調布子育て応援サイト コサイト

調布市の行政、民間の子育て情報が一つに。 子育て中の人とまちをつなぐポータルサイト

調布で半世紀、地域に愛されたスーパーマーケットの閉店

2016年4月6日 公開

つい先日、某子ども向けテレビ番組での歌のお姉さんの卒業に、娘以上に号泣してしまった編集部員ナベです。

 

多摩川や野川沿いを彩る桜を眺めながら、出会いと別れに思いを馳せるこの季節。この春、歌のお姉さんとのお別れよりも強く私の心に残ったお別れがありました。

コサイトナベブログ20160407

調布で生まれ育った私にとって、約半世紀、当たり前のように存在していたクイーンズ伊勢丹調布店が閉店するというお知らせ。

 

閉店が公表されてから、店内に、お客さんがお店へのメッセージを書けるコーナーが設置されました。この桜の花びらの形をした色紙、一枚一枚に、常連客のお客さんの思いが記されていました。

ナベブログ20160402

「この地に嫁いできて47年、毎日のように買い物に来てました」

「お惣菜を買うのはこの店!と決めて、ずっと買いに来ていました。今度からどこで買えばいいのでしょう」

「足腰が悪い私をいつも気遣ってくれた店員さんたち、今まで本当にありがとう」

 

閉店日の前日には、お店からお汁粉が振る舞われ、閉店日当日には、店員さんがお客さん全員に小さな花束を直接手渡し、「どうか、お元気で…」と一人一人に声をかけていました。

「あなたも達者でね…」と、涙ながらに店員さんに声をかけるお客さんの姿も。

ナベブログ20160404

閉店の時間には、100人を超える人がお店の前に集まっていました。閉店の時間を迎え、店内にいた最後のお客さんを見送った後、店長さんが店員さん全員を連れてお店の前に出てきて、涙ながらに感謝の言葉を述べました。

その様子をハンカチで目を押さえながら聞くご年配の女性がいたり、動画を撮る若い男性がいたり、「お店、いつもと違うよ~」と話す子どもがいたり。

 

 

私にもこんな思い出が…。

 

小さい頃、小銭を握りしめてドキドキしながらおつかいをしに、この店に向かったときのこと、

 

中学生のときは、店長さんのご厚意で、夏休みの自由研究としてこのお店の棚の研究をさせてくれたときのこと、

 

妊娠中は、こちらからお願いしなくとも、会計後には「商品、お持ちしますね」とカゴを袋詰め用のテーブルまで毎回、どのレジの店員さんも運んでくれたこと、

 

娘を抱っこ紐で抱っこしながら買い物をしたときは店員さんに「無事産まれたんですね、おめでとうございます」と声をかけてもらい、傍にいたお客さんにも祝福の言葉をかけてもらえたこと、

 

娘をカートに乗せながら買い物をしていたときに、「大きくなりましたね」と会計時にさりげなく娘のことを気にかけてくれたこと。

ナベブログ20160403

私にとって、このお店は、ただ食品を買いに行く場でなく、私や娘の成長を見守ってくれる場でもあり、特に初めての育児で外でほとんど大人と話す機会がなかった私にとって、貴重な「社交場」だった気がします。

 

 

店長さんも店員の皆さんも、どうかお元気で。

 

なくなるのは寂しくて仕方がないけれど、調布店の皆さんが異動されるそれぞれの店舗は、皆さんのお心遣いで地域に愛されるお店にきっとなると思います。

 

そして、このような心温かいお店が、また近くにできるといいな。

ナベブログ20160405

 

ページトップへ