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インフルエンザにかかってしまったら!?

2019年2月7日 公開

毎年、インフルエンザの流行時期になると、「うちもいつかかってしまうのだろうか」と不安な気持ちで過ごす方も少なくないと思います。とはいえ、かからないための万全な予防策はなく、インフルエンザの予防接種はあくまでも「重症化予防」と考えるのがふさわしいとこれまでの記事でご紹介してきました。

知っておきたい!インフルエンザワクチンの効果とは?

 

それでは「インフルエンザにかかったかも?」と思った時、実際にかかった後にはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。調布市医師会の貫井清孝先生(ぬきいこどもクリニック院長)にお聞きしました。

 

 

Q1:インフルエンザにかかったかも?と思ったら病院にはどのようにかかればいいのでしょうか。

統計学的にみて1人のインフルエンザ患者からは2-3人へウイルスが伝染しています。流行を阻止するためには、患者に接触する人の数を制限する必要があります。

 

インフルエンザは人から人に伝染する疾患です(鳥から人に感染する新型インフルエンザを除く)。「インフルエンザにかかったかも知れない」と思う前提に、インフルエンザにかかった人のそばにいたかどうか思い出してください。その上で「インフルエンザにかかったかもしれない」と思ったら、まずは家から出ないことが大切です。病院に行くために、体が辛いのを押して電車に乗るのは避けましょう。その後熱が上がり始めて6時間経ってから、できるかぎり周りの人に接触しないようにして医療機関を受診し、「インフルエンザにかかったかもしれない」と窓口の人にお伝えください。

 

インフルエンザのウイルスは発熱の1-2日前から感染者の体から、唾液や鼻水と共に空気中に排出されています。症状がない時から感染源になっているのです。

ウイルスをまき散らさないためにも正しい診断は必要です。ここでご理解頂きたいのは、私たちが普段使っているインフルエンザの診断キットは「絶対的なものではない」ということです。体の中である程度ウイルスが増殖してからでないと検査が陽性になりません。一般的には「発熱から6時間経たないとすべて陰性になってしまう」といわれています。もうひとつ重要なことはインフルエンザに感染していないこと証明する検査方法は「ない」ということです。

 

また、医療機関を受診せずに、自力で治そうとしている方が感染源となっている可能性があります。インフルエンザウイルスに感染して無治療の場合、発熱から7日経った後も6-7割の方からインフルエンザウイルスが排出されているという報告があります。治ったと思った人が感染源になっている可能性は否定できません。感染を拡大することにもなりますので、流行期には十分な注意と配慮が必要です。

 

Q2:子どもが高熱を出しているときはどうしたらいいのでしょうか?(インフルエンザに限らず)

熱は体の中で「感染、炎症」など何かが起こっている「結果」であって、「原因」ではないことを理解してください。解熱剤や解熱湿布で「熱を下げる」のは熱で苦しんでいる子どもを「楽にさせる」ことであって、原因となる病気を「治すことではない」のです。

加えて、発熱自体は多くの病原体の増殖を抑制し、体の免疫システムを活性化させます。逆に体を冷やすと免疫システムが働かなくなり病気が悪化します。風邪をひいて熱が高い時に、水風呂に入って体を冷やすと、その時には熱は下がるかもしれませんが、翌日には病気が重症化してしまいます。

 

熱が高い(病気にかかった)ときは、体温をコントロールするために「震え(体温を上げる)」たり「汗をかい(体温を下げる)」たりします。そのための原料が必要です。汗のための水分と電解質、体温を上げるための糖分が主体になります。

薬がなかなか手に入らなかった昔は、熱が出た時に「くず湯」を作って飲ませていました。糖分と水分の補給の面では理にかなった処置だったのです。

 

●熱が高い時には以下がおすすめです。

1. 熱が高かったらまず落ち着いて、安静にする。

2. イオン水やリンゴジュースなどを少しずつ飲ませて、30分くらい経ってもう一回熱を測る。

3. あまり熱に変化がない、または熱が下がってくれば、水分補給を続け、翌日に医療機関を受診する。

4. どんどん高くなってくるようなら、診察してくれる医療機関を受診する。

(インフルエンザを疑う場合は、熱が上がり始めて6時間経ってから受診してください)

 

Q3:家庭での看護のポイントは?

熱に対する対処法は上に書きました。インフルエンザ感染症は全身に症状が出ますので、吐き気や下痢が見られることもあります。その時には水分を少量(15ml)頻回(15分おきに)与えてください。半日くらい継続すれば改善してくるはずです。

 

「異常行動」のご心配については、「異常行動で家から飛び出す」ことがないようにして頂ければ、異常行動そのものが「脳炎・脳症」につながることではないと考えてください。「脳炎・脳症」の兆候として最も重要なものは「痙攣」です。

もちろん「脳炎・脳症」ではなく「熱性痙攣」の可能性が高いのですが、インフルエンザと診断されたあとに「痙攣」がおきたら、検査、入院施設のある大きな病院に救急搬送してもらうことをおすすめします。

 

Q4:家族への感染を予防するには?

看病する人に伝染するのはやむを得ません。看病する人は誰か1人に決めましょう。ウイルスは半径1mに飛びますが、患者がマスクをすることでこの飛び散りを防ぐことができます。ちなみに周りの人が普通のマスクをしても、患者がマスクをしていない場合にはウイルスはブロックできません。

 

マスクをはずして1m以内に近づくことが1日3回あります。食事です。食卓を囲むと感染する可能性が高くなるということも知っておきましょう。

治療を開始してから4.5日でウイルスの排泄は止まるという報告がありますので、診断をうけ、治療を開始してから5日間は別室で食事をとるのが望ましいでしょう。この予防策は子どもだけではなく大人も同じです。

 

 

・インフルエンザ感染症の合併症について

インフルエンザ感染症は咳などの呼吸器症状がほとんどですが、重症になる可能性がある病気です。発熱後、丸2日間はできるだけ一人にしないなど、突発的な症状の変化にもご注意ください。

予測される合併症は、脳炎、脳症、意識障害などの神経の病気や肺炎、気管支炎などの呼吸器の病気、他にも筋痛や心筋炎などの筋肉の病気です。特に熱がなかなか下がらない、咳が止まりにくいなどの症状が続く場合にはお約束の日にち前でも受診をお願いします。

 

・休日診療・休日夜間診療所を受診するときの注意

インフルエンザ流行の時期になりますと、休日診療・夜間急患診療所には100人以上の患者様が受診され、2-3時間お待たせすることも少なくありません。待合室や薬局で別の病気をもらって帰ってしまう危険性もあります。

もし熱があるだけで食欲もあり、全身の状態が良いようならば、翌日(平日)にかかりつけ医を受診することをおすすめします。

 

休日診療・休日夜間診療所は、緊急に受診が必要な患者様に対応するために開設しております。緊急受診以外の患者様のご希望(定時処方、登校・登園許可書等文書の発行)には添えない場合があります。ご了承ください。

 

 

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