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子育てお悩み相談室

第27回
身近なDV(ドメスティック・バイオレンス)、どこに相談すればいい?

2021年2月17日 公開

DV(ドメスティック・バイオレンス)で悩んでいる人が増えていると聞きます。どのようなケースがあるのでしょうか。困ったらどこに相談すればいいでしょうか。
(回答:調布市男女共同参画推進センター)

 

特別ではない、どの家庭でも起こる身近な問題

DVと聞くと、殴る・蹴るなどの身体的暴力を思い浮かべるかもしれませんが、機嫌が悪いと大声で叫んで物に当たる、子どもの面倒を見ずに一人でくつろいでいる、収入を全て管理し必要な費用を渡さない、「仕事に集中できないから出ていけ」と家から追い出す、「食べさせてやっているのだから感謝しろ」と責めることなどもDVに含まれます。

 

DVはごく「普通」の家庭でも起こる、とても身近なもの。相談機関を訪れる被害者の多くは女性ですが、たとえば、夫の昼食代だけ極端に少なくする、「男のくせに」となじる、夫の前で子どもに「お父さんのようになっちゃダメよ」などと言うこともDVに当たります。

男女共同参画推進センター通信「DVそれはとても身近なものです」
▲調布市男女共同参画推進センター通信『しぇいくはんずNo.49』ではDVの事例や相談先を紹介。ホームページでも閲覧できます。

 

DVには大きく分けて身体的暴力、精神的暴力、経済的暴力、性的暴力の4種類があります。

 

身体的暴力
たたく、殴る、蹴る、突き飛ばす、強くつかむなど。

 

精神的暴力(モラル・ハラスメント※)
大切なものを壊す、相手が悪いと思わせる、無視する、侮辱する、ネットに悪口を書くなど。
※相手の尊厳を傷つける言葉や態度で嫌がらせをすること。

 

経済的暴力
生活費を少ししか渡さない、ギャンブルなどで生活費を使い込む、相手にだけ働かせる、仕事を辞めさせるなど。

 

性的暴力
性行為を強要する、避妊に協力しないなど。

 

特に精神的暴力や経済的暴力は被害者が自覚しにくく、周囲の人も気づきにくいという特徴があります。

 

さらに最近では、子どもに暴力行為を見せる、子どもに配偶者の悪口を吹き込んだり言わせたりする、「子どもに危害を加える」と脅すなど子どもを利用した暴力や、GPSによる行動の監視、親戚や友人との関係を絶たせて孤立させるなどの社会的暴力も見られます。

調布市男女共同参画推進センター
▲調布市男女共同参画推進センターは国領の市民プラザあくろす内にあります。

 

DVに耐えることは、子どものためにならない

「自分が悪いのかな」とか「子どものために自分さえ我慢すれば」などと思わずに、つらいことや悩んでいること、モヤモヤしていることがあれば、問題の芽が小さいうちに相談機関とつながることが大切です。

 

DVを我慢することは必ずしも子どものためになりません。子どもの前でのDV「面前DV」は子どもの脳に悪影響を及ぼすと言われ、児童虐待にも当たります。

 

たとえば、父親から母親への暴力を日常的に目撃する子どもは常に緊張状態に置かれているので、ちょっとした物音に敏感に反応したり、自己表現を抑える、頭を壁にぶつけるなどの自傷行為をしたり、自分が「悪い子」だから両親が不仲であると思って自尊感情を失ったりします。また、自分の意思を通すために暴力を使うことを学習した結果、子ども自身も同じような行動をしてしまうことも。親子ともどもPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥り、安全な状態に落ち着いてもフラッシュバックなどの症状に悩まされるケースもあります。

調布市男女共同参画推進センター図書コーナー
▲男女のさまざまな生き方や悩みについて考える本や情報誌が並ぶ、調布市男女共同参画推進センターの図書コーナー。貸し出しも行っています。

 

「つらい」「おかしい」と感じたら、一人で悩まないで

女性が気軽に相談できる窓口として、調布市男女共同参画推進センターでは5種類の女性相談(生きかた、法律、働く女性の人生、ヘルスケア、仕事&生活サポート)を予約制で行っています。それぞれ外部の女性専門家が無料で相談に応じていて、1歳から就学前までのお子さんの一時保育(センター内にある専用保育室で保育士が預かります)も利用OK。子どもを預けている間に、じっくり相談することができます。

 

DVに関する相談としては、女性カウンセラーが対応する「生きかた相談」や女性弁護士が対応する「法律相談」があります。夫婦関係がうまくいかない、離婚したいけれど経済的な自立に不安がある、ひとり親家庭になった場合のこと、成人の家族間におけるDVなどについても相談が寄せられていますので、一人で抱え込まず、どんなことでもご相談ください。

 

調布市男女共同参画推進センターでは相談はお受けしていますが、被害者への直接的な支援や一時保護は行っていません。緊急の場合や直接的な支援がすぐに必要と判断される場合には、事務局から調布市や東京都などの適切な窓口をご案内しています。また、DVと児童虐待が同時に行われている場合は、「虐待防止ホットライン」を設けている調布市子ども家庭支援センター「すこやか」と連携して対応することもあります。

 

実際には、話すことによって気持ちや問題を整理できることもあります。秘密はしっかり守られますので、一人で悩まず気軽に相談してください。DVやデートDVについての冊子やDV相談先のカードなど

 

身近に困っている人がいたら声をかけて

調布市男女共同参画推進センターでは「DV それはとても身近なものです。」と題したセンター通信を作成しました。DVの具体例や支援の流れ、相談先などを分かりやすく紹介した冊子で、センターのホームページでPDF版を公開しています。相談先を記載したカードもあるので、身近に悩んでいる人がいたら教えてあげてください。相談時間や空き状況はホームページで確認できます。各種DV相談機関のリストも掲載しています。

 

また、中学生・高校生を含む10代、20代の若年層の間で起きている、交際相手による心と体への暴力「デートDV」についての相談先なども紹介しています。詳しくは下記のページをご覧ください。

 

しぇいくはんずNo.49「DV それはとても身近なものです。」PDF版
男女共同参画推進センター「女性のための相談」
各種DV相談機関リスト
デートDVについて詳しく知りたい・相談したい

▲調布市男女共同参画推進センターの田中美佐さんと井上祐介さん。中央のアマビエは「女性に対する暴力をなくす運動週間」にちなみ市民の協力により作られたもの。「パープルリボン」は女性に対する暴力根絶のシンボル。

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