共働き家庭などでお子さんが小学校入学を控えているご家庭では、入学後の「放課後の過ごし方」を検討されていることでしょう。
学童クラブを利用するのが一般的ですが、両親ともに働く家庭が増えている今、小学生になった子どもたちの「放課後の居場所」は学童クラブ一択ではなく、実はいくつかの選択肢があります。
調布市では、学童クラブをはじめ、各小学校に併設されている放課後子供教室「あそビバ」や、市内11カ所に点在する児童館など、小学生が利用できる放課後の居場所を提供しています。とはいえ現状は主に「学童クラブ」へ利用が集中(市内でも地域によって状況は異なります)。緊急対応として令和6年度も従来の定員枠を増やしたり学童クラブを新設するなどして対応する予定です。
そこで調布市では、学童クラブだけでなく、あそビバや児童館などを状況に応じて活用することも積極的に提案しています。まずはそれぞれの施設がどのようなものか、調布市子ども生活部児童青少年課の宍戸さんと藤井さんにお話を伺いました。
放課後子供教室「あそビバ」とは
すべての調布市立小学校にそれぞれ設置されている放課後子供教室(旧・ユーフォー)は、令和5年度から名称が「あそビバ」へと変わり、内容も一新されています。放課後子供教室とは、保護者の就労の有無に関わらず子どもが利用できる放課後の居場所のこと。登録すれば無料で利用することができます。
「学童クラブはいわゆる『生活の場』ですが、あそビバは『自由な遊び場』。保護者が就労していてもしていなくても、放課後の居場所として子どもたちが自由に出入りできるというものです。原則として職員は見守り、ときには一緒に遊んで過ごしています。しかし、自由な遊び場というだけでは場としての魅力が足りないとも感じてきました。そこで令和5年度からは名称を変更するとともに、新たに地域など外部からの協力も得て、多様な体験プログラムを提供することになりました」(宍戸さん)
あそビバは、各小学校の中(一施設は学校施設外)にあるので外部の施設に移動する必要がない、安心安全な子どもたちの居場所です。
「夏、冬、春の三季休暇中には昼食を持参することもできますので、両親が就労しているご家庭でも利用が可能です。『入退室管理システム』を導入していて、子どもが入退室時に自分のカードを専用のリーダーにかざすと保護者あてにメールが届きます。お子さんの帰宅時間などの見当をつけられるなど、保護者のみなさんにとっては安心につながるのではないでしょうか。また、このシステムを使って、あそビバで行われるイベントのお知らせも一斉メールでお送りするなど、保護者のみなさんとの情報共有も積極的に行っています」(藤井さん)
「あそビバ」は、通常の利用は17時まで(月〜土曜日)ですが、市内の一部施設(※)では平日18時まで開設。お子さんの生活、習い事、民間学童などを上手に組み合わせて利用している方が少しずつ増えています。
※18時までの開設は第一小、富士見台小、滝坂小、深大寺小、若葉小、緑ケ丘小、多摩川小、柏野小、調和小。
令和5年度からより楽しく、ワクワクする場へと変わりつつある「あそビバ」も、選択肢の一つとして検討したいところです。
「例えばスポーツや科学実験、プログラミングなど外部講師によるイベント実施も積極的に実施する予定です。すでに実施している工作教室では、実際に制作した作品を『合同展覧会(たづくり南ギャラリーで開催)』に展示するなど発表の場も設けています。子どもたちが『楽しい』『行きたい』と感じてもらえるような運営を目指しているところです」(藤井さん)
「学童クラブとは違い、保護者同士の交流や職員との面談などはありません。登録している子どもたちであれば、開室時間中の出入りは自由で、習い事の後に来ることもできます。さまざまな面で学校とも連携しやすいというメリットがあります。保護者の就労状況によっては、あそビバのほうが使いやすいケースもあると思います」(宍戸さん)
学童クラブは、利用者急増に伴い暫定的に定員を増やして対応していますが、あそビバはまだまだ利用が少なめ。子どもたちはゆったりと自由に過ごしています。天気のよい日は広い校庭で思い切り身体を動かして遊ぶこともできるのもあそビバの魅力!
市内各小学校に併設されている各あそビバの情報は、あそビバ一覧(令和5年度からはあそビバ)で詳しくチェックしてくださいね!
学童クラブとは
働く親の助けとなり、伝統的に利用されているのが学童クラブです。学童クラブは職員さんや子どもたち同士の自由遊びを基本としつつも、集団生活、活動を中心に過ごし、週3回午後5時までの利用が必須。いわば保育園の延長線にある「生活の場」です。
「学童クラブは、主に保護者が仕事等で帰宅が遅くなるご家庭に向いています。保護者同士の交流事業、保護者面談も行われています。子どもたち、保護者、職員同士の関わりが深く、子どもたちの成長を共感、共有できるところも魅力だと思います」(宍戸さん)
子どもの「遊び」が広がる!児童館
全国的には児童館が統合・縮小されつつある中、調布市内には11の児童館があります。調布市の児童館には「遊びを指導する者」として研修を受けた有資格の専門職員が配置され、実にさまざまな企画、イベント、遊びの提案を行っています。
児童館は原則としていつでも、だれでも利用できる施設。おやつや遊び道具も持ち込みができ、乳幼児から中高生、大人まで多様な人達との関わりが持てる場でもあります。
「児童館の職員たちは子どもたちが楽しく遊べるような企画を日々考えています。お泊り会は多くの児童館でやっていますし、今年は久しぶりに『ウルトラキャンプ』も実施しました。ウルトラキャンプとは児童青少年課が主催し、小学5年生から中学生までの子どもが対象のキャンプ。8月に長野県南佐久郡川上村に二泊三日で行ってきました。今年は56人の子どもたちが参加してくれて、大変楽しい時間を過ごすことができました」(宍戸さん)
児童館は関係者が知恵を絞り、子どもたちが楽しめる企画をたくさん考えてくれています。
コロナ禍でしばらく開催が見送られてきた「児童館まつり」も、昨年から再開。令和5年度も9月から各児童館で盛大に開催されています。(写真は過去開催の様子 写真提供:児童青少年課)
9月30日には深大寺北町にある「ブランチ調布」を会場に「ブランチ調布フェス2023 出張児童館deまなぼーはん」も開催され、市内の一部児童館も参加。多くの来場者が訪れていました。
児童館も「放課後の居場所」として
自由度が高く、多様な遊びの場となっている児童館やあそビバを上手に利用している家庭もあります。
「あそビバに登録しておき、友達と約束がある日は児童館へ。週何回かは習い事に通ったりしながら放課後を過ごしているお子さんもいます。小学校に入学してすぐは心配もあるかもしれませんが、入退室管理システムを導入したあそビバに登録し、慣れてきたら児童館も並行して使うという選択肢もまた一つです。ぜひ、保護者の方の働き方やお子さんの状況に応じて、放課後の過ごし方をあらためて考えていただけたらと思います」(栗原さん)
それぞれのご家庭の事情に応じて、子どもたちの放課後の居場所もいろいろ。ぜひそれぞれの過ごし方を検討してみてくださいね。