2016年9月から始まった「ゆりかご調布」事業。妊娠届を提出し、保健師による面接を受けるとギフトがもらえるということで話題になっています。
ギフトも気になりますが、肝心な「面接」とはいったいどのようなものなのでしょう。コサイト編集部が実際に面接を行っている様子を取材しました。
12月のある日、ご夫婦と2歳になる息子さんの3人で保健センターに「母子健康手帳」を受け取りに訪れたKさん一家。窓口で妊娠届を出しに来ましたと伝えると、常駐している保健師さんが対応。家族揃って面接することができました。
さて、まずは「妊娠届出書」に必要事項を記入。
続いて「ゆりかご調布面接質問表」に一つ一つじっくり考えながら記入していきます。質問事項は妊娠したことについて今の気持ちや体調、既往症や家族のこと、妊娠出産について相談、協力してもらえる人がいるかどうかや転居の予定などについてひとつひとつ確認しながら書いていきます。
Kさんは二人目の妊娠ですが、初産とは違う悩みがあるのだそう。面接では「出産時に上の子の預け先」や産前産後に使えるサービスについて紹介してもらいたいとのことでした。
「息子一人の子育ては何とか慣れましたが、二人目子育ては未知の世界。ちょうどイヤイヤ期の息子が出産後どうなるかなど心配だらけです」(Kさん)
「またイチから始めると思うと…不安はありますね」(ご主人)
2回目の出産でも心配事は尽きない様子です。
この日面接を行ったのは保健師の粂谷奈緒子さん。一つ一つ状況を丁寧に聞き取っていきます。Kさんの息子さんがぐずりかけたところで、さっとおもちゃを持ってきてくれるなど、子育て家族への配慮も。
「夫婦ともに両親にはあまり頼れない状況なのですが…」(Kさん)
そんな質問に対して、粂谷さんは認可保育園で実施している一時預かり、ファミリーサポートセンターの登録、子ども家庭支援センターすこやかで実施している「ベイビーすこやか」など利用できるサービスを一つ一つ丁寧に紹介。
「相談内容はさまざまです。それぞれの不安や気がかり、ご家庭の状況に応じて、必要な情報提供を心がけています」(粂谷さん)
ひと通り相談が終わったところで「母子健康手帳」と「母と子の保健バッグ」が登場。東京都内で使用できる妊婦健診の受診券などが入っている大切なセットです。
所要時間はおよそ30分。最後にお待ちかねのギフトを受け取って終了です。ギフトに入っている絵本は4冊から選ぶことができるというもの。
「えーと、やっぱり車の絵本ですよね…」
あれ、それって息子さんのため?
「あ、この絵本はお腹の赤ちゃんのために選ぶんでしたね!」とあらためて新しく宿った命のために選び直していました。
「二人目だからこその不安がいっぱいでしたが、一つ一つ説明を伺って、具体的なイメージが湧いてきました。面接できてよかったです」とKさん。
今後、何か心配事があったらいつでも「連絡できる」という安心感にもつながったようでした。
「ご連絡いただいたら、それぞれの地域担当の保健師がご相談に応じます。どんな小さなことでも、いつでも気兼ねなくご相談くださいね」(粂谷さん)