市内各児童館で実施されている「子育てひろば」。情報交換の場として多くのママたちが利用しています。そして今年度からは、毎月1回の身長体重計測日に助産師が加わり、より専門的な相談もできるようになりました。
そこで早速、京王多摩川駅そばにある多摩川児童館で取材しました。
プレイマットを敷き、たくさんのおもちゃが並べられた会場には、生後2カ月から1歳ごろまでの赤ちゃんとママが集います。毎週月曜日と木曜日に行われている「赤ちゃんひろば」。子育て相談員の小林紀子さんが、ママと赤ちゃんそれぞれに優しく声をかけていました。
▲多摩川児童館の小林紀子さんのやさしい言葉に、ママたちもホッとした表情。
「汗をかくようになって、あせもが…」
「背中にガーゼのハンカチを入れておくといいわよ」
といった具合に、雑談を通してベテランの相談員ならではのアドバイスも。
そして担当の助産師さんがやってきました。調布市内の助産師さんたちが集う団体「ゲゲゲの町の助産師会」代表の田中佳子さんです。
「助産師というと、出産時だけの関わりしかないイメージかもしれません。でも私たちは授乳や離乳食、その他子育ての様々な相談に専門家としてお答えすることができます。こういう場で定期的に助産師が関わる機会はこれまでありませんでした。少しでも安心して子育てしていただけたら嬉しいです」(田中さん)
この日、ママたちからは、
「おっぱいばかりで離乳食をあまり食べない」
「体重の増え方が気になる」
といった相談が次々と寄せられ、田中さんはひとつひとつ丁寧に答えていました。
利用者のママたちからは、「どこかに相談に行くほどでは無いけれど、気になることはたくさんあります。助産師さんのアドバイスは、すごく具体的で信頼もできるので助かります」といった声が聞かれました。
この事業は、児童青少年課の児童館担当が今年度から試験的に始めた試み。児童館の子育てひろばに、より専門性の高い助産師が入ること自体、画期的な事業として注目されています。
どのような意図でこのような事業が始まったのでしょう。児童青少年課の栗原尚恒さんにもお話をうかがいました。
「子育てに対する不安が高まる中、行政としても妊娠期からのサポートの重要性を感じてきました。産前から産後までの切れ目ない支援とは何かを考えたときに、専門家である助産師が関わることこそ有効だと判断し、本事業の実施にこぎつけました」
調布市では、地域に点在する児童館の今後の役割についても、前向きに検討しています。
「全国にある児童館の多くは老朽化を機に、統合など縮小傾向にあります。しかし調布市では、妊娠期から思春期まで継続的に子どもの成長を見守ることのできる重要な子育て支援拠点の一つとして地域の児童館のあり方を再検討しているところです。その手始めとして、妊娠中から専門的なアドバイスができる助産師さんに関わっていただいたというわけです」
遠出が難しい赤ちゃん家庭にとって、生活圏内にある「児童館」で専門家のアドバイスを受けることができるのは、本当にありがたいこと。そして「赤ちゃんひろば」は妊娠中からの相談もできますので、ぜひご参加ください。
各児童館の子育てひろばについて、実施日などは調布市HP「子育てひろばのおたより」内にある各児童館だより(外部リンク)からご確認ください。