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子育てお悩み相談室

第23回
「学校に行きたくない」と言われたら(後編)登校しぶり・不登校になってしまったら 

2020年7月28日 公開

ある日突然、子どもが「学校に行きたくない」と言いだしたら一体どうしたらいいのでしょう。前編に続き、調布市教育委員会指導室の皆さんに伺いました。

 

不登校の初期段階は子どもの「心のエネルギー」の状態を見る

「学校に行きたくない」と言う子どもに対して「さっさと行きなさい」と行かせていいのか、「休んでいいよ」と簡単に休ませていいのか。その判断が後に影響すると思うと親としてはとても悩むところ。相談するにしても、どの段階で相談したらいいのでしょうか。

 

「行きしぶりの初期段階に、学校側がお子さんの細かい状況を把握するのは困難です。調布市としては、学校と保護者が一緒に取り組んでいくよう働きかけます。

 

私たちは元気や意欲のもとになるものを『心のエネルギー』と呼んでいます。子どもが学校に行きたがらなくなったら、まずは心のエネルギーの状態を確認しましょう。たとえば朝、家を出る前にだるそうな様子を見せる、身の回りの支度にいつもより時間がかかる、ランドセルを背負っても靴を履くまでやたらと時間がかかる、大きなため息をついてから登校するなどは、心のエネルギーが減っているサイン。

 

サインをキャッチしたらその子の心のエネルギーの状態を確認します。『(学校に)行きなさい』という命令口調ではなく『頑張って行っておいで、大丈夫だからね』とやさしく促し(登校刺激を促す)、お子さんの反応を見ます。それだけで頑張って登校できるなら心のエネルギーの消耗度は軽度、過度なイライラや不安が出てくるようなら休養をとって心のエネルギーを蓄えたほうがいいなどと判断するのです」(西川さん)

不登校, 登校しぶり

「やさしい声掛けによって頑張って学校に行ける場合でも、月に1、2回は休める日を作ることも時には必要です。ゆっくり休んで心のエネルギーを充電できたら『また明日から大丈夫ね』と促してみましょう。同時に、なぜそのような状況になっているのかを学校と一緒に探っていきます。原因は1つとは限りません。さまざまなことが重なって、まるでコップの水が溢れるように辛さを受け止めきれず、学校に行けなくなることもあるでしょう。また、『原因』が解消したからといって翌日から登校できるとも限りません。

 

傷ついた心を癒やすためには、心理状態などを慎重に見極め、何ができるかを考える必要があります。たとえば、先生や友だちとの関係はどうか、休んだほうがいいのか、気分転換が必要なのか、励ます言葉をかけていいのか……。頑張りすぎて、心のエネルギーが急にガタンと落ちてしまう子もいますので、無理は禁物です」(西川さん)

 

専門的なアドバイスや学校と上手に連携するためのサポートが得られるのは、保護者にとって心強いこと。もし子どもが学校に行きづらそうだと感じたら、こじらせてしまう前に、早い段階から相談して関わっていただくことが大切ですね。

調布市教育相談所

 

学校の実情を知っているからこそ寄り添える

教育支援コーディネーターのところには、「ちょっと話を聞いてほしい」と、どちらかというと気軽な感じで相談に訪れる方もいらっしゃるそう。意外なところから解決の糸口が見つかる場合もあります。

 

「保護者と不登校のお子さんが一緒に来た際に、話の流れで『勉強を見てあげるよ』と言ったことがあります。するとしばらくの間、家でやった勉強を定期的に見せに来てくれるようになりました。学校には行けないけれど相談には来てくれる。そのたびに話を聞くなどして関係を深めるうちに、やがて少しずつ学校に行けるようになりました。

 

3人の教育支援コーディネーターは全員が校長経験のある元教員です。お子さんが苦しんでいる状況や、それに対する学校の対応なども、元教員として両者の実情を知っているからこそ、子どもたちに寄り添えると思っています」(藤倉さん)

調布市教育相談所だより
相談先などが記載されている教育相談所だより。調布市ホームページからも閲覧できます。

 

目指すゴールは子どもの「社会的自立」

抱きがちな不安として、「相談しても思うようにいかないケースもあるのでは」とか「このまま学校に戻れなかったら見捨てられてしまうかも」と心配する方もいるはず。そもそも学校に戻ることだけがゴールでもないという考え方もあります。調布市としては、どのような考え方に基づいて支援を行っているのでしょう。

 

「私たちは子どもの『社会的自立』のための支援を目標としています。調布市には、不登校だった中学生が元の在籍校から転学して通う『調布市立第七中学校 はしうち教室』や、在籍している小学校への復帰に向けた指導などを行う適応指導教室『太陽の子』があり、学校に通うための取り組みを行ってはいます。とはいえ不登校については学校に戻ることだけをゴールとしているわけではありません。

 

調布市では不登校対策の一環として、東京学芸大学と連携して『メンタルフレンド』や『テラコヤスイッチ』という事業も行っています。『メンタルフレンド』では、不登校の状態にある小中学生のお子さんの心の支えになるよう、比較的年齢の近い大学生を自宅などに派遣して、お兄さん・お姉さん的な役割で関わり、話し相手になったり一緒に過ごしたりします。『テラコヤスイッチ』は不登校の中学生を対象に学習のきっかけづくりや小集団で過ごすことを目的とした活動で、週に1回2時間ほど、中学生たちが大学生スタッフと一緒にゲームをするなどして楽しく過ごしています。

 

『メンタルフレンド』は1対1の関係ですが、『テラコヤスイッチ』は小集団での活動なので横のつながりが生まれます。不登校の状態にあるお子さんが社会へ踏み出す第一歩として、『テラコヤスイッチなら参加してみよう』と週に1回出かけて、横のつながりを育みながら心のエネルギーを充電していけるといいなと思っています。

 

調布市では子どもたちの多様性を認めつつ、社会的自立のために、心のエネルギーのさまざまな充電方法を提供していきたいと考えています」(西川さん)

調布市教育会館

 

悩みを抱える保護者が集う機会も

調布市教育会館で定期的に開催されている「学校に行きづらい子どもの保護者の集い」とは、どのような会でしょうか。

 

「東京学芸大学の松尾直博先生のお話を聞いたり、グループワークを行ったりする会で年に4回(学期ごとに1回と土曜開催が1回)実施しています。前回は6月29日に開催したところ、通常の倍近い27名の方が参加されました。

 

今回は感染症予防のためグループワークは行わなかったのですが、通常は小学生・中学生・その他というようにお子さんの年齢ごとにグループに分かれて、参加者それぞれが困っていることや悩んでいることを話したり、その場で松尾先生や教育支援コーディネーター、教育相談心理職専門員などから助言を受けたり、保護者同士で情報を共有したりしています。

 

とてもゆるやかな雰囲気の会で、参加者は登校しぶりの初期の段階の方から長期間にわたって悩みを抱えている方までさまざま。この会に参加したことがきっかけで教育相談所に来てくださった方もいます」(大久保さん)

 

「グループワークを通して悩んでいる保護者同士が知り合うことで、お互いに精神的な支えになるという面もあると思います。たとえば参加者の1人が、子どもにこんなことを言ってしまって嫌な気持ちになったと打ち明けると『うちも同じ』という声が上がったり、長い間お子さんの不登校で悩んでいる方がご自身の経験を話してくださったりということもあります。参加者のアンケートでは『自分だけではないと分かってほっとした』という感想もありました」(小山さん)

 

 

調布市には教育相談所をはじめ、教育委員会指導室、「はしうち教室」「太陽の子」「メンタルフレンド」「テラコヤスイッチ」「学校に行きづらい子どもの保護者の集い」など、不登校や登校しぶりで悩んでいる子どもや保護者のために多様な受け皿が用意されています。

 

子育て中の悩みや困りごとは、さまざまな事情が絡んでなかなか思うように解決できないこともありますが、専門家のサポートを得ながら一緒に考えていけると心強いですね。困ったことがあったら、1人で悩まずに気軽に相談してみてください。

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