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つながる!ひろがる!PK Labo

第4回
離乳食作りを楽しく体験「ベビーフードバー」
離乳食作りを楽しく体験「ベビーフードバー」

2025年8月5日 公開

コサイトサポーターPR]

京王線柴崎駅徒歩1分のところにあるPK Laboは、おもちゃの貸し出しをするトイライブラリーの他にも、魅力的な事業を行っています。その一つが、生後4カ月から10カ月ごろまでの赤ちゃん親子向けに実施している離乳食講座「ベビーフードバー」。毎週月曜日に開催しています。

 

ベビーフードの「バー」とは?

実はこのネーミング、PK Labo内にあるバーカウンターがその由来。おしゃれなカウンターのある元カフェの店内で実施される離乳食講座だから、あえて「ベビーフードバー」と名付けたのだそう。今あるものを大事に、大切に使いたいというPK Laboの思いが伝わってきますね。

離乳食は「子育て最初のハードル」?

子育てがはじまり、最初のハードルと感じる方も多い離乳食。

「離乳食って大変そう」

「思うように進まない…」

「何をどう作ればいいのかな」

そんな疑問や不安は、ネットで調べれば解決することもあるでしょう。けれど、専門家に直接教えてもらえたら、もっと心強いはず。PK Laboでは毎週1回、同じ法人が運営している認可保育園パイオニアキッズの栄養士さんが講師となり、離乳食調理を実際に体験し、赤ちゃんが試食することができる体験型離乳食講座「ベビーフードバー」を行っています。

離乳食作りは「頑張りすぎなくていい」「もっと気楽にできる」ということを伝えたいという思いもあるのだそう。

▲準備をする栄養士さんと、PK LaboスタッフのGJさん。

離乳食デビュー!ゴックン期(初期)

ベビーフードバーは毎週月曜日の午前10時、11時、12時からそれぞれ45分間のプログラムが行われています。10時からは生後5〜6カ月の赤ちゃん向け。この日は離乳食を始めたばかりという6カ月の赤ちゃんとママ、1組がやって来ました。

▲前の店舗そのまま、素敵な洗面所で手を洗います。

赤ちゃんが使い慣れている道具のほうがいい、ということでエプロンとスプーンは日頃使っているものを持参します。テーブルには電気調理器、材料などが並べられ早速スタート。献立は10倍がゆと玉ねぎのペーストです。

▲水に昆布一切れ、玉ねぎを入れて煮込みます。
▲その間に、おかゆをすりつぶします。丁寧に、なめらかに。
▲うれしそうな表情がかわいい!

 

まずは白湯を一口(離乳食の飲み込みをスムーズに促すため)、そしていただきます!

 

初期(ゴックン期)のポイントは、食材をなめらかにすりつぶすこと。玉ねぎのペーストは初体験だったそうですが美味しそうに食べています。玉ねぎの甘みを感じて美味しいと感じたのかな?ママがすりばちで丁寧にすりつぶしたので、口当たりも良かったのでしょう。たくさん食べてくれました。

 

「赤ちゃんはスプーンを自分で持ちたがることが多いので、赤ちゃん用、食べさせる用に2本準備しておくといいと思います」(栄養士さん)

なるほど〜!赤ちゃんが持ちたがっているスプーンを無理やり取り上げてしまうと、離乳食の時間が楽しいと感じてもらえないかもしれません。あくまでも、美味しく、楽しく!ですね。

 

モグモグ期(中期)は気が散りやすい?

さて、11時からは生後7〜8カ月の赤ちゃん親子が対象(離乳食中期)で、3組の親子が参加しました。

「よく食べてくれるとは思うのですが、最近は動き回ってしまうのでちょっと苦戦中です」と話すのは7カ月赤ちゃんのママ。いろいろなものに興味を持ち出す時期だからこそのお悩みです。

ベビーフードバーでは、必要に応じてスタッフの2人が赤ちゃんのお世話サポートに入ってくれるので、活発な赤ちゃん連れでも心強い!モグモグ期の献立は7倍がゆ、鮭を煮たものの2品、調味料は使わず昆布だしのみで煮込みます。

▲煮込み加減などを体験できます。
▲終始なごやか。なんでも質問できる雰囲気です。
▲白湯で喉を潤してから、いただきます。
▲身を乗り出しておかゆを一口「あーん、ぱくっ」
▲ママと見つめ合いながら…幸せな時間ですね。

中期の離乳食調理のポイントは、舌で潰せるぐらい柔らかく煮込むこと。実際に栄養士さんの指導のもとで調理して、微妙な柔らかさを体感できる上、赤ちゃんに食べさせることができるのもベビーフードバーの魅力です。

栄養士さんと参加者同士のおしゃべりもはずみます。なごやかなムードになるのは、カフェのようなインテリアも一役買っているかもしれません。お互いにいろいろな情報交換もできていたようで、みなさんとても楽しそうでした。

調味料が使えるようになるモグモグ期(後期)

本日3回目のプログラムには生後9〜11カ月(離乳食後期)の赤ちゃん親子3組が参加。実は各プログラムの冒頭では、Michikoさんによる季節のレクチャーがあります。

▲表面に季節の言葉、裏面には献立や食材名が記されています。

手にしているのはベビーフードバーオリジナルのランチョンマット。表には「温風至」という文字が書いてありますが…これは?

「パイオニアキッズでは子どもたちに季節の変化、その時期ごとの特徴を二十四節気七十二候を通して伝えています。そこでPK Laboのベビーフードバーでも、参加するお母さんたちに日本の四季の奥深さをぜひ知ってほしいと考え、このような形でお伝えしています」(Michikoさん)

季節によって表面の文字は変わります。取材した日の「温風至(あつかぜいたる)」は、二十四節気の「小暑」の初期にある七十二候の一つ。梅雨があけて南から風が吹いて蒸し暑い日が増えてくるころを指すのだそう。確かに!!(蒸し暑い日でした)

▲かつおと昆布のだしとほんの少しの醤油で鮭を煮込みます。

 

離乳食後期になると、だしは昆布と鰹節を使います。そして調味料として醤油をほんの少し加えて味つけ。室内にはだしのいい香りがただよいます。「味付けってこんな少しでいいんですね」というママたちの声。赤ちゃんの味覚はとても敏感だといいますから、食材の美味しさを感じられるよう、丁寧に育てていけたらいいですね。

 

日頃は「形のあるものはあまり好きじゃなくて、なめらか系のものが好み」というお子さんも、大きな口をあけてぱくっ。やはり、いつもとは違う環境が、ますます食欲をそそるのかもしれません。

 

ベビーフードバーは1日10組まで。1回初期3組、中期3組、後期4組まで。成長期ごとの3つのプログラムが用意されています(予約制)。

 

ベビーフードバーシェフを務めた栄養士さんにお話を聞きました。

「今日で3回目の担当にもかかわらず緊張しました…でも、ママたちが優しく接してくださったのでありがたかったです。ベビーフードバーでは、いつも接している保育園の子どもたちではない、地域の子どもたちに出会えるのがうれしいし、私自身、大きな学びになっています。参加してくださる皆さんはぜひ、離乳食についての悩み、不安など何でも相談してください」

 

たとえば「早食い」「手づかみ食べ」「コップ飲み」「座る姿勢」など、ちょっとした対応の知恵を聞けるのもこの距離感ならでは。

▲参加者からの質問に答える栄養士さん。

PK LaboのMichikoさんは「ベビーフードバーは、参加することで地域ともつながることができるので、子育てをいい形でスタートするきっかけになると思います。たとえば、私たちのような外国人は地域にサポートしてもらえる親戚や友人ががいないことが多いのです。子どもが生まれて、近所にベビーフードバーがあったら、きっと子育ての助けになると思います」と話します。

日本人の私達も、出産直後は孤立しがちですから、外国の方たちはもっと大変なこともありますね。離乳食をきっかけに、地域とつながることができるなんて、かなり貴重な機会かもしれません。

「近々、パパ向けのベビーフードバーもやる予定です。僕もベビーフードバーシェフになりきり、パパたちと一緒に離乳食づくりをします。お楽しみに!」(GJさん)

▲Michikoさんに抱っこされ、いい笑顔です。

 

トイライブラリーやベビーフードバーを利用する人たちが少しずつ増えているPK Labo。実はもう一つの事業、「コミュニTEAタイム」も少しずつ人気がでてきているのだそう。次回コラムでじっくりご紹介します!

 

撮影:赤石雅紀

執筆者

京王線柴崎駅から徒歩3分ほどのところにある、子育て支援の拠点です。定期的に木製おもちゃなどを貸し出す「トイライブラリー」栄養士による離乳食講座「ベビーフードバー」子育て中の人たちの交流の場「コミュニティータイム」を実施しています。

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