コサイトの住人、サイのコサイトウです。
今回は調布市緑ケ丘にお住まいの林崎実代さんのお宅にお邪魔しました。
1歳9カ月の女の子とご主人との3人暮らし。子どもが産まれる前までは、デザイナーとしてカタログなどのデザインやイラストを描くお仕事をしていたそう。
ご自宅にお邪魔してまず驚いたのは、おしゃれなインテリア。この棚もご自分でDIYして作ったものなんですって。
▲壁面には手作りの飾り棚!キッチンとリビングの間にもお洒落な柵もあるし…全部手作りなんてすご~い!
「いえいえそれほどでもなく(笑)。たとえば木の板は色も塗ってカットもしてもらえる店で買っているんですよ~」
そう笑顔いっぱいでお話ししてくださる林崎さん。でも実は、つい最近までひどく落ち込んでいたのですって。その理由は…保活!?
就活が先か、保活が先か
出産前は、終電で帰ってくるような激務が続くデザイン事務所で働いていた林崎さん。さすがに子育てをしながら働き続けることはできないと、妊娠中に退職しました。
「後から『あー、なんで辞めちゃったんだろう』って思いましたね。保活という面ではものすごく不利だということに気づいたから」
実は、会社は辞めたものの、すぐにフリーランスのデザイナーとしての仕事の依頼を受けていました。
「次々と仕事が入り妊娠中も忙しくしていたので、産んだ後の準備があまりできていなくて…。保育園に入れないとか、待機児童が多いとか、世間ではいろいろ言われている『保活』ですが、頑張って仕事をしているのだから何とかなるだろうと思っていて…甘かったです!」
保育園に入れない子どもが溢れている「待機児童」の問題は、調布市も例外ではありません。平成29年度4月1日の時点で、調布市の認可保育園の待機児童は312人となっています。(参考資料:平成29年度第1回調布市子ども・子育て会議より)
娘さんが0歳のときは企業から「就職内定」を得て認可保育園の入園申し込みをしたものの、全滅。その上、認証保育園はどこも定員一杯で、園によっては待機100人以上という話まで聞こえてきて、絶望的な気持ちに。
「預けたいのにどこにも預けられない。仕事も始められない…もう、どうしていいか分からなくて、市役所とハローワークに相談しに行ったんです。でも、何も打開策は見つからず、すごく落ち込みました」
保活に限界を感じ初めていたとき、ある友人のひと言がその後の林崎さんの気持ちを大きく変えることになります。それがすぐお隣の家に住む男の子のママさんでした。
2人は保活についてもお互いに悩みを相談しあう仲。あるとき「そもそも妊婦さんだったとき、どんな母ちゃんになりたいと思ってたんだっけ」と言われ、林崎さんはあることを思い出します。
「私の両親は共働きだったので、友達のお母さんが家にいるのが羨ましかったんです。そして、そうだ!家で手作りお菓子を作って待っている母親に憧れていたんだった!と」
ついに林崎さんは「保活、やめよう!」と決めました。
「保活、やめよう!」と決めてから
保育園には入れず、自宅で仕事をしようと腹をくくった林崎さん。「デザイン」という技能を活かし「自分らしく楽しく働く」というワークスタイルを取り入れていこうと決めたことで、少しずつ将来を思い描けるようになりました。
ということで、早くも幼稚園のリサーチを始めています。
「積極的に情報を集めています。気になる幼稚園の制服を着ている親子がいたりすると思わず、声をかけたりもして」
うわ~、すごく前向き!切り替え早い!しかも積極的!
「でも…実は私、人見知りなんです」
と、また驚きのカミングアウト。とにかく子育ての情報が知りたいから、思い切って声をかけているのですって。
「児童館に通っているのも、先輩ママからの情報に助けられているからなんです」
実は、私コサイトウは悩みがあってもなかなか人に相談できないタイプ。林崎さんの話を聞いて気持ちが少し変わりました。思い切って、気になっているあのママに声をかけてみようかな。
子育て中も「誰かの役に立ちたい」を忘れない
▲あー!しーちゃん!そんなところに絵を描いてはいけませんよ…!
お母さんの影響なのか、絵を描くのが大好きという娘ちゃん。床に描かれてしまって、私は思わず「うわ~~~」となりましたが、も林崎さんは落ち着いて対応。何ておおらかなの!?
「もちろん。『きいーっ!』となる時もありますよ。でも、そんな瞬間のことも含めてイラスト育児日記にして、SNSに投稿しているんです」
▲自分の気持ちの記録にもなっているという、イラスト育児日記。
自分で投稿するだけでなく、SNSを通じて育児情報をも集めているのだそう。
「たとえば『イヤイヤ期』というハッシュタグで検索すると、同じ立場のママの色々な投稿が出てくる。自分がそういう情報に助けてもらった分、自分もママたちの役に立てたら嬉しいなと思って投稿しています」
子育てって自分自身が大変だから、自分が「誰かの役に立つ」って感覚を忘れがち。でも、その経験をSNSでシェアすることで誰かの役に立てるとしたら…。ママたちがSNSにはまる気持ち、わかる気がするなぁ。
逆境をパワーに変えて
ゆっくりとしたペースで、少しずつ働くと決めたものの、実はバリバリ働く夫がうらやましく感じる時もあるのですって。ご主人のお仕事は学校の先生。サッカー部の顧問もしていて、平日だけでなく土日も家にいないことが多いそう。
「まさに『部活未亡人』なんです」
み、未亡人って…そんな言葉があるんですね。うーん、ちょっとフクザツ…。
初めての子育てなのに夫は家にいないし、実家も遠方で助けてくれる親戚もいないという厳しい状況!
「正直なところ、不満がないと言えば嘘になります」
そんな中で児童館に通ったり、お隣の人とも仲良くなったり…。ワンオペ育児をしているからこそ、たくさんの出会いを求め、ときには助けを求めながら、逆境をパワーに変えていく。林崎さんの強い意志を感じ、私自身も励まされました。
取材を終えて
友人の「どんな母ちゃんになりたいって思ってたんだっけ?」という問いかけから気づけた、本当の気持ち。環境や状況で自分の未来は決まるんじゃない。自分の考え方ひとつで自分の気持ちも未来も変えられる。
つい、環境のせいにしてしまいがちだけれどそれを乗り越えた林崎さん。ああ、なんか本当にカッコいいママだわ。コサイトウも、とにかく頑張るわ。まずは気になるあのママに声をかけるところから。未来は自分で作るのである!
コサイトウ
コサイトの住人、サイのコサイトウです。 3歳の娘と夫の3人暮らし。自然が豊かで人があったかい調布が大好き!娘がもう少し大きくなったら、「自分時間」も大切にしたいなあ。