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学生ボランティアに聞く vol.2 「ここあ」の学習支援

2026年4月21日 公開

学生ボランティアに聞く vol.1に続くインタビュー第二弾です。

調布市子ども・若者総合支援事業「ここあ」では、家庭の事情などにより高校進学をあきらめてしまうことがないよう、中学生を対象とした学習支援事業を行っています。「ここあ」の学習支援は、単に学力を伸ばすだけにとどまらない、一人ひとりに向き合い、ときには相談事業とも連携し包括的なサポートにもつながっているという点で、他ではなかなか見られない稀有な事業として注目されています。

では、学習支援を担っている大学生や大学院生等のみなさんは、ボランティアに参加してどのようなことを感じているのでしょう?実際に活動している3人の学生さんに話を伺いました。

A.Iさん(ボランティア歴 3年)

F.Eさん(ボランティア歴 3年)

M.Iさん(ボランティア歴 4年)

 

ボランティアを始めるきっかけは人それぞれ

―「ここあ」で学習支援ボランティアを始めたきっかけを教えて下さい。

A.Iさん もともと学習支援に興味はありました。その理由は…実は、僕は双子なので大学受験も同時ですから、当然、一度にかなりのお金がかかることになります。だから塾には行けない、国立大学に入るしかないと思うようになりました。人生で初めて「経済的な理由で選択肢が狭まる」体験をしたのです(もちろん親は「私立に行くな」とは言いませんでしたが)。そんな経験から、自分と同じように経済的な理由で学習の選択肢が狭まる子はいるだろうと考えるようになり、学習支援に興味を持つようになりました。たまたま大学が同じ(「学生ボランティアに聞く vol.1に登場している)M.Tさんに声をかけてもらい「やるしかない!」と。

 

F.Eさん 私はA.Iさんとは違い、高校時代にはたくさん塾に通わせてもらい、大学では学費も家賃も出してもらえています。衝撃を受けたのは高校時代に読んだ『2月の勝者』という漫画。中学受験で親からめちゃくちゃ課金されている子もいれば、そうでない子もいるという内容です。私はというと、やれと言われたから勉強しているけれど、何のモチベーションも無く、勉強ができるので周囲からは「すごいね」と言われている…そんな感じでした。だから大学では奨学金で来ている人たちとの学びへのモチベーションの差を感じ、一体私は何をやっているんだろうと。ボランティアに参加したきっかけは、教育格差に関心があったこともありますが、このモヤモヤを解消したいという気持ちもあったと思います。

 

M.Iさん 私は2人とは全然違う理由です(笑)。大学受験が終わってからはとにかくアルバイトがしたくて、親にも「バイトしたい!」と言いまくっていました。そんなとき、たまたま親が「ここあ」の学習支援ボランティアを知る機会があり、私に教えてくれたんです。ボランティアとはいえ有償ですから「これならやれる」と思い、すぐに参加しました。「ここあ」では初回の研修に大学生の先輩がついてくれます。その人がすごく優しくて素敵で…この尊敬する先輩から、中学生と関わる経験の素晴らしさを教えていただきました。

雑談の重要性に気付かされた

―では、実際に学習支援に関わり気付いたことは?

M.Iさん 雑談が一番難しいということです。会話のラリーが続かない子や、会話までに時間がかかる子を担当したときに、自分のコミュニケーション能力の無さを痛感しました。たとえば学校に行けていない子を担当する場合、「学校どうだった?」など、その日の出来事を話題にするのが難しいですよね。そんな経験から、ひたすら雑談のネタを探すようになりました。中学生はよくアニメを見ているようなので、私もアニメを見始めたりして。実際、雑談が盛り上がると、その後の学習では中学生も質問しやすくなるなど、いい流れが生まれるんです。

 

F.Eさん 私は漫画に影響されていたこともあって、学習支援にドラマ性を求めていたように思います。「私の手でモチベの無い子も高校へ行かせるぞ!」みたいな。もちろん、これは目に見える成果を求めていた私のエゴです。実際には、中学生の担当はローテーション制ですし、大学生も100人ほどもいて、初めは誰が誰だかわからず戸惑いました。それに、学習支援ボランティアという名前と、実際にやっていることがつながっている感覚が持てませんでした。けれど、少しずつ小さい成功体験みたいなものが積み重なり、大学生ボランティアに相談したり、ボランティアミーティングで「こんなふうにやったよ」「こんな悩みがある」という話を聞いて、もうちょっと頑張ってみようと思えるようになりました。

 

A.Iさん 僕も「オレが偏差値20上げてやるぞ」みたいな気持ちでここに来ました。でも、ある中学生との出会いが、それは違うと教えてくれました。

勉強は嫌い、授業は聞かない、テストも受けない…「なんで勉強をするのかわからない」という感じの子です。会話する中で自己否定的な、なげやりな部分を感じることもありました。けれど「ここあ」でたくさんの学生ボランティアと関わりながら過ごすうちに、少しずつ笑顔が見られるようになりました。そして自分の考えを言えるようになり、勉強もやってみようという気持ちが持てるようにもなっていきました。中学生が変わっていく様子を見て「(ここあには)成績アップに固執した指導よりも大事なことがある」と気付くことができたのだと思います。

「自分のことを見てくれる人」がいれば中学生は変わる

A.Iさん たとえばひとり親家庭では、親御さんが夜遅くまで働いていることもあります。子どもが学校で嫌な思いをしていて、勉強も苦手で…でも帰宅しても一人で、誰にも話すことができないかもしれない。そういう状況だからこそ、僕達が関わることに意義があるのだと思います。自分のことを見てくれる人がいると感じられることで、中学生は変わっていく。そんなことに気づかせてくれた「ここあ」に関わって、本当によかったと思います。もちろん、純粋に勉強をしたい中学生も来ていますから、そういう子にはしっかりと勉強を教えています。

 

F.Eさん ここで勉強している子の中には、家庭の事情で負担を抱えている子や、学校に行きにくさを感じている子など、さまざまな背景があります。でも、普段勉強を教えたり雑談している中では、いわゆる普通の中学生と変わりません。私に悩みを相談してくれる子が多いわけでもなく、小さな積み重ねですから「これが本当に支援になっているのかな」と感じることもあります。また、何か抱えていそうだと感じても、どこまで踏み込んでいいのか、自分が関わっていい問題なのか迷うこともあって、そこには葛藤があります。それでも、いろんな中学生とのコミュニケーションは楽しいですし、こうした関わりはきっといい方向に働くはずだと信じて続けています。中学生って思っている以上に周りをよく見ていて、大学生のこともよく覚えてくれていて影響も受けやすい時期だと思います。ですから、無理に何かを与えようとするのではなく、自分らしく関わることを大事にしています。

「ここあ」の学習支援は中学生の心の居場所

M.Iさん 私はボランティアを始めるときに、職員の方から「ここあ」の学習支援は塾のように進学することだけが目的ではなく、中学生の心の居場所だという説明を受けました。実際、いろんな大学生と触れ合うことで、少しずつ心を開いてくれているのかな、とも感じています。それに、中学生同士だけでなく中学生が大学生と話すことができるのは「ここあ」に来ているからできることですよね。私たち大学生も中学生との雑談で「そういう考えがあるんだ」と気付かされたりして。中学生とは恋バナで盛り上がることもあって、そのたびにもう、胸がキュンキュンしています(笑)。学習支援の最後に「ありがとうございます、楽しかったです」なんて言われると、本当に「ここあに来てよかった」と思います!

 

A.Iさん 「ここあ」は僕にとって居心地がよくて、中学生と話すのも、大学生同士の交流も楽しいです。ボランティア活動を通して視野が広がったし、人のことを考えられるようになりました。学習支援コーディネーターの西牧たかねさんがいつも話してくださることがあります。それは「自分を困らせる子は、困っている子」だということ。これは、もしかしたら世の中の本質なのかなとも思います。自分に嫌なことをする人、言う人がいたときに、「そうせざるを得ない事情があったのかな」と、その人の背景を考えられるようになれば心に余裕が持てるはず。僕は「ここあ」で、少しだけ器の広さを得たように感じています。

 

F.Eさん 私も居心地がいいと感じていますが、それは単に「楽しいから」だけではないと思います。「ここあ」の学生ボランテイアは、みなさんが中学生に対して真摯に向き合いながら勉強を教えています。そんな姿を見ることは、私の活動へのモチベーションにつながり、それが居心地の良さにもつながっているのだと思います。

 

ここあでは学習支援ボランティア(大学生・大学院生)を随時募集しています。

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