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いっしょに育て隊

第36回
ハローワーク府中・調布国領しごと情報広場 中野匡貢さん・五十嵐遵子さん
ママの「働きたい」を応援します(後編)

2016年11月18日 公開

「子どもの手が離れたら」「教育費のために」「もう一度頑張ってみたい」など、女性があらためて働き出すきっかけは様々です。ハローワーク府中「調布国領しごと情報広場」にある「マザーズコーナー」は、そんなママたちに寄り添い、細やかなサポートをしています。実際どんなママたちが利用しているのでしょう。

 

「働きたい」理由はいろいろ

 

コサイト 女性が働き始めるときの「きっかけ」はいろいろですか。

 

五十嵐 そうですね。たとえば、シングルマザーでとにかく働かなければという方もいらっしゃいますし、いっぽうで子どもが高校に入って手が離れたので、もうひと花咲かせたいという方もいらっしゃいます。新たに資格を取りたいという方も…。

 

コサイト 資格取得もサポートしているのですか?

 

五十嵐 就職に向けてスキルを身に着けたいという方のために実施している「職業訓練」をご案内することもあります。

 

コサイト それから…子育て中の方の中には、日々の子育てがしんどくて、仕事を始めるというケースもあると思うのですけれど。

 

五十嵐 仕事をすることで子どもとちょっと離れて、それでママがリフレッシュするということはよくありますからね。悶々としていたけれど、仕事に行ったら気分が変わり、明るい気持ちで子どもを迎えに行ける。そういうニーズはとても多くなってきていると感じます。

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一人一人に合わせたサポート

 

コサイト マザーズコーナーを利用する場合、1人あたりの相談回数など利用のルールはありますか?

 

五十嵐 スタッフは専任制でその方にずっと寄り添います。1回の相談は45分と決まっていますが、回数に限度はありません。週に2回、3回と利用する方もいれば、月1回ぐらいの方もいらっしゃいます。プログラムを作って、いつまでに何をやると目途を決めて進める場合もありますし、来られるときに来る方も。

 

コサイト 自分の都合で決めていいのですね〜

 

五十嵐 もちろんです!

 

コサイト なんとなくイメージしていたのですけれど、マザーズコーナーで相談するということは、具体的な仕事探しをして、一定期間内に働き始めないとダメなのかな、なんて思っていました。

 

五十嵐 いえいえ、本当にいろいろです。いつから働き始めるか、ということだけでも来春からなのか、お子様の幼稚園入園に合わせて3年先なのか…それによってサポートのしかたも変わってきますしね。

 

コサイト 今からすでに来春のことを考えて!?

 

五十嵐 案外のんびりとはいかないのですよ。たとえば書類の書き方からサポートが必要なケースもあります。今はパートタイムでのお仕事でも、「履歴書」「職務経歴書」のほかに「カバーレター」も必須なのです。その書類作成や添削などだけで、3カ月ぐらいかかる場合もあるのです。

 

コサイト そんなに時間がかかるものなのですか?

 

五十嵐 子育て中は、子どもの体調不良などでお世話しなくてはならなかったりして都合がつかず、時間がかかりがちなのです。ですから、ある程度の期間を想定して計画的に進めるようにしています。「仕事をしたい」というモチベーションが下がってしまいうことだけは避けたいと思っています。

 

「モチベーションを下げない」ために

 

コサイト 計画的、継続的な支援をしていただければ「やれそうだ」という実感も持てそうですね。

 

五十嵐 自信がない方には、1日からでも働ける職場もあります。週1回でも「働きたい」と思ったら、その気持ちを持ち続けていただきたいです!

 

中野 子育て中の方が仕事をさがすのは、とてもエネルギーのいることだと思います。しかし、これからの社会は、女性の活躍なしには考えらない状況だとも思います。

 

コサイト 自信を持っていいんですね。

 

中野 はい。それに子育ての経験を強みにして、仕事を探していただくこともできると思います。

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五十嵐 マザーズコーナーにはいろいろな求人が集まっていますから「これなら自分にもできそう」と思える仕事はきっとあります。それに、仕事を探し始めると意識も変わってきて当初よりもっと働きたい、こんな仕事もしてみたいと考えるようになったりもします。

 

コサイト ここを利用している間に、気持ちがどんどん前向きに変化していくんですね!むしろモチベーションが上がっていくこともあるのですね。

 

子どもを預ける

 

コサイト ママが働くということは、子どもの預け先を確保する必要があります。でも「認可保育園」にはなかなか入れないのが実情です。

 

五十嵐 たとえば週に2〜3日、1日4時間ぐらいといった感じなら、一時預かりを上手に利用することで解決できます。事業所内に託児所がある企業もありますし。

 

コサイト 何かしら手段はあるのですね! 

 

五十嵐 はい。ですから少しでも「働きたい」と思ったらマザーズにいらしてください!とくにビジョンを持っていなくてもいいのです。書類書きのお手伝い、面接に着ていくスーツの無料貸し出しなどもしています。何か手に職をという方には訓練校、PCの講習会は年に4回ありますし。私たちはあらゆるメニューを用意して、みなさんがいらっしゃるのをお待ちしています。

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コサイト わあ、心強い。その人に合ったサポートをしてくださるなんて。

 

五十嵐 そろそろお仕事を始めたいと思ったら、ぜひマザーズコーナーにいらしてお話を聞かせていただきたいのです。ママたちはいろいろなものを抱えていらっしゃることも多いですよね。ここへ来て、まずは吐き出していただけたらと思います。

 

コサイト 吐き出しちゃっていいんですか。

 

五十嵐 もちろんです。初回のご相談ではまずしっかりその方のお話を伺っています。言いたいこと、抱えているものをここで一旦おろしていただくと、気持ちがラクになる方が多いようです。はじめは誰もが緊張していますが、お話をしているうちにリラックスしてきます。カチコチになっている心がほぐれることで、その方に合ったお仕事探しにもつながっていくのではないかと思っています。

 

コサイト マザーズコーナーは、ただ仕事を探すだけの場ではないのですね…!

 

五十嵐 お話を伺うことは、実は一番大切にしているところなんです。

 

中野 ですから、とにかくいらしてください、という思いなのです。想像しているよりずっとやわらかな雰囲気ですから、安心していらしてください。

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まさかここまでサポートしてくれるとは…驚きました。単なる就労支援ではなく、一人一人の状況や考え方などにしっかりと寄り添い、その人にとって最もいい形での就労を提案、支援していくマザーズコーナーのみなさん。利用している皆さんにとってさぞ心強いことでしょう。一度仕事が決まって働き始めても、また辞めてしまうこともありますね。そんなときには「また相談にいらしてほしいし、実際に来てくださる方もいらっしゃいます」と五十嵐さん。ここは、何度目の利用でも変わらず、優しく迎えてくれる場所なのです。(撮影・楠聖子 取材・竹中裕子)

執筆者

東京労働局ハローワーク府中「調布国領しごと情報広場」マネージャーの中野匡貢(なかの・まさつぐ)さん(写真左)と、就職支援ナビゲーターの五十嵐遵子(いがらし・じゅんこ)さん(写真右)。

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