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コサイトウが行く!

第20回
笑顔の秘訣は「今を楽しむことだけを考える」こと 氏家ロドネリンさん

2017年5月19日 公開

コサイトの住人、コサイトウです。

先日国領にある「子ども家庭支援センターすこやか」で2歳の男の子と遊びに来ていたフィリピン人ママと知り合いました。CIFA(調布市国際交流協会)主催の日本語学習教室「だっこらっこくらぶ」に勉強しに来ているのだそう。ニコニコしていて、お子さんを見守る眼差しがとって優しい、素敵なママです。

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「それまで暮らしたことがない国で、こんなに穏やかに楽しそうに子育てできる秘訣は何なのかしら?」
知りたがりのコサイトウは、思い切ってこの笑顔の持ち主、氏家ロドネリンさんにお話を聞いてみました。

 

家事育児で大忙しの毎日

 

26歳で結婚を機に日本にやってきて、もうすぐ10年。今では日本語もお上手です。現在は、調布市緑ケ丘で小3、年長、2歳の3人の男の子を育てています。同居するご主人のご両親も含めた家族全員の食事の用意や、掃除、洗濯など家事全般を一手に引き受けていて、平日は三男の忠浩くんのお世話をしつつ、朝から夜までやることがいっぱい。

 

おばあちゃんの方針で、食事は家で手作りが基本。「食後の洗い物はすぐに済ませる」、「家は常にきれいに保つ」など、氏家家のルールに従って、毎日の家事を頑張っているんだって。

 

「たまに、おばあちゃんの言う通りにできないこともあるけどね(笑)」

 

子どもがぐずったりすれば、家事は思うように進まないこともあるものね。食事メニューはやっぱりフィリピン料理が多いのかしら?

 

「おばあちゃんおじいちゃんも一緒だから、日本食です。子どもたちもフィリピン料理を食べないから…残すのを見るのは心が痛いの。だからあまり作らなくなりました」

 

ロドネリンさんは、8人きょうだいの7番目。フィリピンでは大家族だったこともあり、子どもの頃の食事はごはんとおかず一品が普通。お肉があるとすごく嬉しかったんだって。

 

「子どもたちには『おなか一杯食べられるあなたたちはラッキーよ。だからちゃんと食べて』って言っています」

 

本当にそうですよね。それにしても日本食を作るのも大変なのではないかしら。聞けば日本食は、おばあちゃんに習って一生懸命覚えたそう。どんな夕食を作っているのか写真を見せてもらったら…

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すご〜い、栄養のバランスを考えた品数の多い献立にびっくり!!実は煮物もみそ汁も魚料理も、今ではすっかりお手の物なのです。しかも、食事は一人分ずつお皿に盛り付けるスタイルなので、洗い物の量も相当なはず。コサイトウは思わず、ワンプレートで簡単に済ませた昨日の手抜き夕食を思い出し、心の中でそっと家族に謝りました(泣)。

 

毎日大変そうだけれど、ロドネリンさん自身お料理が好きだから、案外、食事作りは苦ではないみたい。それに、料理だけでなく家事全般も丁寧に行うのがロドネリンさん流。家事のこだわりについてさらに聞いてみました。

 

「主婦のかがみ!」と思わず叫んだ仕事ぶり

 

お料理が得意なロドネリンさん。幼稚園に通う次男のお弁当がこちら。

 

IMG_4771▶ロドネリンさんが撮影した次男君のお弁当写真。カラフルでおいしそう!

 

キャラ弁ですね~、次男信浩君が大好きなヒーローかな?手先が器用なロドネリンさん、料理に限らず手作りが大好きだそうで、子どもたちの誕生日にはそれぞれのリクエストを聞きながら、大掛かりな室内デコレーションでお祝いしています。

 

ベンガラさんデコ 

わぁ!これを一人で作っているのですか?

 

「子どもが寝た後、少しずつ作っています。材料はお菓子の箱などを使ったり、100円均一でそろえたりしています」

 

こんなに手の込んだパーティーを毎年開いてくれて、子どもたちもうれしいだろうな。

 

ロドネリンさんは料理と洗い物、家族全員の洗濯物に家の掃除、アイロンがけを毎日きっちりやっています。さらに驚いたのは…

 

「子どもの制服やパパのワイシャツは、必ず手で洗っています」

 

うひゃー!「白物と色柄物は分けて洗濯するし、制服も手で洗えば傷みにくいから、新品同様で下の兄弟に回せます。新しく買わなくて済むでしょ?」と笑顔で語るロドネリンさんに頭が下がります。

 

こんなに一つ一つ丁寧に手間暇かけているのだから、そりゃあ毎日忙しいわけですね~。
子どもたちがベッドに入るのが夜8時。時々一緒に寝落ちしたまま朝を迎えることもありますが、だいたい夜11時頃に目覚め、夜中の3時ごろまでアイロンがけや洗濯物を畳んだりと家事をこなして就寝。朝は6時半に起床です。

 

日中も家事に忙しく、15時には自宅に戻って夕飯の支度にとりかからないといけないので、お友達とゆっくりおしゃべりしたり遊ぶ時間は限られています。でも、「これが自分の役目」と決めているからか、ロドネリンさんの表情はとても爽やか。やらされているのではなくて、自分の意志でやっているからなのでしょうか。もう、あっぱれ!の一言です。

 

言葉も分からない国で、初めての子育て

 

 

日本での生活や子育てですごく困ったことはありますか?

 

「言葉が難しい、それだけかな?」

 

フィリピン国内では公用語のタガログ語と、英語、自分の出身地域で使われているイロンゴ語の3種類を使い分けて生活していたロドネリンさん。でも、日本語は難しいと言います。特に漢字の読み書きが難しいのですって。

 

「市役所に行っても書類が読めないので、最初のうちはパパがついてきてくれて、一緒に説明を聞きました」

 

様々な書類を提出する時は、ご主人やおばあちゃんに代わりに書いてもらったり、教えてもらいながらやってきました。でも1回教えてもらえば、次からは何でも一人でやるというところも立派だわ。

ご主人がとっても優しくて、ロドネリンさんが困った時はしっかりサポートしてくれるから、安心して暮らせます。さらに、長男の義浩君の宿題はおばあちゃんが見てくれているというから、いろいろ心強いですね。

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とはいっても、時々故郷に帰りたくなったりしませんか?

 

「ううん、全然(笑)。だって、子どもを連れて帰るのを考えただけでも大変そうだもの」

 

あはは、確かにそうですよね!でも、そう思えるのも、きっと日本での生活に満足しているからなのでしょうね。

 

「生きている時間は短い」から

 

それにしても、明るくて、優しくて、働き者のロドネリンさんと結婚したご主人は、幸せですね〜。

 

「うふふ、パパも、自分は幸せ者だってよく言っています♡」

 

ごちそうさまです!朝出かける時は、パパにも子どもたちにもチューを欠かさないそう。

 

「日本人は恥ずかしがってあまりしないでしょ?私はチューもハグも大好き!」

 

IMG_4810▶まだまだ甘えんぼうの三男の忠浩くん。

 

最近は小3の長男君がママのチューを嫌がるんだって。でも、きっとこの「朝の儀式」がなくなったら寂しくなっちゃうんじゃないかしら?

 

「長男が嫌がってもやめません(笑)。だって私がいつ、いなくなるか分からないでしょ?だから、毎日愛しているよって伝えるんです」

 

つい当たり前に明日が来ると思ってしまうけれど…本当は、どうなるかなんて誰にも分からないものね。

 

「生きている時間は短いから、今を楽しまなきゃね」

 

本当にそうね。時にはしんどいこともあるけれど、同郷のお友達とおしゃべりしたり、大好きなドラマや番組を見たりして気持ちを切り替えて、とにかく目の前のことを楽しむ。これが、ロドネリンさんの笑顔の秘訣だったのですね。

 

取材を終えて

 

「生きている時間は短い」という言葉がズシンと心に響きました。つい、自分の思い通りにならなかったり、目の前の忙しさにイライラしてしまって、「ツライよ~」って気持ちで心が一杯になっちゃう。その気持ちを見ないふりをするのではなく、うまく発散したり切り替えたりしながら今を楽しむことが大事なのですね。ひとまず、コサイトウは家事を手抜きしすぎなので、家族の笑顔を思い浮かべながら今日の晩御飯のおかずをもう一品増やしたいと思います!(いつまで続くかな…)

執筆者 コサイトウ

コサイトウ

コサイトの住人、サイのコサイトウです。 3歳の娘と夫の3人暮らし。自然が豊かで人があったかい調布がダ大好き!娘がもう少し大きくなったら、「自分時間」も大切にしたいなあ。

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