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マルガリタ幼稚園では年に2回、保育参観とともに、保護者を対象とした講演会を実施しています。今回のテーマは「乳幼児の性教育ってなんだろう?~おとなも こどもも 大切にしたいこと~」。講師は看護師・思春期保健相談師の藤野早織さんです。
会場の園内のホールには、たくさんの保護者が集まりました。

子どもの「思い」に耳を傾けよう
小児科で10年、保育園で12年の看護師経験を経て、現在はフリーランスとして、日々の暮らしの中にある性教育を届ける活動をしている藤野さん。思春期の娘さんと共通の「推し活」ができたことで家族の関係性が改善したエピソードや、実際に隣の人とお互いの推しの話をするワークを通して、自分の「好き」を大事にしてもらうことがまず性教育の出発点であると伝えてくれました。
「子どもの話に興味を寄せて、最後まで話を聞く。まずは子どもたちの気持ちを丁寧に聞くことが大切です」(藤野さん)
性は「心+生」
次に、性教育にどんなイメージを持っているか?「性」の字を使って思いつく二字熟語は何か?という問いかけがありました。
「『性』を辞書で調べると、『生まれつきの性質、生まれながらのあり方』という説明があります。性別や性的なことだけを指す言葉ではないんですよね」(藤野さん)

出生時の身体の特徴によって、身体の性は戸籍上決まりますが、心の性や好きになる相手の性、表現したい性(服装や一人称など)といった性のあり方はそれぞれです。
大人の私たちができることは、子どもたちが自分の体や心を大切にしながら、安全に、そして安心して自分らしく暮らすための土台をつくり、ありのままの「あなたが大切」という気持ちを届けること。
「男の子だから、女の子だからというような選択肢を狭める言葉よりも、『私は私のままでいい』と、その子の『好き』を認める性教育をしていきたいですね」(藤野さん)
ポイントは「バウンダリー」と「同意」
「バウンダリー」とは、自分の心と体の安心を守るバリア(境界線)のことを指します。境界線とはいっても目に見えないものなので、イメージしやすいように「家族、お隣さん、藤野さんとハイタッチができるか?ハグは?こちょこちょは?ほっぺをくっつけるのは?」を問うワークが行われました。
自分のバウンダリーは、相手によっても、気分によっても変わります。そして「この人ならハイタッチはOK」だったとしても、そのときに「同意」がなければハイタッチはNGです。ここでいう「同意」とは、自分と相手が同じ気持ちかを確認して、相手の「いいよ」をもらうこと。

「バウンダリーと同意の考え方はすぐに身につくものではありません。小さい頃から『あなたはどうしたい?』と聞き、同意を得るというプロセスを踏むことが大切です。そしてこれは今後の豊かな人生、パートナーとの性的同意にもつながっていきます」(藤野さん)
「私はこう思っているけれど、あなたはどうしたい?」という問いかけを日常的に行うことで、子どもは自分の気持ちを言い、相手の気持ちを聴く練習をします。「これは嫌だ」という気持ちも出てくるかもしれません。この時大事なのは、気持ちを否定しないこと。「あなたが嫌い」ではなく、「そのことをしたくない」という意味であると正しく捉えることが、自分を守ります。
「こうした経験の積み重ねが、自分を大切に、そして相手を大切にできる力を育みます」(藤野さん)
「カトリックには『神様はありのままの自分を受け入れてくださる』という教えがあり、藤野さんのお話に通じるところがあると感じていました。私自身も園生活の中で、ケガをした子どもを急いで連れて行って処置するというような、ついよかれと思って子どもに確認をせずに行動をしてしまうことがあったなと反省しています。日々の保育でも、子どもへの声かけと同意を大事にしていきたいと思います」(園長・近江谷先生)
コサイトのまち情報のページでは、園長先生へのインタビューやお弁当の時間の様子をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。




