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コサイトウが行く!

第17回
考え方を変えた高齢出産。「あきらめる」から「やらないことを選ぶ」へ 和田美幸さん

2016年12月2日 公開

コサイトの住人、サイのコサイトウです。

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今回は、つつじケ丘在住の和田美幸さんにお話を聞いてきました。10年ほど続けた不妊治療の末、41歳で待望の女の子を出産。赤ちゃんとの蜜月を楽しんでいます。

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「ようやく授かった子なので、もうかわいくて仕方ないです♡」

辛い思いを何度も乗り越えて、ようやく会えたお嬢ちゃん。出産直後は幸せ絶頂のその一方で、新たな悩みに心が揺れていました。でも、今では自分の中で整理整頓ができて、すっきり解決したんですって!キーワードは「あきらめる」のではなく「やらないことを選ぶ」。前向きな気持ちになるまでの和田さんの心の動きとは、いったいどんなものだったのでしょう。

 

出産前後で大きく変わった生活スタイル

 

和田さんは、自宅で英語教室を開いています。

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幼児から中学生を対象とした教室のため、夕方から夜にかけてが仕事時間です。

 

「週5~6日、レッスンを開いていました。15時からスタートして、中学生を教えていた当時は22時までレッスン。その後も採点や事務作業をするので、寝るのはたいてい夜中の3時くらいでした」

 

起床もお昼近くの11時。食事にもあまりこだわらず、自分が寝たいときに寝て、起きたい時に起きる生活を続けていました。しかし、産後は赤ちゃんのペースに合わせた生活になるので、中学生のクラスをやめ、週3日ほどのレッスンにペースダウン。お嬢ちゃんの誕生を機に、健康的な生活リズムにがらりと変わりました。

 

「朝5時に起きられる自分に驚きました!ゆったりお白湯なんか飲んだりして(笑)人って変われば変わるんですね~。娘のおかげで、生活がとっても豊かになりました」

 

元々料理が好きだったこともあり、自炊する頻度も格段に上がりました。お嬢ちゃんの影響力がこれほど大きいとは…と、自分でも驚いているのですって。

 

大好きな仕事を続けるか?悩んだ日々

 

「きっとこの子が最後の子。だから成長をそばでしっかり見守りたい。でも仕事もしたい」

 

大好きな今の仕事を、子育て中はあきらめる?それとも、保育園に入れて、以前と同じペースで仕事をしていく?そんなモヤモヤに、つい最近まで悩まされていました。今回、私コサイトウが和田さんを直撃したのが、保育園入園申し込みがスタートする直前の11月。決断のタイムリミット間近のタイミングでした。結局、家族とも相談して考えた末、保育園には入れないことを選択。職業の特性上、仕事が始まるのが15時以降だということが、保育園を選ばなかった大きな理由です。

 

「15時以降の保育でよいのに、朝9時から長時間預けるとなると、娘にとって負担が大きいと考えました」

 

幸い、生徒の保護者たちの理解や協力もあり、幼稚園入園まではお嬢ちゃんを手元に置きながらのレッスンという、今のスタイルでやっていく見通しがたちました。

 

和田さんは「出産前に仕事の土台をしっかり築けていたので、これからの展望も見通しやすい」といいます。今は知識のインプットに力を入れて、幼稚園に行き始めたら少しずつ教室を広げ、小学校に入ったら一気にトップギアへ。現在はお嬢ちゃんがお昼寝している間に仕事を少しずつ進めるなど、自分にとってベストなバランスで育児と仕事をする毎日です。IMG_1746▶趣味のチョークアート作品(カフェを経営しているわけではありませんよ)

 

41歳の初めて育児 ホントのところ

 

2002年、27歳で結婚。3年後、不妊治療を開始しました。

 

「不妊治療って、やめどきが分からなくなるんです。次こそ授かるかもしれない、そう思うとあきらめきれなくて」

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10年治療を続けて40歳になったある日、ご主人と相談して「40歳で授からなかったら、子どものいない人生を選ぼう」と決めました。その最後の最後で、お嬢ちゃんがお腹にやってきたのです。過去には、死産という悲しい経験もしました。だからよけいに、エコーで心臓が動いているのを確認しては大喜びし、おなかの中で生きていると分かるだけで嬉しかったそう。

 

「今目の前に娘がいるのは、奇跡なんです。だから、細かいことは気にならなくなりましたね。この子が生きているだけで嬉しいです」

 

しかし、念願のママとなってからは、新たな不安が押し寄せてきました。

 

「育児をやっていく体力があるかな?」
「ママ友ってこわいのかな?」
「同じ月齢のママとだいぶ年が違うけれど、仲良くなれるかな?」

 

テレビドラマの影響もあり、子どもを介した交友関係「ママ友」に、何となくよくないイメージを持っていた和田さん。でも、それは杞憂に過ぎませんでした。

 

「子どもの月齢が同じくらいだと、成長過程も悩み事も似たり寄ったり。自分の年齢に関係なく、ママ友との会話はすごく盛り上がるし楽しいですね!」

 

職業柄、出産前から地域の先輩ママたちとのお付き合いがあったことで、「『友達作らなきゃ!』と気負うことなくママ友たちと知り合えた」と和田さん。地域の小児科情報や保育園、幼稚園情報、買い物情報など、生活に必要な情報は、英語教室を通じて知り合った先輩ママたちから教わりました。すでに小学生以上の子を持つ、同世代の友人や講師仲間から、洋服やおもちゃなどの育児グッズを譲ってもらえます。身近に一歩先を行く先輩がいるって、すごく安心感があるだろうなぁ。

 

一番の不安は、やはり体力面。お嬢ちゃんが20歳の時、和田さんは60歳を超えています。いまどきの60代は現役バリバリの元気な人が多いものの、少しずつ健康に不安が出てくるお年頃です。40歳を超えた今、体力の衰えも実感中。

 

「この子が大人になるまで、元気に生きていなくちゃ」

 

そんな思いで励んでいるのが、抱っこしながらの筋トレ!!

IMG_1758▶ママ、頑張って~!と思っているかな?

 

スクワットも欠かしませんよ~。

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お散歩も、たくさん歩くようにあえて遠回り。調布駅まで歩くこともあるそう。正直、長時間の抱っこも、寝たいときに寝られないのもきつい!これから、お嬢ちゃんもどんどん重たくなるし、動き回るようになるものね。ママもパワーアップしないとですね~。

 

思考のスイッチ

 

産後は、仕事のペースを落として子育てをする日々。これを「キャリアをあきらめた」と考えるか「今できることを選んでやる」と考えるかで、心持ちもだいぶ違ってきます。かつての価値観だとできないことはいっぱいあるけれど、今の価値観だと「それって本当にやりたいの?」と思えることも多かったといいます。

 

「30代の産む前に想像していた可能性と、40代となり産んだ後に見えた可能性は全く違いました。出産を機に、自分も生まれ変わって別次元にワープした感じですね。夜中まで仕事をしたい?保育園に娘を預けて、英語教室をすぐさま広げたい?いずれも答えはNOでした」

 

和田さんの考え方は、つい「子どもがいるから」とあきらめがちな私には、とっても参考になりました。例えば「都心のオシャレな雑貨屋さんに行きたいけれど、子連れではまだ厳しい!」と思った時の和田さんの解決法は、こんな感じ。

 

その1→調布の100均もオシャレなグッズを売っていると聞いたし、お散歩がてら見に行ってみよう。
その2→都心に住んでいる友人に買ってきてもらおうかな?

 

もともと「仕方がないからあきらめる」ということができない性分。どうにか自分の思いを叶える方法を探ると、もし叶わなかったとしても気持ちが楽なんですって。早速、真似してみようっと。

 

取材を終えて

 

「産む前に考えた可能性と、産んだ後に見えた可能性は全く違う」という言葉が印象的でした。仕事も子育ても自分の一部だから、関わり方を時と場合によって変えてバランスをとっていく。そして、周りの力を遠慮なく借りられるようになったのも、「年の功なのかもしれませんね(笑)」と和田さん。自分が置かれた状況を前向きに捉えているので、こちらも明るい気持ちになれました。
今の自分ができること、やりたいことって何かしら、うーん。そうだ、私は調布で子育て中の人の話をもっと聞きたい!これからも、たくさんの人に会いに行きたいと思います♪それでは、次回もお楽しみに。

執筆者

コサイトの住人、サイの「コサイトウ」です。パパと、3歳の娘の3人暮らし。自然豊かで、人もあったかい調布が大好き!娘がもうちょっと大きくなったら「自分時間」も大事にしたいなあ。

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