貧困、虐待、ひきこもり、精神疾患や発達障害など…さまざまな事情で生きづらさを抱える子どもや若者たちの居場所Kiitos。代表の白旗眞生さんの講演会「食でつながる憩いの場 ただいまと帰るみんなの『家』」(調布ゆうあい福祉公社主催)が19日、たづくりで開催されました。会場には定員いっぱい、200人ほどの参加者が訪れ、活動への関心の高さが感じられました。
8年前に始まったKiitosでは10代、20代の若者たちに対して「相談」「食事」「居場所」「学習支援」の4つの柱を中心に支援。無料で利用できるよう、運営資金は賛助会員からの寄付と一部調布市からの助成などで賄っています。
講演会ではKiitosで提供される食事や、部屋でくつろぐ子どもたちの様子などを写真で紹介されました。現在は65名のボランティアがそれぞれの都合に合わせて食事作りなどに参加しています。
子どもたちが国の制度で守られているのは18歳まで。しかし「18才以降も過ごせる場所があることが大事」と白旗さん。修羅場をくぐってKiitosにたどりついた子どもたち。時間がかかることはありますが、子どもたちがそこで「育ち直す」ことで、社会に出ていけるようになってほしいと、参加者に訴えました。
Kiitosではとくにプログラムなどは用意していないのも「居場所」であることにこだわっているから。何もせずダラダラと過ごせる環境があってこそ、本来その子の持つ「生きるエネルギー」が出て来ると考えてのことだそう。
リラックスして過ごすことができる「家」は、実は当たり前にそこにあるわけではありません。身近な地域の子どもたちが置かれた過酷な実態。
「子どもたちへの支援は、一人ひとり違いますし時間もかかります。大切なことは成長を『待つ』こと」(白旗さん)
NHKでも紹介され、全国的に知られるようになった白旗さんですが、調布市での講演会は実は初めてのこと。地域の人たちの理解と協力があってこその活動は、寄付やボランティアを広く募っています。詳しくはKiitosまでお問い合わせください。