末にしたいりこ。粉末をそのまま使うので、みそが少なめでも味がしっかり、満足感が得られます。ぜひお試しください♪

 

 

 

 

 

身体をつくる「バランス」子ども食

心も体も、子どもは日々成長しています。その成長を支えているのが毎日の食事。成長期だからこそ、心がけたいことはきっとたくさんあるはずです。そこで今回は、幼児期の食を提供している保育園の給食を通して、あらためて「子ども食」について考えてまいりましょう。

 

 

調布市内に5つの認可保育園を持つパイオニアキッズの給食には、さまざまなこだわりがあります。それはいずれも子どもの成長を支えるため。まずは取材当日の献立を見てみましょう。

 

サンマの塩焼き

鶏肉と大豆の切り干し大根煮

じゃがいもとかぼちゃのグリル

わかめ・冬瓜・舞茸の白味噌汁

おにぎり

フルーツ(すいか・ぶどう)

 

 

パイオニアキッズでは、食物アレルギーの子どももできるだけ同じように食事ができるようにという配慮もあり、卵・乳製品・小麦は使いません。またどちらかというと家庭では食べる機会が少ない魚料理を中心に和食の献立を提供しています。

 

 

「今日はかまどごはんの日なんです。園庭にかまどを作って火を起こして、今日はそこで子どもたちと一緒にサンマを焼きます!園庭で食べますので、ごはんもおにぎりなんですよ」(管理栄養士・めぐみさん)

 

あえてみんなで火を起こして、焼くという経験もセットでいただく食事とは、楽しそう!

 

 

「ま・ご・わ・や・さ・し・い」

 

ところでこのフレーズ、聞いたことがありますか? これは日本で伝統的に食べられてきた「和食」に使われる食材の頭文字をとって、覚えやすくしたというものです。

 

ま…豆類や豆腐、味噌など加工品など。良質なたんぱく質。

ご…ごまやナッツ類。ミネラルがたっぷり。

わ…わかめなどの海藻類。カルシウムなどのミネラルが豊富。

や…野菜全般。ビタミン、ミネラルが豊富。

さ…魚類。たんぱく質の栄養価が高くDHAやEPAなども含む。

し…しいたけなどきのこ類全般。食物繊維やビタミンDなど。

い…いも類全般。炭水化物、糖質、ビタミンC、食物繊維など。

 

 

パイオニアキッズの給食では、この「ま・ご・わ・や・さ・し・い」を常に意識して献立を作っているとのこと。

 

「子どもの身体を作る栄養素として欠かせないのはたんぱく質ですが、やはりいちばん大事にしているのはバランスです。何か1つだけ食べればよいというものではありません。いろいろな栄養素をバランスよく摂取するよう献立づくりをしています」(めぐみさん)

たとえばカレーライスの日はスープに魚を入れるなど工夫しているのだそう。家庭で日々「ま・ご・わ・や・さ・し・い」をパーフェクトに摂取するのは難しいことですが、ゆるやかにでも意識することで、自然と日々の献立のバランスが取れてくるかもしれません。たとえばきのこや海藻、野菜はお味噌汁に入れて具だくさんにするなど、工夫すれば意外にできそうな気がしてきませんか?

 

 

火を起こしてサンマを焼く

 

さあいよいよ火起こしが始まります。子どもたちが慣れた手付きで、かまど用のブロックを運びはじめました。ブロックで囲いを作り、中心に木っ端や炭、火付け剤にジュースの紙パックなどを重ね、その上に大きな金網を乗せました。

 

のりこ先生は火起こしの名人!重ね方にもコツがあるという木っ端類を手際よく重ね、火をつけます。そこからはひたすら団扇であおぎます。子どもたちもみんな全力で!

炎が安定してきたところで、めぐみさんがサンマを持ってきてくれました。一人半身ずつ。小さい子たちはしっかり骨を抜いた切り身ですが、年中、年長ぐらいになると骨付きでいただきます。

焼けています!美味しそうです!アルミホイルに包まれているのは、かぼちゃとじゃがいもです。

サンマは直火でガンガン焼いているので、丸焦げになってしまうのではないかと、見ている取材チームはハラハラしてしまいましたが、いらぬ心配だったよう。しっかりほどよく焼けました。

アルミに包んでグリルした野菜はどうなったでしょう。「そろそろいいかな?」とアルミホイルを開いてみると…湯気が立ち上りふわ〜っ!

「わ〜いいにおい!」

「じゃがいもだ!おいしそう!」

「ぼく、においでじゃがいもってわかる!」

「ふわ〜〜〜(うっとり)」

「ほかほかだ!」

一人ずつ鼻を近づけて匂いを嗅いで大喜び。楽しい体験と美味しそうな香り。子どもたちにはこんな経験こそさせてあげたいものです。決して難しく考えず、たとえば家庭でもパンをトーストする香り、炊きたての御飯の香り…香りだけでも一緒に楽しむと、親子で幸せな気持ちになれそうです。

 

「子どもにとって、食べることはお腹を満たすだけでなく、心の成長のためにも大切なことだと考えています。お友だちと一緒に、共感しながら食べる楽しさが大事だと思います」(めぐみさん)

 

 

食べてみたら「なーんだ食べられた」

 

魚、海藻、きのこ類…。パイオニアキッズでは毎日しっかり献立に入っている食材ですが、子どもたちに人気の食材とは言えないような…?

「全員がはじめから順調に食べてくれるわけではありません。本当に苦手な食材もあるでしょう。けれど、保育園で子どもたちと接していて感じるのは、『食べたことが無いから、食べたくない』という、いわゆる『食べず嫌い』が案外多いということです」(のりこ先生)

 

 

給食時、幼児さんたちは自分で食べたい量を自分で盛り付けます。だから当然のことながら、苦手なものには手を出そうとしません。そんなときはごく小さいかけら程度でも1つ、必ず盛り付けるよう促しているのだそう。そして、そのひとかけらが食べられたら全力でほめてあげます。

いったん食べることができると「なんだ、食べられるじゃん」という体験になり、すぐさまおかわりする子もいるのだとか。見た目が嫌で「減らしてください」と言ってきた子も、食べてみたらおかわりすることも。

 

「食べたことがない食材は、一口目を口に入れるまでが大変です。その日の気分や体調にもよります。だから保育園では『食べてみようかな』という気分にもっていけるムード作りを大切にしています」(のりこ先生)

どうしても苦手なものは、無理に食べさせないことも大事だといいます。どうしても匂いが嫌だったり、食べようとしてもオエッとなってしまうこともあります。

 

「じっくり時間をかけてゆっくり少しずつ食べられるようにしていくことを目指しています。だから今日食べられなくてもいいじゃない、また次の機会に食べてみようか、と。何よりも重要なことは、食事が楽しいこと、だと考えています」(のりこ先生)

 

 

食べる量と栄養バランス、咀嚼の関係

 

一人ひとりが食べる量は個人差があります。食べる量が少なめでも、身長と体重がバランスよく増えていれば気にしなくてもよいのだそう。

 

「数カ月間ずっと体重が増えない場合は食事を見直したほうがいい場合があります。たとえばお菓子をたくさん食べている子は日々お腹は満たされているものの、成長に必要な栄養素が足りていない可能性があると考えられます」(のりこ先生)

 

また、家庭ではたくさん食べているという子どもたちの中には、実はあまり噛まずにそのまま飲み込んでいる場合もあるのだそう。よく噛んで食べると味わうことはもちろん、満足感にもつながります。

「食べる量は多いけれど、実は咀嚼が十分ではないこともあります。噛まないとどうしても食べすぎてしまうので、やはり噛むことは大事。咀嚼は滑舌とも関係があり、よく噛んでいると滑舌もよくなると言われています」(めぐみさん)

 

身体にも滑舌にも大切な咀嚼を促すため、保育園では噛むことを促す献立を提供する「かみかみ月間」なども設けているそう。

 

「噛みごたえのあるメニューを、と思いたたきゴボウを出したことがあるのですが、人気がなくて(笑)。いろいろ工夫して甘味噌味のたたきゴボウにしたら、喜んで食べてくれるようになりました。玄米も週に2回ほど提供しています」(めぐみさん)

▲ワンプレートに盛り付けました。 写真のサンマは調理室のグリルで焼いたもの。 味噌汁もつきます。

 

今日はお外で「いただきます」

 

さて、子どもたちの食事が始まりました。かまどで焼いたサンマをみんな器用に食べています。

▲こちらはかまどで焼いたサンマ。焼き色がワイルド!

 

かまど調理の日は、外でテントを張ったり、どろんこ遊びをしたり…朝から夕方まで屋外で過ごすことが多いそう。

「栄養バランスよく、量もしっかり食べるだけでなく、身体づくりに大切なことは外の光を浴びて遊ぶことだと考えています。それが子どもの体力を育み、ますます元気に成長していく土台となるからです」(のりこ先生)

子どもの身体作りに欠かせない「食」。ただお腹を満たしていればいいというものではありません。とはいえ、毎日の食事作りは大変なこと。保育園の給食を参考に、みなさんのご家庭でもできそうなところから、子どもの身体づくりのために始めてみませんか。

「4歳&2歳息子とイタリアンでランチ」をレポート!

調布駅から品川通りを左に折れ、少し歩くと…それは素敵なイタリアンレストラン「TRATTORIA TIMO」があります。天井が高く、明るく広々。本格イタリアンをカジュアルに楽しめるお店です。

 

子ども用のランチも本格的ということで、編集部スタッフがやんちゃ盛りの息子2人を連れてランチへ行ってきました。子どもたちも美味しくて気分がよくて、すっかりご機嫌…な様子をぜひレポート記事でお読みください!

産前産後のマイナートラブルケア&お悩み相談も

産前産後の体や心は不安定。産前にはつわりや腰痛、産後には乳腺炎や腱鞘炎など日常生活に支障が出てしまうこともあります。また、日常生活に影響が出るほどではないけれど、なんとなく体が重い、疲れやすい、気持ちが落ち込みやすいなど、いろいろなお悩みを抱えがち。そんな時には、助産師の力を借りてみてはいかがでしょう。

調布市入間町にある「産前産後助産院moegi」では、助産師の森崎真澄さんがひとりひとりに寄り添い、母乳ケアや授乳相談、育児相談やマイナートラブルケア、デイケアなどを行っています。オンライン相談にも対応しているので、外出ができない場合でも利用OK。妊娠前の相談にも乗ってくれますよ。

 

また、さまざまなワークショップも随時開催しています。たとえば小豆袋のアイマスクを作ったり、悩みや不安を抱える人が多い帝王切開について語り合ったり、薬膳の講座や映画の上映会なども。

もちろん乳幼児連れでの参加もOK。周りを気にすることなく、ワークショップを楽しむこともできます。

     ▲ワークショップは心づくしのお茶とお菓子も。

 

妊娠前から産後にかけてのちょっとした困りごとから気になるマイナートラブルまで、産前産後助産院moegiに相談してみてはいかがでしょう。

「おいしい!」離乳食

離乳食って難しい…?せっかく作っても食べてくれなかったり、食べ物で遊んで終わってしまったり。思うように進まずイライラすることもありますね。

 

保育園では、乳児期から子どもを預かっているので、給食の時間にはそれぞれの発達段階に合った離乳食を提供しています。そこにはさまざまな知恵と経験の蓄積が!本コラムでは、調布市の認可保育園「パイオニアキッズつつじケ丘園」で提供されている離乳食をご紹介します。

 

パイオニアキッズの給食は「和食」です。幼児食は一汁三菜。魚をメインに季節の野菜を取り入れたメニューが提供されています。調理室では栄養士さんを始めとするスタッフのみなさんが調理の真っ最中でした。

 

この日の幼児食メニューは次のとおり。

  • カレイの昆布蒸し
  • 切り干し大根と豚肉の炒め煮
  • ピーマンとじゃがいもの炒めもの
  • ナス、舞茸、油揚げの合わせ味噌汁
  • フルーツ

 

かれいの昆布蒸しは昆布の旨味がたっぷり染み込んだ味わい深い一品。魚が中心ですが、副菜には肉もしっかり入っています。野菜もたっぷりで色どりもバランスにも配慮した献立です。蒸しに使った昆布は、おやつのおにぎりの具になるとのこと。フードロスに配慮してのことですが、実はこの「昆布おにぎり」が子どもたちには大人気!魚の旨味がうつった昆布のおにぎりは絶品…に違いありません。

 

 

食材の「つぶし方」が大事

 

「離乳食は幼児食で使う食材から取り分けて調理、提供しています。大きく分けると生後5〜6カ月ごろからの初期、7〜8カ月ごろの中期、9〜11カ月ごろの後期、そして12〜18カ月ごろの完了期の4段階で、調理法は違います」(管理栄養士・めぐみさん)

 

離乳食は口当たりが悪いと、赤ちゃんが食べてくれないことが多いのだそう。ご家庭でもお口にいれたら「べーっ」と出したりすることがありますね。「美味しくないのかな?」と悲しくなった人も多いのでは?でも、実はそういうことでもなさそうです。

 

「口に入れて『噛めないな』、『飲み込めないな』と子ども自身が判断すると、ベーっと出します。美味しくないというサインではないと思いますよ。この子には少し硬かいのかもしれない…と感じたら、もう少しつぶしてあげてみてください。保育園では、その子にとって食べやすい硬さ、口当たりだと、すんなり食べてくれることが多いです」(めぐみさん)

 

つまり、食べてくれるかどうかは「つぶし方」にもよるということですね!

 

調理の目安

 

具体的にはどの時期にどのようなつぶし方がよいのでしょう。調理の目安を教えていただきました。

 

【初期】 うらごしをして、繊維を取る。(ごはんは10倍がゆ)この日のレシピはこちら(別ページが開きます)。

 

【中期】 うらごしはしないが、しっかりつぶす。(ごはんは7倍がゆ) この日のレシピはこちら(別ページが開きます)

 

【後期】 野菜などは1センチ角程度に切って柔らかく煮る。(ごはんは5倍がゆ)この日のレシピはこちら(別ページが開きます)

 

【完了期】 幼児食に近いが、きのこやこんにゃくなど消化しづらいものは使わない。ごぼうなどは幼児食よりも柔らかく煮る。(ごはんは軟飯) この日のレシピはこちら(別ページが開きます)

 

あくまでも目安です。たとえば初期から中期にかけては、初期の離乳食に少し粒状の状態を残したものにすると移行がスムーズなのだそう。急に段階を上げるのではなく、「流れるように」が大事だと教えていただきました。

 

手づかみが育てる「食べたい気持ち」

 

さあ、いよいよ食事の時間です。パイオニアキッズの給食は、すべての園児さんが食堂に集い、楽しくいただきます。離乳食チームも手をしっかり洗って食卓につきました。

身体に合った椅子に座ると足がしっかり床につくので、背筋が自然にピンと伸びます。そして…先生がすぐ隣に座ってお世話をしているのですが、子どもたちは手づかみでどんどん食べ始めます!おかゆ、汁物…手触りを感じて、指先でつまんだり握ったり…そして口へ。その表情は真剣そのもの。

 

「手づかみ食べが大事」らしいと聞いてはいるものの、家庭だと「汚れるから…」と、つい親がスプーンで食べさせがち。しかし、離乳食中期ごろからは「手づかみ」食べをするメリットがたくさんあるといいます。

 

「(保育園では、保育士が)スプーンで食べさせるのは初期までで、中期ごろからは『自分でやりたい』気持ちを尊重しています。手づかみ食べは、食べ物を目で確かめ、手でつかんで口まで運び、口に入れるという目と口と手の協調運動です。手でつかみ、口に入れる動作は手首を手前にクルッと回す運動なのです。これができるようになると、スプーンやフォーク、お箸も上手に使えるようになっていきます」(のりこ先生)

 

食べ物をじーっと見て手を伸ばし、何か確かめるような動作があって、それからおもむろに口へと運び、口を動かす…。子どもたちはそれぞれのペースがありますから、口に入れるまでには時間がかかることもあります。大人の感覚だと「遊んでいるだけ」にも見えてしまうかもしれません。

 

 

この日も、うまく口に運べないとそのままぐちゃぐちゃするだけという場面もありました。すべては体験。トライ&エラーを繰り返しながらも自分の力で食べることで、美味しいと感じ、食べる楽しみを感じていくのかもしれません。

 

美味しく、楽しく食べる食卓

 

パイオニアキッズの食堂はいろいろな年齢の子どもたちが一緒に丸いテーブルを囲みます。お兄さん、お姉さんたちが食べている様子を見るのもまた、離乳食期の子どもたちには刺激的。

 

離乳食を楽しく食べるコツって何でしょう。

「大切にしているのは会話…かしら。『今日は人参だね〜』とか『嫌いだったかな〜、じゃあこっちにしようか』とか。もちろん一方的な声がけにはなりがちですが、とにかく顔を見て話しかけ、口の動きを見ています。あまり食べてくれないときも、無理矢理口に入れるということはしません。案外、間をおくと食べたりするんですよね(笑)」(のりこ先生)

 

 

「小松菜だよ」

「もぐもぐね」

「これはどうかな?」

 

楽しい雰囲気の中で食べるから美味しいし、「やりたい」気持ちが大切にされているから楽しいのです。

 

舌が敏感だから、薄味でも「美味しい」

 

パイオニアキッズの離乳食では、後期食に入ってから調味料を使い始めます。使うのは「味噌」と「醤油」のみ(いずれも小麦不使用)で、いずれも微量です。子どもは薄味がいいとは知っていても、果たして本当に美味しいのか、気になります。

 

「乳幼児期の子どもの舌は敏感です。パイオニアキッズでは味覚を育てるという意味でも薄味を徹底しています。舌が一番敏感な乳幼児期に、いろいろな食材や味を経験することで、味覚が育っていくと考えているからです」(めぐみさん)

 

味覚が敏感な時期にいろいろな味を体験することで、微妙な味わいや美味しさもわかるようになっていくのかもしれません。

 

「保育園の日々の中で、離乳食でいろいろな食材をしっかり食べていると、幼児期になってから、好き嫌いが少ない傾向があるように感じています」(めぐみさん)

 

 

保育園と同じようにとはいかないかもしれませんが、ぜひパイオニアキッズの離乳食レシピ(初期・中期 後期・完了期)も参考に、ご家庭で作ってみてくださいね。

 

 

パイオニアキッズでは、地域交流事業の一環で離乳食講座を実施しています。詳しくは調布市報をご確認ください。参加すると栄養士さんたちが作った、手作り冊子がもらえます!

保育園の給食は、家庭での献立作りの参考にもなりますね。次回は季節や行事なども意識した、食文化を感じられる保育園の献立や工夫についてご紹介します。こちらもどうぞお楽しみに。