コサイトの住人、コサイトウです。
手作りが苦手な私。娘の幼稚園入園時のレッスンバック制作も母にお願いしちゃったほど。今回お話を伺った大藤麻美さんは、1歳と5歳の男の子を育てながら、手作りの布小物を制作する作家としての活動もしています。
まだ小さい子どもを抱えながらのお仕事や暮らしのこと、色々聞いてきました。
▲カフェ「aona」で販売中。大藤さん制作のハンカチやスタイなど
制作と暮らしのバランス
ご自宅にお邪魔したのは、平日のお昼をちょっと過ぎたあたり。長男のうた君は幼稚園に行っていて、1歳8カ月(取材当時)の次男わく君と大藤さんの二人で迎えてくれました。
暴れん坊でやんちゃだというわく君。
息子くんが活動的な日中にも、制作活動ってできるんですか?
「制作は機嫌をみながら合間合間にやっています。なんだか落ち着かないこともあるんですけど…。たまに一時預かりに預けて一気にやったりもします。でも、やっぱり作る時間が足りませんね」
今は委託販売をしているカフェから注文があった時や、Instagramから直接注文が入った時、作りたいものがひらめいた時以外制作はセーブしているとのこと。本当はあれも作りたいこれも作りたいという思いもありつつ、それでも、子どもともしっかり向き合いたいと考えているのですって。本格的な活動はもう少し先、子どもたち二人が小学生になってからと決めています。
「無理にやろうとすると、イライラして子どもにもあたってしまうから…」
えっ!!すごく穏やかそうに見える大藤さんでもイライラしたりするんですね~。なんだかほっとしました。
服飾専門学校に通って勉強し、アパレル関係の仕事についていた大藤さん。ものづくりは小学校の時から大好きで、小学生にして型紙を使ってスカートを作ったりしていました。
「出産後、仕事はしていなかったのですが、何か自分にできることをやりたいという思いがありました。そんなとき、たまたま近所のカフェで委託販売をしていると知り、チャレンジしてみることにしたんです」
その縁が、現在の作家活動に続いているというわけですね。
▲お母さんのミシンに興味津々のわく君。子どもがいながらの制作作業。好きじゃなくちゃやっていられないですね~。
好きを味方にイライラ解消
それにしても、男の子が二人いるとは思えない美しく整ったお部屋。しかも、手作りのシフォンケーキまで出していただいて、さらにびっくり。手作りですよ!て・づ・く・り!
▲おしゃれなカフェに来ている気分~♪
「小物や器などモノがすごく好きなんですよ。昔はたくさん集めて部屋も雑多だったんですが、掃除しにくいということに気づいてから量を減らして今の感じに落ち着きました。その分、モノ選びはすごく吟味します」
勉強になるな〜そうですよね。子どもとの暮らしは、のオモチャなどの色数も多いし雑多になりがち。しかもどんどん増えていって、コサイトウの家はもう収集がつきませんよ。
大藤さんによれば、「吟味」のポイントは理想のものが見つかるまで我慢する、とにかく探して見つかったら買う、を心がけるということだといいます。実際、何週間もかけてコレだというものを探すのですって。
「子育てでイライラした時も、目に入るものが自分の好きなものだと、本当に癒されるんです」
好きを味方にしているんですね~。それにしてもお部屋も掃除が行き届いていてキレイなんですけど…掃除は毎日やっているんですか?
「掃除表を作ってやっています。月曜日はコレ、火曜はコレという風に」
「実は、この家のテーマは“いかに男臭くない家にするのか”なんです。家族は私以外みんな男なので、数年後はだんだん男臭くなってくるかもしれないんですけど、必死に抵抗しています(笑)」
この先も男臭くなるなんて想像できないような素敵なインテリア。作戦は成功していますね!
「上の子には自分で汚したら自分で拭くとか、自分でできる部分は自分で手伝えるように環境を整えています」
なるほど〜。
大藤さんは子どもにも分かるように、紙に書いておくことで、「やって」と言わずにすむような工夫もしています。
コサイトウも子どものことは子どもにと思っているけれど、つい手を出しちゃうんだよね~。
みんなに支えられた二人目出産
実はわく君を妊娠中、大藤さんのお母さまが病気になり亡くなられたのだそう。
「一番頼りたい人がいなくなってしまって、とてもつらかったですね。しかも実家の福島と東京を行き来しているうちに、切迫流産になってしまって…」
上の子は幼稚園に入園したばかり。もちろん家のこともできないので、パパや実姉、ご近所の人、お友達にたくさん助けてもらいました。福島の実家で両親と同居していたおばあちゃんのお世話もあって、当初は姉妹で分担する予定でしたが、それも全部お姉さんに任せざるを得ない状況に。しかも、切迫流産になってしまったのは、まだ妊娠初期。自宅安静は一度解除になったものの、その後切迫早産になり入院。
「自分のお母さんのお葬式にも出られずかなり落ち込みました…」
それは大変でしたね…。でもそんな辛い中だからこそ感じられたあたたかさもあったといいます。たとえばお友達がごはんを作って持ってきてくれたり、ご近所さんが幼稚園送迎をしてくれたり、お花や雑誌を持ってきてくれる人も。
「夫も仕事を調節して幼稚園の送り迎えやお弁当作りに奮闘してくれました」
ご主人やお友達に色々助けてもらったのですね。
でも、困ったときに「助けて!」って言うのは結構勇気がいることですよね。
「やっぱり私も、『助けて!』というのも悪いなぁという気持ちがありました。でも、ここで甘えてみるのもいいかもしれないと。その時助けてもらった方には、本当に感謝でしかありません。あたたかい気持ちに触れることで、へこたれ過ぎずにすみました」
大変な時に助けてくれた友達や家族がいる。そのことが今も大藤さんの力になっているみたい。辛い話のはずなのに、コサイトウも少し元気をもらっちゃったわ。
取材を終えて
素敵に見える人でも、やっぱりイライラするのね! 同じだ! という共感はありつつ、子育て中でも自分の好きを見つめてあきらめない大藤さん。「好き」へのこだわりや強さを感じた取材でした。何週間もかけてコレだ!というモノを見つけるなんて、本当にすごいなあ。好きなことに集中する時間ってやっぱり大事。出産後チャレンジしていなかったアレやコレ、コサイトウも今度やってみようかな。
コサイトウ
コサイトの中に住む、サイのコサイトウです。 緑が豊かで、人があったかい調布が大好き!娘がもうちょっと大きくなったら「自分時間」も大事にしたいなあ。