2024年11月、京王線柴崎駅から徒歩3分ほどのところにオープンしたPK Labo。かつて喫茶店があった場所をほぼそのまま活かす形で誕生した、未就学児親子のためのコミュニティスペースです。作ったのは社会福祉法人調布白雲福祉会(調布市内に6つの認可保育園パイオニアキッズ、プレイセンターちょうふ、プレイセンターせんがわを運営)。

通りに面したテラスには、毎週水曜日になるとたくさんの木製おもちゃが並べられ、午後から夕方にかけて、たくさんの親子が利用している姿を見かけて気になっているという方も多いのでは?

3つの事業で「子育て」を応援
2025年5月現在、PK Laboでは主に3つの事業が行われています。一つは主に寄付された木製のおもちゃを貸し出す「トイライブラリー」。保育園の栄養士が講師を務める離乳食教室「ベビーフードバー」。そして子育て中の方がふらりと立ち寄り、おしゃべりを楽しんだり、ときにはイベントも開催する「コミュニティータイム」です。
スタッフはいずれも外国にルーツを持つGJさんとMichikoさん夫婦。GJさんは日本語が「あまり得意ではない」とのことで、英語と日本語両方でコミュニケーション。Michikoさんは日本語を理解できますが、どちらかというと得意なのは英語!(だからPK LaboのSNSは英語で発信されているのです)とても気さくで楽しいお二人ということもあり、子どもたちが自然と英語に触れる機会になっています。
学生時代はアートを学んでいたというお二人は、調布白雲福祉会が運営する保育園、パイオニアキッズでは「英語アート」の時間も担当しています。PK Laboの壁面を飾るおもちゃや、フライヤー類からも、彼らのアートセンスが伝わってくるようです。
サスティナビリティ――あるものをそのまま使う
PK Laboのトイライブラリーには、たくさんの良質な「木製のおもちゃ」が用意されていますが、実はそのほとんどは「寄付」されたもの。家庭で不要になったものを寄付してもらえれば、より多くの子どもたちが遊べます。また、施設内のおしゃれな装飾も極力お金をかけず、使えるものは使おうという考え方を徹底しています。
サスティナビリティ」という考え方は、決して新しいものではありません。おそらく私達の祖父母世代やそのもっと前から、生活の中に根付いているはずです。PK Laboは、トイライブラリー(おもちゃの貸し出し)などの活動を通して、そこに来る親子が、ごく自然な形で「持続可能なライフスタイルを体感できる場」でもありたいと考えています。
再利用も徹底しています。たとえば、子どもたちに貸し出すおもちゃは、端切れの布で作った袋やバッグに入れてあります。可愛らしいガーランドや、おしゃれな造花も、端切れやラッピングで使われていた包装資材の再利用。でも、どれもとても魅力的!スタッフのGJさんとMichikoさんが楽しみながらアイデアを出し、次々と形にしています。そして、できるだけゴミを出さない…そんな「クリエイティブなサスティナビリティ」がここにあります。お二人が持続可能なライフスタイルを楽しむ姿は、利用する子どもたちにもきっと伝わるはず!

さて、もう少し施設の中を見てみましょう。
入口を入ると右手には洒落たカウンターがあります。実はかつて喫茶店だった頃に使われていたカウンターやキッチン、テーブルやシートなども、ほぼ何も変えることなく再利用しています。
このカウンターがまるで「バー」みたいだね、ということから、毎週月曜日の離乳食教室は「ベビーフードバー」と名付けられました。新しく何かを作るのではなく、今ここにあるものからヒントを得て、事業が広がっていくのも、PK Laboならではのサスティナビリティの考え方が根底にあるからですね。
オープンして半年ほどの2025年5月現在、利用する人たちのほとんどはパイオニアキッズ柴崎園の園児とその保護者たちですが、それはたまたま同じ建物内にあるから。広く地域のみなさんに利用していただける「子育て支援拠点」です。毎週木曜日は、地域の親子が自由に出入りできる「コミュニティー(tea)タイム」を実施し、地域の人たちが利用できるよう、今後はいろいろなイベントも仕掛けていく予定。
地域の未就学親子ならどなたでも大歓迎というPK Labo。次回コラムではそのメイン事業、木のおもちゃの貸し出しを行う「トイライブラリー」の様子を詳しくご紹介しますので、お楽しみに!

京王線柴崎駅から徒歩3分ほどのところにある、子育て支援の拠点です。定期的に、木製おもちゃなどを貸し出す「トイライブラリー」、栄養士による離乳食講座「ベビーフードバー」、子育て中の人たちの交流の場「コミュニティータイム」を実施しています。