11月26日の午前中、調布市布田6丁目にある「下布田遺跡」で、自然観察会とクラフトづくりのイベントが開催されました。親子を含む10名ほどの参加者が、遺跡周辺にひろがる雑木林の自然を堪能し、クリスマスクラフトを楽しみました。

下布田遺跡は発掘調査により、土偶・土版・独鈷石・石剣・石刀・石冠などの呪術的遺物のほか、土製耳飾(国指定重要文化財)が出土した縄文時代晩期の遺跡として知られています。

 

この日は郷土博物館分館に集合すると、まずは遺跡発掘現場へ向かいました。学芸員である立川明子さんから、遺跡について解説。発掘調査中の現場を見ながら「あの掘り下げられ、ビニールシートがかけられている面が、縄文時代に人々が暮らしていた地面の高さなんです」など、発掘の状況とあわせて説明を受けました。当時の暮らしぶりが感じられ、気分はすっかり縄文時代です。

 

▲郷土博物館の学芸員・立川さん。

 

その後遺跡周辺に広がる雑木林を、市内在住の森林インストラクターである藤田富二さんの案内で散策します。

 

ごく身近にある木々にも名前があり、かわいい実がなったり、葉の形がユニークだったり。大きさも色も形も本当にさまざま。みなさん、足元に落ちている実や葉っぱ拾いに夢中です。

▲枝にくっついたままの、モミジバフウの実を発見！

それぞれの木々の特徴を、まるで楽しいエピソードのように語る藤田さん。雑木林のお散歩も、植物のことを知っているかどうかで楽しさ倍増です。

▲食べられるというエノキの実に、参加者もテンションアップ！

▲杉の葉を燻したあと、香りを嗅ぐと…あるものの香りが！

 

藤田さん手づくりの「落ち葉のステンドグラス」には参加者はみな感動。光に透かして見ると、葉脈がさらに美しい模様を見せてくれます。

1時間ほどの散策はあっという間。続いて博物館分館のお部屋で、藤田さんのご指導のもと可愛いツリー作り。あいまに「スタジイ」というどんぐりのお茶までご馳走になりました。香ばしくて本当に美味しい！

この1年、調布市郷土博物館では下布田遺跡周辺の自然を活かしたイベントを企画。草木染めのワークショップなどを行い、あらためて残された自然環境の素晴らしさを感じる機会を設けてきました。この取り組みは、これからも継続の予定です。ぜひ今後のイベント情報をお見逃しなく。