毎年この時期になると気になるのがインフルエンザの流行。毎年のことながら、インフルエンザワクチンは打った方がいいのか迷う方も多いのでは? またワクチンを打っているからインフルエンザにはかからないと思っている方もいるのではないでしょうか。
調布市医師会の貫井清孝先生(ぬきいこどもクリニック院長)は、インフルエンザワクチンの「効果」について、受ける人が求める「効果」と医療側の考えている「効果」には違いがあるようだと話します。
ワクチン接種による効果が明らかなのは、次の2点のみなのだそう。
①高齢者がインフルエンザに罹って亡くなる率が少なくなる。
②高齢者と小児について、インフルエンザにかかって重症化して入院しなければならなくなる頻度が少なくなる。
「最近は、インフルエンザシーズンに発熱で受診した小児(インフルエンザと他の風邪が混じっています)の中でワクチンを2回接種している人たちは接種していない人たちに比較して、インフルエンザウィルスが検出される率が約半分になると言われています(効果50%)。
一方、最近では小児の約半数の人がワクチン接種を受けていると言われています(接種率50%)。
この条件だと計算上、熱が出て医療機関を受診し、検査でインフルエンザ陽性だった人の3人に1人はワクチンを2回受けていることなります。『効果50%』と『検査でインフルエンザ陽性の人の3人に1人はワクチン接種を受けている』、というそれぞれの表現から受ける印象にはかなりの差を感じることでしょう。インフルエンザワクチン接種の効果は間違いなくあると思います。しかしそれは『かからないため』ではなく、『重症化予防』と考えるのが妥当だと思います」(貫井先生)
子どもを守るためにも、インフルエンザワクチンの効果を正しく理解することが大切です。また、手洗いやマスク着用など「うつさない」ためのエチケットを守って、できるかぎり流行を広めないよう心がけましょう。
※インフルエンザワクチンの在庫状況についてまずは各医療機関にお問い合わせください。