子どもが小学校に入り、字を書いたり文章を読んだりする学習が始まってから気づくことが多いという学習障害(※)。
たとえば、
「教科書の音読がうまくできない」
「板書をノートに書き写すのに時間がかかる」
「文章の内容が理解できない」
などという場合、ともすると「勉強が苦手」「努力不足」と思われがちです。しかし、読み書きに困難を感じる背景には、学習障害のひとつ「ディスレクシア」の可能性があるかもしれません。
まずは正しく理解することから
最近では著名人が公表するなどして、少しずつ認知されるようになってきたディスレクシア。耳にしたことはあっても、どのような特性があるのかよく知らない方も多いのではないでしょうか。
そのような中、地元調布の企業、株式会社OpenDNAがディスレクシアについて学べるアプリ「読めてる?」(https://yometeru.open-dna.jp/)を開発、無償で提供しています。代表の安東裕二さんにお話を伺いました。
「ディスレクシアについてもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、専門家の監修を受けながらアプリを開発しました。きっかけは当社メンバーの子どもが当事者だったこと。早い段階で子どもの困りごとに気づき適切な支援につなげるためには、周りの大人が正しい知識を持っておく必要があります。気軽に学べるツールとして、小学生や保護者、学校の先生に使っていただきたいと思っています」(安東さん)
読み書きの課題に「気づく」きっかけに
「ディスレクシアの傾向を見る簡易チェックの結果は、専門家や専門機関に相談するかどうかの参考にしていだくためのもので、判定や診断ではありません。このアプリのねらいは、子どもが読み書きに課題を抱えている可能性に、保護者や学校の先生、子ども自身が気づくこと。ディスレクシアへの認知度が上がり、合理的な配慮を必要とする子どもたちが、それぞれに合った方法を選べる環境が整っていくことを願っています」(安東さん)
コサイトでは以前、コラム「子育てお悩み相談室」で、子どもの読み書きに関する困りごとについて取り上げました。調布市の公立小学校での対応や相談先、小学校入学に向けた「就学支援シート」、関連機関などについて紹介しているので、ぜひご覧ください。
●子育てお悩み相談室第28回
子どもが「読み書きに困っている」と感じたら
https://cosite.jp/trouble/counseling/202112