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心も体も、子どもは日々成長しています。その成長を支えているのが毎日の食事。成長期だからこそ、心がけたいことはきっとたくさんあるはずです。そこで今回は、幼児期の食を提供している保育園の給食を通して、あらためて「子ども食」について考えてまいりましょう。
調布市内に5つの認可保育園を持つパイオニアキッズの給食には、さまざまなこだわりがあります。それはいずれも子どもの成長を支えるため。まずは取材当日の献立を見てみましょう。
サンマの塩焼き
鶏肉と大豆の切り干し大根煮
じゃがいもとかぼちゃのグリル
わかめ・冬瓜・舞茸の白味噌汁
おにぎり
フルーツ(すいか・ぶどう)
パイオニアキッズでは、食物アレルギーの子どももできるだけ同じように食事ができるようにという配慮もあり、卵・乳製品・小麦は使いません。またどちらかというと家庭では食べる機会が少ない魚料理を中心に和食の献立を提供しています。
「今日はかまどごはんの日なんです。園庭にかまどを作って火を起こして、今日はそこで子どもたちと一緒にサンマを焼きます!園庭で食べますので、ごはんもおにぎりなんですよ」(管理栄養士・めぐみさん)
あえてみんなで火を起こして、焼くという経験もセットでいただく食事とは、楽しそう!
「ま・ご・わ・や・さ・し・い」
ところでこのフレーズ、聞いたことがありますか? これは日本で伝統的に食べられてきた「和食」に使われる食材の頭文字をとって、覚えやすくしたというものです。
ま…豆類や豆腐、味噌など加工品など。良質なたんぱく質。
ご…ごまやナッツ類。ミネラルがたっぷり。
わ…わかめなどの海藻類。カルシウムなどのミネラルが豊富。
や…野菜全般。ビタミン、ミネラルが豊富。
さ…魚類。たんぱく質の栄養価が高くDHAやEPAなども含む。
し…しいたけなどきのこ類全般。食物繊維やビタミンDなど。
い…いも類全般。炭水化物、糖質、ビタミンC、食物繊維など。
パイオニアキッズの給食では、この「ま・ご・わ・や・さ・し・い」を常に意識して献立を作っているとのこと。
「子どもの身体を作る栄養素として欠かせないのはたんぱく質ですが、やはりいちばん大事にしているのはバランスです。何か1つだけ食べればよいというものではありません。いろいろな栄養素をバランスよく摂取するよう献立づくりをしています」(めぐみさん)
たとえばカレーライスの日はスープに魚を入れるなど工夫しているのだそう。家庭で日々「ま・ご・わ・や・さ・し・い」をパーフェクトに摂取するのは難しいことですが、ゆるやかにでも意識することで、自然と日々の献立のバランスが取れてくるかもしれません。たとえばきのこや海藻、野菜はお味噌汁に入れて具だくさんにするなど、工夫すれば意外にできそうな気がしてきませんか?
火を起こしてサンマを焼く
さあいよいよ火起こしが始まります。子どもたちが慣れた手付きで、かまど用のブロックを運びはじめました。ブロックで囲いを作り、中心に木っ端や炭、火付け剤にジュースの紙パックなどを重ね、その上に大きな金網を乗せました。
のりこ先生は火起こしの名人!重ね方にもコツがあるという木っ端類を手際よく重ね、火をつけます。そこからはひたすら団扇であおぎます。子どもたちもみんな全力で!
炎が安定してきたところで、めぐみさんがサンマを持ってきてくれました。一人半身ずつ。小さい子たちはしっかり骨を抜いた切り身ですが、年中、年長ぐらいになると骨付きでいただきます。
焼けています!美味しそうです!アルミホイルに包まれているのは、かぼちゃとじゃがいもです。
サンマは直火でガンガン焼いているので、丸焦げになってしまうのではないかと、見ている取材チームはハラハラしてしまいましたが、いらぬ心配だったよう。しっかりほどよく焼けました。
アルミに包んでグリルした野菜はどうなったでしょう。「そろそろいいかな?」とアルミホイルを開いてみると…湯気が立ち上りふわ〜っ!
「わ〜いいにおい!」
「じゃがいもだ!おいしそう!」
「ぼく、においでじゃがいもってわかる!」
「ふわ〜〜〜(うっとり)」
「ほかほかだ!」
一人ずつ鼻を近づけて匂いを嗅いで大喜び。楽しい体験と美味しそうな香り。子どもたちにはこんな経験こそさせてあげたいものです。決して難しく考えず、たとえば家庭でもパンをトーストする香り、炊きたての御飯の香り…香りだけでも一緒に楽しむと、親子で幸せな気持ちになれそうです。
「子どもにとって、食べることはお腹を満たすだけでなく、心の成長のためにも大切なことだと考えています。お友だちと一緒に、共感しながら食べる楽しさが大事だと思います」(めぐみさん)
食べてみたら「なーんだ食べられた」
魚、海藻、きのこ類…。パイオニアキッズでは毎日しっかり献立に入っている食材ですが、子どもたちに人気の食材とは言えないような…?
「全員がはじめから順調に食べてくれるわけではありません。本当に苦手な食材もあるでしょう。けれど、保育園で子どもたちと接していて感じるのは、『食べたことが無いから、食べたくない』という、いわゆる『食べず嫌い』が案外多いということです」(のりこ先生)
給食時、幼児さんたちは自分で食べたい量を自分で盛り付けます。だから当然のことながら、苦手なものには手を出そうとしません。そんなときはごく小さいかけら程度でも1つ、必ず盛り付けるよう促しているのだそう。そして、そのひとかけらが食べられたら全力でほめてあげます。
いったん食べることができると「なんだ、食べられるじゃん」という体験になり、すぐさまおかわりする子もいるのだとか。見た目が嫌で「減らしてください」と言ってきた子も、食べてみたらおかわりすることも。
「食べたことがない食材は、一口目を口に入れるまでが大変です。その日の気分や体調にもよります。だから保育園では『食べてみようかな』という気分にもっていけるムード作りを大切にしています」(のりこ先生)
どうしても苦手なものは、無理に食べさせないことも大事だといいます。どうしても匂いが嫌だったり、食べようとしてもオエッとなってしまうこともあります。
「じっくり時間をかけてゆっくり少しずつ食べられるようにしていくことを目指しています。だから今日食べられなくてもいいじゃない、また次の機会に食べてみようか、と。何よりも重要なことは、食事が楽しいこと、だと考えています」(のりこ先生)
食べる量と栄養バランス、咀嚼の関係
一人ひとりが食べる量は個人差があります。食べる量が少なめでも、身長と体重がバランスよく増えていれば気にしなくてもよいのだそう。
「数カ月間ずっと体重が増えない場合は食事を見直したほうがいい場合があります。たとえばお菓子をたくさん食べている子は日々お腹は満たされているものの、成長に必要な栄養素が足りていない可能性があると考えられます」(のりこ先生)
また、家庭ではたくさん食べているという子どもたちの中には、実はあまり噛まずにそのまま飲み込んでいる場合もあるのだそう。よく噛んで食べると味わうことはもちろん、満足感にもつながります。
「食べる量は多いけれど、実は咀嚼が十分ではないこともあります。噛まないとどうしても食べすぎてしまうので、やはり噛むことは大事。咀嚼は滑舌とも関係があり、よく噛んでいると滑舌もよくなると言われています」(めぐみさん)
身体にも滑舌にも大切な咀嚼を促すため、保育園では噛むことを促す献立を提供する「かみかみ月間」なども設けているそう。
「噛みごたえのあるメニューを、と思いたたきゴボウを出したことがあるのですが、人気がなくて(笑)。いろいろ工夫して甘味噌味のたたきゴボウにしたら、喜んで食べてくれるようになりました。玄米も週に2回ほど提供しています」(めぐみさん)
▲ワンプレートに盛り付けました。 写真のサンマは調理室のグリルで焼いたもの。 味噌汁もつきます。
今日はお外で「いただきます」
さて、子どもたちの食事が始まりました。かまどで焼いたサンマをみんな器用に食べています。
▲こちらはかまどで焼いたサンマ。焼き色がワイルド!
かまど調理の日は、外でテントを張ったり、どろんこ遊びをしたり…朝から夕方まで屋外で過ごすことが多いそう。
「栄養バランスよく、量もしっかり食べるだけでなく、身体づくりに大切なことは外の光を浴びて遊ぶことだと考えています。それが子どもの体力を育み、ますます元気に成長していく土台となるからです」(のりこ先生)
子どもの身体作りに欠かせない「食」。ただお腹を満たしていればいいというものではありません。とはいえ、毎日の食事作りは大変なこと。保育園の給食を参考に、みなさんのご家庭でもできそうなところから、子どもの身体づくりのために始めてみませんか。
パイオニアキッズつつじケ丘園
調布白雲福祉会が運営している、調布市の認可保育園です。つつじケ丘駅から徒歩3分という立地。建物は「おじいちゃん、おばあちゃんのおうち」をイメージした「和」の外装・内装。自然環境教育、食育にも力を入れています。