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いっしょに育て隊

第51回
WEB版調布私立幼稚園入園フェア2021
調布私立幼稚園入園フェア2021スペシャル座談会

2021年6月28日 公開

調布市内には魅力的な幼稚園がたくさんあります。でも、小さい子どもを連れて説明会や見学会に参加するのは一苦労。ある程度希望の園を絞り込むためにも、事前に少しでも情報がまとまっていたらいいな…。

 

そんな思いから2017年にスタートした「調布私立幼稚園入園フェア」も今年で5回目。昨年同様コロナ禍ということもあり、2021年もWEB上で開催することにいたしました。

 

今回はスペシャル企画として、参加幼稚園の園長先生がたによる座談会を行いました。それぞれの「幼稚園教育」にかける思い、何より園児さんたちへの深い愛が感じられる言葉の数々をぜひご一読ください。

 

■座談会参加幼稚園の先生がた

調布多摩川幼稚園 増田昭一先生
駿河台大学第一幼稚園 田所恒子先生
調布若竹幼稚園 金子剛先生
晃華学園マリアの園幼稚園 須崎奈穂美先生

幼稚園で行っている「教育」とは

 

コサイト 最近は共働きの家庭が増え、保育園を利用する家庭が増加しています。とはいえ、幼稚園でも「預かり保育」が充実してきており、働き方の多様化とともに「幼稚園入園」を検討するご家庭も少なくありません。幼稚園は就学前のお子さんが通う「学校」であり、教育の場ですよね。そこで今日は、みなさまの園で行われている「教育」について語り合っていただきたいと思います。

 

増田先生 たとえば調布多摩川幼稚園では、その日一日子どもたちがどんな様子だったかを振り返り、次の日の保育内容を決めています。慣例的に「保育」という言葉を使うことが多いのですが、実際に行っているのは「教育」なのです。たとえば「◯◯ちゃんは、こんなことに興味を持っているみたい」「今日は泣かずに頑張っていたね」など、子どもたちの様子を職員全員で共有し、話し合った上で、次のめあてを決めている…うちの園ではそこをすごく大事にしています。それだけ時間もかかりますが、子どもたちの学びにどうつなげていくかを常に考えています。

▲調布多摩川幼稚園の増田昭一先生

金子先生 調布若竹幼稚園も、一日の振り返りや翌日の準備を丁寧に行っています。保育時間中はもちろん全力で子どもたちに向き合っています。けれど翌日の準備のための話し合いや準備にもどうしても力が入り、時間を要することも多いです(笑)。その日の子どもたちの様子を見て、次の日の計画を立てる…そこに時間をたっぷりかけることができるのが、幼稚園ではないかと思います。

▲調布若竹幼稚園の金子剛先生

須崎先生 晃華学園マリアの園幼稚園の先生たちも、同じように子どもたちのことをとてもよく見て、考えていると感じています。うちの園では在園児の多くが晃華学園小学校に内部進学します。一般入試で入って来るお子さんたちと一緒に、困ることなく過ごせるようにと、在園中から少しずつ小学校進学に向けた準備をしています。けれどそれは決して「小学校教育の前倒し」ではありません。大切なことは、学習のベースを作ること。たとえば新しいことに臆せず取り組む姿勢だったり、諦めない粘り強さだったり。そのような力を育てることで、小学校への接続もスムーズになると考えています。

▲晃華学園マリアの園幼稚園の須崎奈穂美先生。

コサイト それぞれの幼稚園では、子どもたちの育ちや学びのために様々な工夫をなさっているのですね!

 

田所先生 駿河台大学第一幼稚園では「愛情教育」を教育理念として、一人ひとりの個性を大切にしながら可能性を伸ばす「教育」を行っています。3年間の指導計画をもとに、子どもたちが「やってみよう」と遊びや生活に主体的に取り組みながら、生きる力の基礎を育み、小学校教育にスムーズに移行できるよう育てています。特に集団の中でいろいろな友達と接し、自分の力を発揮したり、一緒に考えたり、時には折り合いを付けながら、一緒に成し遂げていく経験を大切にしています。

▲駿河台大学第一幼稚園の田所恒子先生

コサイト 幼稚園ではしっかりと考えられた「教育」が行われているのですね!

 

田所先生 はい、先生たちは、遊びや生活が、子どもたちの確かな学びにつながるように、その日の遊びの様子や子どもたちの学びについて振り返り、長期の見通しの中で、次にどのように「教育」していったらよいかを考え、教材の準備や指導の工夫をします。教員の指導力を高め、さらによい「教育」を目指すために園内研究も行っています。

 

「遊び」の中にある学び

 

コサイト 先生方のお話を伺っていると、幼稚園ではたくさんの工夫と努力のもと教育が行われていることがわかります。とはいえ幼児期の子どもたちですから、基本は「遊び」。遊びをどのように学びにつなげていらっしゃるのでしょう?

 

増田先生 僕は、遊びの中の学びとはつまり「問い」と「答え」だと考えています。遊びは子どもが選ぶもので(もちろん職員が準備する場合もありますが)、子どもたちは遊びの中で「なぜ」「どうして」という疑問を持ち、自分で体験しながら「答え」を見つけていきます。そのプロセスが「学び」なのです。考え、達成したいと粘り強く頑張る…いわゆる非認知能力の育ちにつながるのが「遊び」だと思います。

 

須崎先生 今は小学校でも教科にとらわれない横断的活動が推奨されています。私は昨年春に同じ学園の小学校からこの幼稚園の園長に就任したのですが、幼稚園での「遊び」こそが横断的活動を実践できていると実感しています。自由な遊びの中には理科や社会、国語、算数などの教科的な要素が含まれていますし、子どもたちはそれぞれが好きなことを楽しんでいます。年長ぐらいになると、ルールのある遊びもできるようになり、興味関心も変わっていきます。マリアの園幼稚園では、子どもたちの「やりたい」気持ちを大事にしながら、同時に「こんな遊びもあるよ」と提案し、子どもたちの成長発達の手助けをしていきたいと思っています。

 

保護者の皆さんと「いっしょに育てたい」

 

コサイト 幼稚園は保護者との関わりも多いですよね。

 

金子先生 わが子を幼稚園に入園させるとき、保護者の皆さんも最初はどこか不安を感じていると思います。何しろ初めて社会に送り出すわけですからね。うちの園では不安を感じている保護者の皆さんに対しては、たとえば「今日◯◯ちゃんは、こんな様子でした」など、必要に応じてできるだけきめ細かくお伝えするようにしています。何ていうか、保護者のみなさんと幼稚園は一緒に子育てしているという意識が強く、同時に私達職員も日々育てていただいていると感じています。

増田先生 一緒に子育てをしている、という点ではうちの幼稚園も同じです。保護者支援の一環で預かり保育も行っていますが、幼稚園の預かりは教育という視点を持っているので、保育園とはまた違う面があるかもしれません。何より大事にしているのは「子どもの育ちを園と保護者が共有すること」です。

 

田所先生 共働きの方に限らず、介護や学校行事などいろいろな事情で預かり保育を使用している方がいらっしゃいます。核家族化の中で、保護者だけでなく、子どもたちにとっても異年齢で過ごす預かり保育は貴重な体験です。子どもたちが健やかに育っていくためにも、このような支援は大事ですね。

 

須崎先生 うちの園でも預かり保育の利用は多いと感じています。それだけニーズがあるということですね。保育園から転園する方、ご自身の病気やご両親の介護など理由はさまざまですが、私たちの園でも家庭との連携を特に大切にしていきたいと思っています。

 

金子先生 調布若竹幼稚園でも預かり保育を実施しています。実際、うちの幼稚園でも預かり保育導入前に「預かりがあれば通わせたかった」というお声がありました…今や必須の時代になったと言えます。

 

コサイト 今日お集まりの4園は、いずれも幼稚園教育の魅力をそのままに、預かり保育を行っているということですね!さて、そろそろお時間となりました。最後に先生方から一言ずつお願いします!

 

田所先生 調布市内でも共働きのご家庭が増えていますが、預かり保育を活用することで、幼稚園と一緒に子育てを楽しむ喜びも、働く楽しみも感じていただけたらと思います。また、本園では、お母様方だけでなく、お父様にも子育ての喜びを一緒に味わえるようにと「お父さんと遊ぼう会」を行っています。私は、園と保護者が一緒に手を携えて子育てを楽しむこと、子どもの育ちを共有することを何より大事にしていきたいと思っています。

 

須崎先生 私も田所先生と同じ思いです!家庭と幼稚園が協力してこそ、子どもたちの育ちがより良いものになると思うのです。私達の園ではとにかくご家庭との連絡を密に行っています。保護者の皆さんに、少しでも安心していただけたらと思います。

 

金子先生 幼児期の子育ては手がかかり、とても大変な時期ですよね。だからこそ、幼稚園としては保護者の皆さんとその大変な時期を一緒に楽しめるようにしていきたいと願っています。

 

増田先生 子どもはマニュアル(取り扱い説明書)を持たずに生まれてきますよね。私達はどちらかというと説明書のある生活をしているだけに、子どもは大変ですごく煩わしいものだと感じます。でも、だからこそそこに手をかけることが大事なんです。

 

コサイト 子どもには取り扱い説明書が無い!だから大変!

 

増田先生 そう。だから幼稚園の教育は子どもの様子をしっかり見て、丁寧に作っているんです。

 

コサイト 子育ては予定どおりには行かないし、難しいもの。幼稚園の先生がたと一緒に、時には助けてもらいながら子育てを楽しめたらいいですね。

 

 

WEB版調布私立幼稚園入園フェア2021では、各幼稚園を編集部が取材し、独自にご紹介動画を制作しています。各園の動画は下記のリンクからご覧いただけます。園長先生が直々に登場し、園の魅力を語ってくださっていますし、子どもたちの様子もたっぷりとご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

晃華学園マリアの園幼稚園 
駿河台大学第一幼稚園 
調布多摩川幼稚園 
調布若竹幼稚園 
調布白菊幼稚園

 

撮影/楠聖子

撮影協力/カフェaona

執筆者

WEB版調布私立幼稚園入園フェアにご参加くいただいている4園の園長先生がた。それぞれの幼稚園には個性がありますが、いずれも子どもたちのことを一番に考え、日々きめこまかい「教育」を行っています。

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