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親子90人が団地内アーケードに集まる「ほんのもりのクリスマス」

2018年12月28日 公開

12月24日、クリスマス前日の午前中。「都営調布緑ケ丘二丁目アパート」(通称・緑ヶ丘団地)の一角に、わらわらと集まってきたのは幼児や乳児と大人、約90人。お目当ては、親子がともに楽しめる参加型演劇「不思議の国のバナナ」の無料上演です。普段は静かなこの一帯がにわかに華やいだ雰囲気になりました。緑ヶ丘団地は、昭和36年~39年に建設され、現在は老朽化による建て直しが進んでいるところです。

 

イベントを主催した「ほんのもり」は、3人の青年が、地域住人共通の居場所となるようにと開いた小さな喫茶室で、11月にオープンしたばかり。昼間はフリースペースで、一人200円の利用料を払うと、半日自由に過ごすことができます。

 

オープンしてすぐに常連になったのが、今回のイベント「ほんのもりのクリスマス」を企画した、近所に住む草野七瀬さん。7歳・5歳・1歳の3人の女の子を育てながら、英語と日本語の両方で演じるバイリンガルシアター「劇団バナナ」を立ちあげ運営しています。日本の各地や海外にも活動の場を広げていますが、普段は緑ヶ丘地域にいて、昼間はワンオペで育児をこなしています。

そんな中オープンしたのが、草野さんの自宅から歩いて5分もかからないところにあるこの場所。常駐するスタッフが子どもの相手になってくれることもあり、一息つきに毎日のように通い始めました。「たくさんの人にこの場所のすばらしさを知ってほしい」。そんな思いから発案したのが、ご自身の作品をこの場で上演すること。「募集をするとすぐに予約で満杯になり、いかに子連れで気軽に出かける先が求められているか実感しました」と草野さん。「ほんのもり」の3人も「こんなにたくさんの人が来るなんて」と驚きを隠せない様子です。

「ほんのもり」の並びで、1970年から青果店を営む北岡邦夫さんは「子どもや若い人が行き来していいなと思っています。店に来る客もみな何が始まったかと興味を持って、温かい目で見ているようですよ」と話していました。

 

小さな団地の一角で始まった交流は、今後も注目されそうです。

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