高校受験も本番目前となりました。さすがに親の私もドキドキして、子どもにどう声をかけていいのかわからず困っています。この時期、親はどうしたらよいのでしょう?(中3男子の母)
回答:西牧たかねさん
(元調布市立中学校教諭・ 調布市子ども・若者総合支援事業学習コーディネーター)
追い打ちをかけるような言葉は厳禁
わが子の高校受験、果たしてどうなることやらとハラハラしますよね。直前だというのにのんびりしているように見えたりもしますが、実はおとなが感じている以上に、本人はプレッシャーを感じているものです。
「落ちたらどうしよう」
「勉強しなくちゃ…」
と、不安にかられている真っ最中。下手に追い打ちをかけるような言葉をかけてしまうと、さらにイライラ、情緒不安定になってしまいますので要注意です。
もし「ダメかもしれない」「受かるわけないよ」などと言ってきたら、お母さんはどんと構えて、一緒に気持ちの整理をしてあげるといいでしょう。たとえばこんな感じです。
「結果については、終わってから考えればいいよ。もし、ダメだったとしても、そうなった時、一緒に考えてあげるから大丈夫。とにかく今はベストを尽くせばそれでいいんだよ」
まずは親自身が「落ちたらどうしよう」なんて考えないことです。そしてもし合格できなかったとしても、必ず「次の手段」がありますから、あわてずに。すぐに学校に相談してくださいね。
朝型生活に切り替える
生活リズムは朝型に切り替えましょう。それは「朝早く起こす」ことから。その日は一日寝不足で辛いかもしれませんが、あえて昼寝はガマンして夜早く寝るようにします。理想は午後10時就寝!受験本番の朝は早いのです。遅くとも11時には寝るようにしたいものです。
忘れ物に気付いても取りに帰らない
さあいよいよ明日が本番。この日だけは試験に必要な持ち物のチェック、忘れ物がないよう、親も一緒に確認してあげましょう。中学生だから自分で…という人もいますが、忘れ物のせいで焦って試験に失敗しては残念過ぎますね。
それでも忘れ物をしてしてしまったら…。かつて試験会場へ向かう途中で忘れ物に気づき、家に取りに帰ったため、試験開始時刻に間に合わなかった例がありました。受験する学校の担当者に忘れ物をしたことを伝えれば、配慮してくれる場合が多いので、忘れ物に気付いても、とにかく会場へ向かうことを優先させてください。
こんなことも、知っておくと役立つかも?
会場で困ったことがあったら、遠慮なく相談する
試験中気分が悪くなったり、暖房器具のそばの席で温風があたってつらい…など、なんでも遠慮なく試験監督の先生に相談しましょう。体調によっては、別室受験などの対応もしてもらえます。
天気の悪い日には
雨や雪など天気の悪い日に当たったら、替えの靴下を持たせてあげましょう。ハンドタオルなどもあるときっと役に立ちますよ。
試験中の答え合わせはしない
休み時間などに、友だちと答え合わせをするのはおすすめしません。友だちと答えが違うだけで落ち込み、次の教科に影響するからです。
参考書は少なめに持参しよう
試験前や休み時間も惜しんで参考書を見たい気持ちはわかりますが、持参するのは日頃使ってきたものを見直す程度、最低限にしたほうがいいでしょう。参考書の中に、自分が覚えていないところを見つけるとかえって不安になるので、少なくとも「未着手」の参考書などは持って行かないに限ります。
「実力発揮のお守り」を渡す
これは私自身の経験談です。とても不安がっている教え子がいました。そこで私は自分が使っている、少し古びた消しゴムを「緊張しやすい教え子に、入試の時、特別に貸してあげている『必ず実力発揮できる』お守りだよ。終わったら返してね」と渡してあげました。その子は試験中にドキドキするたびに消しゴムを握りしめ、乗り切ったそうです。お守りでもいいですね。