調布市医師会の貫井清孝先生(小児科)に、ノロウイルスの特徴や、感染後の対処法についてお話をうかがいました。
「感染性胃腸炎を引き起こす原因となることが多いノロウイルスは、ウイルス量が少なくても感染・発症してしまうため、一気に感染が広がりやすいという特徴があります。また、ノロウイルスには実はたくさんの種類があり、たとえ1つの型に感染後免疫ができていても、別の型のウイルスに感染すると、また発症してしまうというのもやっかいな部分です」
感染力が強いこと、いったん感染しても、またかかってしまう可能性があるというノロウイルス。予防だけでなく感染を広げないためには、どうしたらいいのでしょう。
「ウイルスは空気中にある水分子にくっついてウイルスが拡散するので、室内で吐いた場合は、そこに居合わせた人も感染しないよう、処理する人以外はすぐにその場を離れる、窓を開けるなどしてください。嘔吐物の片付けにも注意が必要です。ノロウイルスは、85度以上の熱湯で1分以上加熱するか、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤を使用することで死滅させることができますが、アルコール消毒では効果がないといわれています。また、嘔吐物がついた衣類やシーツなどを洗濯する場合は、その前に必ず十分な消毒処理を行うのが鉄則。そのまま洗濯すると、汚染されていなかった衣類まで汚染されてしまい、二次感染に繋がることもあるので十分に注意しましょう」
いつごろまで、二次感染への配慮が必要ですか?
「嘔吐・下痢などの激しい症状が落ち着いたあとも、2週間ほどは便からウイルスが排出されているため、しばらくは感染を広げないよう、おむつ替えなどの際には十分な注意が必要です。感染力が強いノロウイルスの予防には、丁寧な手洗いが基本。食事の準備前や食べる前、トイレの後は特に丁寧に、手を洗うことを心がけましょう」