「里親制度」をご存知ですか?
東京都内には、親の病気や離婚、虐待などのさまざまな事情により親と一緒に暮らすことができない子どもがおよそ4000人ほどいます。そんな子どもたちをご自身の家庭に迎え入れ、家庭的な環境の中で育てている方たちが「里親」さんです。
いざ、自分が里親になることを想像すると、
「経済的に心配…」
「長期間預かるのは難しいな」
「子育ての経験がないから心配」
「子どもがいるけれど里親になれるのかな」
など、気になることがたくさんありますね。
東京都里親支援機関事業里親委託等推進員の地域担当者さんにお話を伺ったところ「たとえば1、2カ月の短期から長期まで預かる期間はさまざまです。里親さんは児童相談所や関係機関と連携、支援を受けながら子どもを養育します。生活費や医療費なども概ね公費から支給されます。お子さんがいるご家庭で里親になる方もいらっしゃいます」ということでした。
里親がどのようなものかを知りたい方は「Tokyo 里親ナビ」に実際に里親として子どもを養育した人のインタビューなどが紹介されていますので、ぜひご覧ください。
養育家庭(里親)を増やしたい理由
「小学校区に2家庭」の里親さんがいるという状態が理想的だと考えられています。ご家庭で子どもの養育ができなくなった場合に、一時保護所に預かると子どもはいったん、通っている学校がある地域とも切り離されてしまいますが、学校区内に里親さんがいれば、地域や学校とは離れずに生活を続けることができるからです。
「一つの例ですが、生まれてたときから乳児院など施設で育った子どもたちは、『ごはんが炊ける香りを知らない』ことがあります。日常生活の中で『あたりまえ』な経験ができる里親などによる養育は、とても貴重なものと考えます。最近は児童養護施設もグループホームの形を取るなど、家庭的な養育が行われるよう、きめ細かな工夫がなされてはいますが…」(地域担当者)
里親になるためには、一定の要件(家庭の状況、収入の状況、住居の状況など)を満たしていれば、特別な資格は必要ありません。里親になるための研修もあります。
どこか遠い世界の話のようにも思えますが、調布市は近隣と比較すると里親さんが多い地域なのだそう。年に1回、里親さんたちのお話が聞ける「養育家庭(里親)体験発表会」も実施されています。また、東京都では里親制度について紹介するパンフレットや、実際に里親さんへのインタビューなどを掲載しているウェブサイト「Tokyo 里親ナビ」を通じて、広く知ってもらうための活動も行っています。
もし、この記事をご覧になって、まずは里親についてもう少し知りたいと思ったら、ぜひTokyo 里親ナビをご覧ください。