11月17日、調布駅近くにある東山病院で行われたイベントには、たくさんの親子連れが訪れました。イベントは「世界糖尿病デー」の関連事業として、東山病院が独自に企画、開催しているもの。今年で3年目の取り組みです。
イベント前の1週間ほどは、市内16箇所の施設を青く染める「ブルーライトアップ」も実施。
最終日の17日に合わせ、東山病院では「糖尿病」への理解を深める啓発イベントが開催されました。
病院入口を入ると、たくさんの親子連れで賑わっていました。入ってすぐの受け付けカウンターは「カフェ」に。美味しそうなクッキー(市内福祉作業所で作っているもの)と飲み物が参加者に無料で提供されていました。
そして院内には「トレジャー・ハンターくまがい」のポスターが。東山病院の熊谷医師がトレジャー・ハンターに扮し、子どもたちと「宝探し」をするというもの。院内のあちらこちらに仕掛けやヒントが隠されています。
大人気だったのが「医療職体験」です。看護師体験では車椅子を押したり、点滴、採血の体験も!他にもエコー検査を体験したり、レントゲン撮影の機器を操作したり。
最も驚かされたのは「手術体験」。外科部長のドクター自らが子どもたちを指導します。普段は絶対に入れない手術室で行われ、手を徹底的に洗うところから、本物の器具を使って手術の疑似体験までができるというもの。実際に使うのは「鶏肉」や「豚肉」でしたが、メスの切れ味の鋭さに、体験している子どもはもちろん、付添いの保護者も驚いていました。
また、低糖質のお菓子を作るワークショップは、市内で活躍中のしまねこやさんが担当。子どもたちが楽しそうにおから蒸しパンを作っていました。他にもヨガやズンバなど体を動かすアクティビティも用意され、まるで文化祭のような楽しさあふれる一日でした。
「日頃の病院運営だけでも忙しい中、子どもの医療職体験を実施している病院は少ないようです。とくに小学校低学年のお子さんも参加できるケースはほとんどないと思います」と話すのは事務課の鷲頭徹さん。「もっと地域の人たちと交流したい」「糖尿病への理解をもっと深めたい」という思いが、この企画を実現させました。子どもたちにとっても、貴重な機会であるといえるでしょう。
スタッフのみなさんも、当初は少し戸惑いはあったものの、参加する子どもたちの楽しそうな様子に、今では一丸となって盛り上げているとのこと。日頃このような病院にはあまり縁のない子どもたちの中には、医療職体験を通して医療に関心を持つ子もいるかもしれません。医療機関ならではのユニークな取り組みであり、地域貢献事業としても注目したいイベントでした。