前回(その1)は子ども発達センター(以下センター)の利用状況や療育について伺いました。今回(その2)はセンターの関連施設との連携や保護者支援、利用者の声についてお伝えします。
関連施設との連携も!ノウハウは地域にも還元
実際に療育に通い始めたら、在籍している保育園・幼稚園での子どもの様子も親としては気になるかもしれません。
「センターを利用しているお子さんに関しては、保護者の方の承諾を得て在籍する保育園や幼稚園に電話や訪問という形で園でのお子さんの様子を確認させていただき、お話することもあります。またセンターを利用していないお子さんでも、保護者の方の承諾があれば保育園や幼稚園から申し込みを受けて、専門職員が様子を見に行くこともできます。園から保護者にお話しして申し込みをする場合もあれば、逆に保護者がうちの子を見に来てもらいたいと園にお願いをして、園が申し込むパターンもあります。これは保育園・幼稚園に限らず、学童や放課後等デイサービスも対象。ご要望があれば専門職員を派遣しています」
調布市内の子ども施設への支援も、センター事業の一つなのだそう。
「公立保育園の保育士さんに対しては、各園1名を対象に子ども発達センターの療育を1日体験するという研修を実施しています。また、幼稚園や民間の保育園を対象とした巡回支援では月に1回専門職員と保育士が訪問し、困ってるな、気になるなというお子さんを含めたクラスについて、どうしたらその子も他の子どもたちも居心地よく、先生たちが困り感なく運営できるかをアドバイス、支援しています」
ほかにも調布市内の保育園・幼稚園、児童館や学童、放課後等デイサービスの職員のみなさんに向け療育見学会でセンターの見学や事業説明など実施。希望があれば施設の方向けに直接伺って研修会を開いたり、講師派遣もしています。
就学以降も保護者の心の寄りどころに
センターの個別療育やグループ療育、また通園事業の対象は就学前の子ども。がらりと環境の変わる就学以降のことは保護者にとっては大きな不安の1つです。
「センターに通うお子さんについては『 就学支援シート』を作成することが多いです。保護者の方が就学支援シートを持って学校との面談を行ったり、必要があればセンターの担当スタッフが小学校に伺って引き継ぐことも。就学後に適切な支援が行われるためにも、教育機関との連携は非常に大切だと考えています」
子ども発達センターでは小学校入学後の子どもについて、療育は実施されていませんが、相談は受け付けています(18歳未満が対象)。
「以前にお子さんがセンターに通っていた方から小学校入学後の困りごとの電話相談を受けることもありますし、実際に保護者の方に来ていただいてアドバイスをさせて頂くこともあります。また、子ども発達センターを利用したことのない中高生の保護者の方からの電話相談もお受けしています。センターでは必要に応じて、病院や教育相談所など関連施設をご紹介しています」
保護者のほっとできる居場所として
子ども発達センターでは保護者への支援にも力を入れています。
「個別療育やグループ療育の中では保護者の方と話をする時間を作っています。たとえばグループ療育であれば、30分ほど保護者のお話や困りごとなどを聞いて、どのような関わり方が適切かといったアドバイスをしたり、ほかにも保護者向けの講習会や、緊急一時養護事業やリフレッシュ支援事業というお子さんをお預かりする事業もやっています」
心強いですね。保護者同士の会話も支えになっているのでは?
「同じ悩みを持つ保護者同士で話せてよかった、安心するという声はよく聞きます。外だと周りに気を配るので他のお母さんと話ができないし、気遣いばっかりで疲れちゃうけどここに来たら安心してお子さんと一緒にゆっくり遊べるし、ほかの保護者とも悩みを共有できると…。何より相談できてよかった!という感想がとても多いです。ここでは、利用してくださるみなさんが安心して過ごせるようにと、いつも願っています」
他にも次のような感想が続々と寄せられています。
「この子がどうしてこういう行動するのだろうということを考えるきっかけになった」
「子どもがほかの人に興味を持ったということ自体がすごく嬉しい」
「グループで同じ悩みを持つ親同士で話す機会が持ててよかった」
「親子でリラックスして楽しめた」
「公共の場所では子どもの言動に気を張ることが多かったので、ここにきたらちょっとゆったり過ごせてよかった」
「子ども発達センターではお子さんの発達状況に適した遊びや課題を提供して、その中で楽しい!できた!という経験をたくさん積み重ねてもらうことを大切にしています。それがお子さんの意欲や自己肯定感の育ちにつながると思っています」
子ども発達センターの館内の様子や療育の内容についてのご紹介動画(外部リンク)もあります。こちらもぜひご覧ください。
(*)受給者証(正式名は障害福祉サービス受給者証)とは、児童福祉法に基づいて運営している事業所の福祉サービスを受けるために必要なもの。医師の診断書や意見書、療育手帳があれば自治体に申請できます。
子どものことについて相談できる機関
各相談機関で相談できる内容や対象年齢等はそれぞれ異なります。詳細は以下リンク先をご覧ください。
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