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いっしょに育て隊

第14回
青少年ステーションCAPSのみなさん
ただいま進化中! 中高生の居場所「CAPS」(後編)

2015年10月9日 公開

「さりげなく大人が寄り添う」ことを大切にしているという、中高生のための居場所「青少年ステーションCAPS」。実際に、中高生はどんな様子で利用しているのでしょう。

 

 

思春期の子どもたちとの絶妙なスタンス

 

コサイト CAPSではイベントなどもやっていますよね。そういうときは利用者の子どもたちも参加して盛り上がるのでしょうね?

 

吉田 そうですね…いろいろなイベントを企画してはいますが、利用者に無理に参加してもらうようなことはしていないのです。だから参加者が少ないこともあります。

 

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▲CAPSが毎月作成しているポスター。市立中学校、都立高校に配布されているそう。

 

コサイト え、そうなんですか! 確かに、思春期の子どもたちに参加するよう「強制」しても嫌がられそうですね(笑)。

 

平澤 無理に誘うことはしていません。もちろん、イベントは利用者である子どもやスタッフが、より関わりあえる機会として位置づけています。ですから、たとえばもう少しコミュニケーションが広がったほうがいいなと思う子には「やってみない?」と、軽く参加を促すこともあります。さりげなく、でも何回も声をかけたりして(笑)。

 

コサイト その子の様子を見ながら…とか?

 

平澤 そうです。最初はやや仕方なくといった感じで参加するのですが、その後はスタッフや他の子たちと、よくしゃべるようになったりすることもあります。

 

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コサイト そういう機会が、実はすごく大事なんですね。学校に行きづらくなったような子が来ることはありますか。

 

吉田 ありますよ。学校に行きづらい子たちって家にいても居心地悪くて、行くところがない。そういう子たちにとって、ここは「来やすい場所」になっているのではないかと思いますね。

 

コサイト 何か声をかけるんですか?

 

吉田 いえ、ごく普通に接するだけで特に何も言いません。たまに「この子はちょっと声をかけたら何か変わるかも」と思える場合には「どうしたの」って聞くこともありますけれど、これはもうケースバイケースです。

 

コサイト 居心地よく、でもほったらかしすぎない…。

 

吉田 強制はしないけれど、話なら聞くよっていうスタンスです。

 

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進化するCAPS

 

コサイト 鵜生川さんはクラフトのご担当ですが、今後やりたいこと、目指していることなどありますか。

 

鵜生川 私はクラフトの担当と言いながら、まだまだクラフトについての専門知識が足りないと思っています。ですから、いろんなクラフトの情報を集めて、その子が「やりたい」と思えるもの作りのアイデアを提供できるようになりたいです。もの作りを通して子どもたちと関係が持てるようになり、やがてその子の持っている悩みなども受け取れるようになれたらいいなと。

 

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コサイト 手を動かしていると、話が弾んだりしますしね。

 

鵜生川 はい、何か作業しながらだと話しやすいんですよね。

 

吉田 互いを理解しあうためにも、クラフトはすごく有効な方法だと思っています。

 

コサイト 吉田さんは副館長として、CAPSがどんな施設になったらいいと?

 

吉田 自分の子どもが思春期になったときに、楽しく使えるような施設にしたいと思っています(笑)。実は私がここに入るきっかけは、子どもが生まれたことなんです。転職のタイミングでもあったのですが、子どもが成長して思春期になったら…このままでは絶対にうまくいかないぞと思いまして(笑)。かなり独善的な理由で、ここで働くことに決めたんです。

 

コサイト そ、そんな理由だったんですか!

 

吉田 やっぱり子どもはひとりひとり違いますから、できるだけいろんな子どもたちが居場所として使える施設にしていきたいですね。

 

コサイト そうなれば当然、吉田さんのお子さんも楽しめる施設になるというわけですね。平澤さんもお子さんがいらっしゃいますよね。

 

平澤 はい、4歳になる娘と1歳になる息子がいます。子どもたちを見ていると、しゃべりかたとか行動とか、とにかく親のまねをするんです。つくづく、幼いころの親との関わりは大事だなと。そう考えると、思春期はさらにたくさんの大人と関わることこそが必要なのではないかと思うようになりました。

 

コサイト 親でもない先生でもない大人といかに関わりを持つかですね。

 

平澤 そうです。実はこれまでは、私たちCAPSの中で何とかしようとしていたところがありました。でもこれからはもっと、市内のいろんな「大人」にここへ来てもらって、子どもたちと関わってもらいたいと思っています。

 

コサイト 子どもたちも、そしてスタッフのみなさんも世界が広がりますね。

 

平澤 はい、そう思っています。

 

コサイト そうなればいよいよ、地域の中高生は「CAPSに行きたい」と思ってくれるかもしれませんね。

 

平澤 楽しいときもちょっと苦しいときも、「行ってみようかな」と思える施設になったらいいなと。先日鎌倉の図書館の方が、子どもたちへ「辛くなったらここにおいでよ」メッセージをTwitterに書き込み話題になりました。CAPSも同じように「困ったらここへおいでよ」と子どもたちに伝えたいです。

 

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コサイト うれしいお言葉です。受け止めるスタッフのみなさんは大変かもしれませんが。

 

平澤 はい、そのためにはスタッフにもそれなりの器が必要だと思っています。館長の私から見ると、そこはまだまだ成長過程。ぜひスタッフにも世の中に目を開き、いろいろな物ごとを身につけ、この施設の中だけに留まらない…そういうスタッフであってほしいと願っています。

 

 

最後の平澤さんの熱い語りに、吉田さんも鵜生川さんも大きくうなずいていらっしゃいました。地域に向けて、より開かれた施設となり、いろいろな大人が中高生に関わる「場」としてのさらなる進化を期待しています!

執筆者

写真右から 平澤和哉さん(館長)、吉田悟朗さん(副館長)、鵜生川恵さん(クラフト担当)

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